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"訪問マナー徹底解説"招待券って本当に無料なの?!

音楽会、演奏会、コンサートイベントで
友人が出演したり招待されたりした時のマナーを徹底解説。
礼儀やしきたり、業界のマナーに厳しいクラシック音楽の場合も
この記事を読めば大きな恥をかかずに済みますので
クラシック業界に進む方や、音楽家を目指す方は
是非最後まで読んでいってくださいね。

楽屋訪問

まず、楽屋訪問や挨拶は特別な例を除いて
必ず受付を通すようにしてください。

特別な例

特別な例とは?!
あなたの弟子のコンサートだったり、そのコンサートのスポンサーだったり
または師匠筋の方だったりですが
そういった方でも受付で名前をいった方がスムーズではあります。
その場合は事前に受付側が
丁寧にご案内する重要人物リストを用意しています。

受付で『〇〇ですが、楽屋見舞いにきました。』と伝えてくださいね。

楽屋見舞いの手土産は大きく3種類

  1. 花束など

  2. ご祝儀

  3. 菓子類やドリンク

これはいろいろな考え方がありますが
基本的には演奏会が成功するための気持ちを贈ることが大切ですので
『演奏家が成功しますように』という原則で選んでいくようにしましょう。

1、ご祝儀の額や熨斗

ご祝儀の相場はかなりアバウト。

冠婚葬祭のような社会通念上の相場はありません。

また、挨拶にいくのにご祝儀が必須ということもありません。

基本的には気持ち程度でOK。

必ずご祝儀を用意するべき人

ただし必ずご祝儀を用意する必要がある方がいらっしゃいます。

それがチケットを招待された場合なんです。(業界人同士の場合)

え?招待されたのに無料じゃないの?
招待されたら無料なんです。
無料とご祝儀は別。
このあたりが芸術家にとって大切な
気遣い力につながってきます。

気遣いについては
個人noteアカウントのこちらの記事をチェックしてください。

招待を受けたりチケットをもらったりした場合
必ず最低チケット代以上のご祝儀を用意することが
暗黙のマナーとなっています。

プロのコンサートでは友達だからと無闇に招待を出したりしません。

相手にそれなりの気遣いをさせてしまうことを想定した上で
それでもチケットの手配する手間をかけさせたくない
そして是非、最高の席で聞いてもらいたい時に
『お気遣いさせてしまうかもしれず、申し訳ない・・・ですがどうしてもあなたに聴いていただきたいのでご足労いただけないでしょうか。』
という気持ちで招待チケットを出すわけです。

これは音楽業界だけではなく
基本的に芸事の世界では業界人同士の場合暗黙の了解になっています。

写真展、絵画展、落語など含めて芸事の世界の知人や友人からは
『〇〇の日開いてますか?よかったら来て欲しいんだけど、ご招待させてもらってもいいですか?』
と聞かれます。
乱暴な言い方ですが、金欠の場合や、挨拶など含めてしっかりした対応ができないのであれば、お断りする方が賢明です。

ご招待を頂いたらしっかりと感謝と応援の気持ちで応えましょう。

相場は?!

プロ演奏家の場合はチケット代×2円を包むのが一般的です。
例えばS席一万円のチケットであれば2万円
1万5千円であれば3万円といった具合。

アマチュアや素人の発表会などでは
チケット代×1円〜1.5円程度
または、気を遣わせない程度の額を入れておけばOKです。

ご祝儀は受付で預かってくれます。

ちなみに熨斗はつけておいたほうが無難です。

ここに注意

ご祝儀は必ずピン札(新札)を使うようにしてください。
以前とあるピアノの先生から
『最近の親御さんの中にはレッスン代をピン札でいれない人も目立つわね〜』
という話を聞いたことがあります。
昔はレッスン代もピン札で用意するのが常識だった時代があります。
音楽家はそういうところにすごく気を配るタイプが多数派なので
間違っても財布から祝儀袋に入れたりしないように注意しましょう。

2、菓子類やドリンク

菓子類やドリンクを差し入れるのも定番です。

ただし『あの子が好きなお菓子を持っていく』はNG。
あなたが食べて欲しいお菓子を持っていくのもNGです。

菓子類を選ぶ際のポイントは次の4つ。

  1. 素早く空腹を満たせるもの。

  2. 楽屋や演者の口元を汚さないもの。

  3. 一口サイズまたは小分けにされているもの。

  4. 時間持ちするもの。

例えばお煎餅類でもバラバラになりやすいタイプのものは
日持ちはしますが食べる時にボロボロこぼれやすかったりすると
嫌われますし、公演中に開けたりできなくなります。

ポイントとしては
一口サイズや個包装で小分けされているものがベスト。

差し入れというのは基本的に、演者だけではなく関係者やスタッフ
様々な人と分けます。

なので、『あの子はケーキが好きだから』とホールケーキを持っていったりすると、これは非常に困ります。

  • 分けれない。

  • 要冷蔵。

  • 食べにくくメイクも崩れやすい。

といった三重苦を与えることになります。

当然アイスなども絶対にやめましょう。

定番ですがマカロンなんかは、持つ時に手が汚れにくく
一口で食べれますし、ある程度時間持ちもするため人気です。

例えばこちらのマカロンなどはチョコもあり、チョコなのに持ち手が汚れず、素早く空腹を満たせてスタッフにも配れるので最高です。

お酒を差し入れる際の注意

4合瓶にしましょう。

重ね重ねになりますが、冷蔵の必要がないもの。

日本酒なら必ず火入してあるものを選びましょう。

お酒が好きだからと一升瓶を持っていくのは
状況によってはやめておいた方がいい場合も。

演奏会やコンサートはとにかくもう帰りに荷物が多いです。

一升瓶はかなり大変。

ただしもちろんケースバイケースで
会場と打ち上げ会場がセットになっているような演奏会ではもちろんOK!
筆者もとあるコンサートで
終演後の打ち上げがセットになったイベントにて
一升瓶が1ダース届いたことがあります。
そういう特殊な場合は大きさにこだわらず
樽酒を贈って鏡開きしてもいいですね。

