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17 失敗⑤上司も部下も、共に知らなかった

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

先行きが見えない、初めての難題に取り組む時に有効な「究極の状況判断力」。これまでのシミュレーションで陥った失敗について振り返る。今回は5つ目の失敗の原因について。(初めてご覧になる方、最初から確認したい方はこちら:想定外を克服する「究極の状況判断力」

17 上司も部下も、共に知らなかった

シミュレーションでは、上司も部下も互いに想定外への対応プロトコルを持っていなかったため、いわば『戦場の霧』に入ってしまった。(第6回「そしてチームも「霧」に包まれる」)これはある意味、自然な結果でもある。そもそも、経験のない事態であり、対応要領が何となくわかっている場合とは大きく異なる。

民間企業における危機管理対応を通じて感じたのは、組織あるいは個人いずれにせよ、極度に未経験な事態に対応することについて、どうあるべきかを真摯かつ謙虚に考えられるか否かが、結果を大きく左右するということである。少なくとも、そういった想定外な事態が普段とどう違うのだろうかと想像し、日頃から信頼し合い、訓練する姿勢が非常に重要となってくる。

外国人の経営層の場合、こう言った想定外に対応するためのプロトコルや訓練のプログラムを軍出身者などに委ね、各種の違いを尊重する傾向が強い。そもそも経営層の中にホワイトハウスで危機管理を担当していた人とか、若い時代に軍経験のある人なども在籍しており、そういった特殊な経験を持っているが故に話が非常に早い。

一方で、日本人の場合、極度に2種類のパターンに分かれる。極めて優れたセンスとよく鍛錬した感覚を持っていて、自然と対応ができる人(但しバラつきは激しい)と、普段は関心が低いために本番では準備不足となり、何とか急いで対応しようと慌ててしまう(部下にきつく当たる)パターンだ。日本人と外国人が混在するチームの場合、両者のムラの違いがはっきりと見て取れる。

あなたと上司のBさんは極めて優秀で経験値も高かったが、普段から想定外の状況への対応要領を考える暇もないほど忙しく、訓練のための時間を確保することのみならず、普段から想像力を働かせる余裕はなかった。ただ、二人とも真摯かつ謙虚な姿勢で対応しようとしていたことは事実であった。

失敗の理由は概ね理解できた。で、どうすれば良いのか・・。早く「究極の状況判断力」の基礎的なロジックを知りたいところだが、その前に、それをを包含する行動原理の全体像について解説し、ご理解頂く必要がある。

>次回:想定外を突破するための行動原理

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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」

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