【映画紹介】 嫌いな映画 「セッション」
映画「セッション」に出てくる指導者は最も有望な学生にこう吐き捨てた。
「“よくやった”ほど有害な言葉はない」
There are no two words in the English language more harmful than
"good job".
彼は絶対に褒めず、罵声を浴びせたり騙したりしてその学生を追い込む。
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映画紹介。
好きな映画はもちろんたくさんあるけど、嫌いな映画ってのはあんまり思い浮かばない。
つまらなかったら覚えてないから。
だから、今回はあえてその中でも「嫌い」と思える映画を紹介する。
逆転の発想。
今回紹介するのは「セッション」という映画。
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セッション
あらすじ
世界的ジャズ・ドラマ―を目指し、名門音楽学校に入学したアンドリューを待っていたのは、伝説の鬼教師。常人に理解できない完璧を求め、浴びせられる容赦ない罵声。やがてレッスンは狂気を帯び、加速の一途を辿る―。
あらすじ通りパワハラに打ち勝って鬼教師を見返すみたいなのノリの映画。
僕はこの映画を観たときの率直な感想は以下。
はっきり言って嫌いだ。
観ていて嫌な気持ちになる。
一言でいうとパワハラ映画。
この映画に高評価つける人間はサイコパスか体罰で育てられた昭和の人のどっちかだと思ってる。
でもどうやら世間の評価は違うようだ。
第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、映画レビューサイトFilmarks でも10万件を超えるレビューをもってして☆4。(僕は☆2で評価してる)
食べログだったら行列になって大変だ。
これじゃ、まるで僕のほうがサイコパス。
万が一の可能性では、この映画を観る人がサイコパスばかりなのか。
もう一度観たら面白いのかなって思って観てみても、やっぱり嫌い。
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結局何が嫌いなのか。
パワハラ関係の構図が嫌いなのは間違いない。
でもそれ以上に嫌いになる点
それはラストがしびれるほどカッコいい点。
観ていない人は観てほしい。
とてつもなく粋なラスト。
このかっこよさがパワハラを正当化しているような、終わりよければすべてよしでいいのかというような悔しさ。
結局、嫌いの原因は悪は悪のままなのにも関わらず,それが後味良くかっこよく終わるということ。
悪にはアンパンチだろ!
そして、内容以外の嫌いの要因としてそんな嫌な映画が高い評価を受けているという事実。この矛盾が嫌いを加速させる。
音楽が良くても演出が良くても仕方ないよ、嫌いなものは嫌いなんだ。
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好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。
今回はあえて嫌いな映画を紹介することで、紹介とともに「嫌い」とい感情の整理をした。
少数派に屈せず文章で表現できたことは最近の成長。
セッションは嫌いな映画であるが、決してつまらないわけではない。
つまらなかった映画なんてタイトルすら覚えてない。
好きの対義語は嫌いじゃなくて無関心とはよく言ったものだ。
僕が嫌いなこの映画はいい映画で、いい映画だから嫌いなんだ。
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