3、花束

花束はやっぱり嬉しい。

ただし基本的には受付で預かってもらうのがマナーです。

たまに終演後に舞台上に突撃するケースもありますが
かなり深い関係の友人だとしてもやめておいたほうがいいですね。

数百人規模のコンサートともなれば
必ず誰かが不快な想いをするものです。

コンサートでの不快、会場での不快は
すべてそのアーティストに矛先が向きます。

演奏中も花束の包み紙がカサカサ音を立てたりすることもあるので
受付で止められることが多く
終演後に舞台に突撃するのは
あまりお行儀がいいとはいえません。

舞台に渡しに行く場合はアマチュアや
身内だけのコンサートに限定しましょう。

花選びに迷ったら基本的に胡蝶蘭を送っておけば間違いは起こりません。

広告経費?

大型の花を贈る場合は広告経費としても戦略的に考えましょう。

わずか3万〜4万円の予算で
受付待ちのお客様数百人の目に触れることができます。

笑っていいとも!のテレフォンショッキングのあれです。
芸能人がなんであんな大型の花束をほんの少しのコーナーのために贈る?
それはタモリさんが冒頭で
ちゃんと届いた花束の送り主をいじってくれるからです。
あの時間で全国の視聴者に名前を知ってもらうというのはとても重要
時代背景もありますが
10万や20万の花束で充分に宣伝効果としてお釣りがくるわけです。

ただし、こちらはアーティストの知名度や
当日の入場見込み数などをしっかりビジネス目線で見極めることが重要

大型タイプの花束はホール付近の花屋さんに相談するとスムーズです。

ホールの事情に精通していますので非常にスムーズに届きます。
通販タイプの場合当日時間指定をしてホール宛に送ればOKです。
時間指定を忘れずに!

他にはブリザートフラワーなどもおすすめ!

日持ちするというのは圧倒的に喜ばれます。

訪問時の3つの注意点

訪問時にも様々な注意点があります。
基本的な常識と節度を持っていればOKです
しかし音楽家ならではのポイントもあるのでチェックしてください。

まずは3つまとめてみます。

  1. 本当に軽い挨拶だけで手短に切り上げる。

  2. 開演近くは諦める。

  3. 小さな声で。

楽屋訪問といっても、楽屋の中まで入っていくケースは
ほとんどありません。

家族レベルの仲でも基本的には外での挨拶となります。

演者さんが基本的には出てきてくれますし
通常は中に招き入れることはまずありません。

扉付近で手短に応援している気持ちを伝えるだけにしましょう。

当日はとにかく忙しく
音楽会の場合は舞台袖ギリギリまでいろいろな仕事をしています。

滞在時間について

長くても3分までが限度です。

5分を超えての立ち話にならないように注意してください。

また、楽屋付近はスタッフのインカムや
舞台袖のマイクなど、どの音響が入っているかわからないこともあります。

ホールのスタッフが新人さんだったりすると
思わぬトラブルになったりしますので
声はできるだけ小さい声で話しましょう。

共演者がいる場合や、お師匠さんと一緒に出演する友人への訪問の場合
話し声だけでも共演者の方が非常に嫌がる場合もあります。
お師匠さんと一緒に出演する友人の楽屋訪問は
事前に友人に尋ねても大丈夫かどうかしっかり確認してください。

注意したい点として、開演30分を切ったあたりになると
演者の精神集中の時間がマックスまで高まります。

この時、音楽家は
『誰にも話しかけないでもらいたい』時間に突入しています。

30分を切ったらもう楽屋訪問は絶対に諦めてください。

【注意】絶対にNGな行為

上記3つの注意点に加えて音楽会ならではの絶対NGな行為があります。

それが握手を求めること。

そしてできればハグも半エアーハグくらいの感覚で
とにかく身体に触れないように注意すること。

演奏会当日の音楽家の指は人間の極限まで感覚が研ぎ澄まされており
とんでもない精度で調整されています。

強い握手なんかしてしまうと
ピアニストだと演奏がもうできなくなるまでダメージが与えられますし
熱いハグの場合もバイオリニストの場合は肩の位置が変わります。

間違っても熱い思いを伝えるために熱いハグや
手を取りに行って硬い握手をするなんてことがないように
お連れの方にも絶対にNG行為だということをちゃんと伝えてください。

これだけは本当に絶対にNGな行為。

演者には触らない、いつもとちょっと多めに距離を取る。
大切なことなのでしっかり守ってくださいね。

まとめ

  1. ご祝儀は招待された場合は必須。

  2. 差し入れはすべて受付に。

  3. 楽屋には入らない、3分程度で切り上げて長居しない。

  4. お菓子は一口サイズで汚れないもの。

以上に注意して差し入れや楽屋見舞いを行いましょう。

そして終演後が実は一番忙しい時間。

できるだけ配慮した行動が喜ばれます。

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