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11 将来オプションを評価するスゴ技

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

あなたは「行動方針の列挙と整理」を行い、「ロジスティクス見積り」により行動方針オプション検証のための要素を特定した(暗闇に光を照らす「行動方針の案出」)。次はいよいよ、将来取り得る行動オプションを評価する段階に入る。そこには、単純であるがスゴ技とも言える手法が用いられる。(最初から確認したい方:想定外を克服する「究極の状況判断力」

11 行動方針オプションの評価、そして上司への報告

5つの行動方針オプションを案出していたあなたは、引き続いてターゲットとなる顧客の3つの行動パターンとの関係を分析する。行動方針オプション1~5案それぞれに対して、上位3つの顧客の行動パターンをマトリックス状に書き表した。

そして、それぞれの考察を開始。たとえば、行動方針オプション1に対して、顧客の可能性ある行動パターン1位の情報をあてはめる。そのパターンについて、このA案件に関する目的及び目標の達成度合い、上司のBさんのインテンションとの整合性を分析し、それら要素に関し、その行動パターン与える影響の長短を記す形で評価を行った。同様な形で、あなたは全15パターンを分析し、マトリックスを埋めた。

さらに、「ロジスティクス見積り」で明らかにした、ロジスティクス上の制限値から導出された重要な要素を再度確認。先ほどのマトリックスを眺めながら、記述されている内容の全体像を掴む。何度か全体を俯瞰しているうちに、あなたは、このプロジェクト(戦い)で重要となる6つのキーワードを見つけた。

そして、それら6つキーワードは、このプログラムの成否を左右する紛れも無く重要な要素であると確信。このようにして確認された評価要素を用いて、あらためて行動方針案1~5の最終分析に移行する。

行動方針案の最終分析の第一段階として、あなたは再度、先ほどの6つの“評価要素を評価”する。人間による評価誤差を極小するための手続きだ。それら評価要素は、目的達成の程度、実行上の問題、自社へのインパクトを比較する上でキーポイントとなっているか。そして第2段階として各評価要素の重度を判定し、最後に第3段階として5つの行動方針案の評価を実施した。

あなたは、その結果を上司のBさんに報告した。上司のBさんは、5つのオプションを提示された。それらが概ね自分の意図に沿ったものであることに納得するとともに、5つのオプションに関する現状及びリスクが良く整理されたマトリックスを俯瞰した。そして、先にあなたに示していた決定すべきポイントが押さえられていることも確認し、それらの状況を踏まえてオプションXをとることを決定した。

そしてあなたは、行動方針の決定プロセスでおおむね明らかにされた計画立案上の要点を踏まえて、オプションXに向けての具体的な計画策定にまい進しはじめる。

>次回: 「想定外」に打ち勝つ秘訣は共通プロトコルにあり

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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」

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