見出し画像

クライアントさん、インフルエンサープロモーションは効果ないと感じてきてません?

どうも、新保紘太郎(@charytaro)です。
見切り発車で始めたnoteですが、そろそろ自己紹介替わりの記事が欲しいと思い、僕が普段扱っているインフルエンサープロモーションについて書いていきます。

■インフルエンサープロモーションとは

僕なりの定義としては、InstagramなどのSNS上でのPR投稿を行なうことで、商品/サービスの認知度向上やブランドイメージの定着を狙う施策です。
これまでInstagram上では購買導線を設計するのが難しかったですが、ショップ機能の導入により、上記の2つに加え購買促進も狙えるようになりました。

そんな動きがある一方、僕自身は「クライアントがインフルエンサープロモーションは効果が無い」と思い始めている空気を感じています。
日本で使われている広告費の中でもインターネット広告費の割合が高まっていく中、適切に行なえばブランド/商品イメージを効果的に伝播できる手法でまだまだ伸びしろがあると考えています。
そこでこのnoteではクライアントの思惑とインフルエンサープロモーションの間で生じている3つの問題をすり合わせる一助になればと思います。
(今回はInstagramメインで話を進めていきます。)


①インフルエンサーという存在への理解の不十分さ

電通テックのオウンドメディアにあった図がわかりやすいのでお借りしました。
僕はこの中だとナノインフルエンサーからマイクロインフルエンサーに該当する1,000~10万フォロワー程度のキャスティングを行なうことが多いです。

テッペンのタレントは基本芸能事務所に所属しているプロです。トップインフルエンサーも事務所所属が多いです。マイクロインフルエンサー以下からグッと”事務所所属以外”が増えてきます。

まずは、仕事としてフリーランスモデル活動をしている人です。
専業でやっている人もいれば、本業と両立してやっている人もいます。普段の投稿に関しても自分のイメージを考えて戦略的に行なっている人が多いです。

もう1つは、仕事という意識が薄いインスタグラマーです。ここの齟齬が一番大きいです。
本人が好きなことを投稿していたらフォロワーが増えてきてインスタグラマーと呼ばれるようになった。そしたらなんか企業からPRのお願いが来るようになったからちょこちょこ受けてるよ、のパターンです。

どちらにもその人のライフスタイル/考え方に共感するフォロワーが多く、商材と本人の世界観がハマればPR効果は大きいですが、仕事を受けるスタンスに差があります。
前者のフリーランスは仕事として問題なく進行しますが、後者のインスタグラマーは投稿しなかったり、PRイベントを無断欠席したりします。
ここで僕が言いたいのは「意識の低いインスタグラマーが悪い」ということではありません。むしろ投稿したときのリアクションは良いので、本人がやりたいと思える案件を適切にお願いできれば問題ありません。

「従来のタレントと同じような認識でインフルエンサーもお金を払えば必ず投稿してくれる」と考えているクライアントと、そのようにオリエンしている広告代理店が認識を改めないとインフルエンサープロモーションの齟齬は無くなりません。


②不適切なキャスティングマッチング

僕の会社は昔から若年層向けプロモーションを行なっていた関係で若手モデルとの付き合いがあったため、2015年の後半頃からインフルエンサープロモーションの相談を受けることが多くなりました。
周りを見ても2016年頃からインフルエンサーキャスティングを業務として取り扱う会社が増えてきたように感じます。

さてここでインフルエンサープロモーションのキャスティングフローを説明します。

●クライアント→PR会社/広告代理店→(制作会社)→キャスティング会社→(芸能事務所)→インフルエンサー
 ※括弧内は通さないことも多い。

基本的にはこんな流れが多く、僕の会社はキャスティング会社の立ち位置です。

ここにインフルエンサーのマッチングサービスというものが出てきました。
どういうサービスかというと、SNSでPRしたい会社が募集要項を公開し、その案件をやりたいインフルエンサーが応募してマッチングさせるものです。

ここで起きる問題は、商材との親和性が薄いのにフォロワー数での判断が行なわれてしまうことです。
インフルエンサープロモーションはタイムライン上での商品露出を増やしたり、ハッシュタグで検索したときの投稿数を担保するために少なくとも30名以上で行なわれることが多いように思います。100人規模でやることもよくあります。
そうなったとき、専門のキャスティング会社ナシにマッチングサービスで行なおうとなると、どうしても候補者全ての投稿内容をいちいちチェックして親和性を確認する作業は難しく、フォロワー数がわかりやすい指標として使われることになります。

インフルエンサーの世界観に合わないものはいいね!や好意的なコメントがつきにくく、その結果、安価で済んだけど結局あまりエンゲージメントが良くなかったよね、効果無かったね、、となってしまいます。

今のInstagramユーザーは広告などへのリテラシーが高いので、きちんと世界観に合った商品を適切に紹介できると、広告だとわかったうえで投稿を好意的に受け取ってくれます。

繰り返します。単純なフォロワー数より、商材との親和性が大事です。


③サービス提供者ごとの金額差による不信感

最後の理由ですが、インフルエンサーキャスティングって誰でもできるんです。
実際にそうなってきていて、クライアントがDMを使って直で依頼したり、自分もインフルエンサーをしながらキャスティング業務を行なうモデルがいたり、制作会社がインフルエンサーチームを抱えたりしています。

インフルエンサープロモーションではフォロワー数×○円の謝礼を支払うことが主流です。
インフルエンサー本人が受け取る単価はだいたい@1~2円、僕の会社では@3~3.5円で人数規模に応じてディスカウントをかけています。
僕の知っている芸能事務所では@2~3円程度で提案していますし、@5円で請けている制作会社もあります。

こうなると、プロモーションにお金を出すクライアントとしては「直でDMできるし本人への相場もわかってるのに、わざわざ中抜き業者にお願いすることないじゃん!」的なマインドになってくるでしょう。

でもやはり、餅は餅屋です。
僕は四六時中Instagramを見ているし、現場でコミュニケーションを取ることもあり、商材とのマッチングもある程度自身あります。

「このモデルはこのモデルと仲良い。だから女子旅案件はこのグループにお願いすれば自然で効果的だな」
「このモデルは来年ホノルルマラソンに出たいって言ってたから、ランニングシューズの案件は本人が気に入ってずっと使ってくれるかもしれない」

本人に払うギャラに乗っけている金額は、「効果的なマッチング選定」「適切な投稿オリエンテーション」「投稿後の報告書」などに充てています。


■最後に

ステマ問題などもありインフルエンサープロモーションのイメージが悪い時期もありましたが、一般ユーザーに近い立ち位置にいるインフルエンサーは企業にとってもユーザーにとっても頼りになるPRパーソンだと思います。

ショッピング機能も実装されて、これから一層発展していくInstagramで、インフルエンサープロモーションはもっとバリューを発揮していくと思います。


クライアントの皆さん、インフルエンサープロモーションに効果が無いと思うのはまだ早いですよ。
(ちなみに僕の会社では基本的に投稿内容をガチガチに指示することはなく、商品の良いところやプロモーションの目的をオリエンテーションしたら、後は本人に委ねています。また、最近では商品を使ってみてフォロワーに勧められないと思ったら投稿しなくて良いようにクライアントにも理解してもらいながら行なっています)

連絡お待ちしています。
新保紘太郎(@charytaro)でした。


#インフルエンサー #プロモーション #PR #パブリックリレーションズ #広報 #広告  


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?