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10 暗闇に光を照らす「行動方針の案出」

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

読者の皆さんは、この「究極の状況判断」プロセスの中で出てくる専門用語手順、さらにはBさんの指導に対する反応などについて、多くの?マークが沸いていることと思う。これらは私が闇雲に記述しているのではなく、既に軍隊や自衛隊のリーダー達が自在に操っている内容となります。この論理に関する詳しい説明は後ほどじっくりと行うとして、もう少し、このケースの続きをご紹介します。

10 行動方針案を案出する

あなたは、A案件を立ち上げたとした場合の、ターゲットとなる顧客の最もあり得る行動パターンの1位から3位までを案出した(<<前:どんどん進む「究極の状況判断」プロセス)。そして、次にその結果を上司のBさんに報告することとした。なぜならば、これら一連の活動はいわば上司と部下のダイアログ(会話)の中で形成されることが多い事を知っていたからだ。

あなたから「情報見積り」の結果を報告された上司のBさんは、現時点での情勢認識を更にアップデートできた。「インテンションの確立」に先立って行われた「状況の分析・提示」に加え、今回の「情報見積り」によって更に将来予測の精度が上がっていた。一方で、現時点では未だ不明の要素も多い事から、Bさんはセオリー通り、あなたに対して「情報見積り」の継続的なアップデートをするよう指示した。

同時にBさんは、次のステップとなる「行動方針の列挙と整理」を行うよう指示した。あなたは、指示される前から既に作業に取りかかっていた。まず最初に、我が方が取り得る可能性のある行動を列挙する作業だ。いつ、どこい、何を、いかに行うかといった要素について考えられる全てのパターンを網羅的に、かつ機械的に記述した。

引き続いて、慎重に各行動方針案が、上司のBさんと「インテンションの確立」段階で合意した「決定すべき事項」に合致している内容かをチェックし、行動方針案として何十とあるオプションそれぞれに番号を付けた。

次に、行動方針の整理の段階だ。第1次整理においては、明らかに不当と思われるものを排除、第2次整理で、当社として検討する価値の少ないものを排除、第3次整理では合目的性、実現性及び費用対効果で更にスクリーニングにかけた。最終的に、あなたは5案を有力な行動方針案として整理した。

更にあなたは、実現可能性の基盤となるロジスティクスの状況について確認するため、「ロジスティクス見積り」を実施する。サプライチェーン、メンテナンス、配送、設備、人事、ITインフラ、予算、広報その他といった、あらゆる領域のリソースについて、その制限値を確認することにより、先程案出した5つの行動方針案を検証するための要素を作り出した。

そしていよいよ、あなたは5つの行動方針案の分析を始めることになる。

>次回: 将来オプションを評価するスゴ技

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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」

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