アクティブとインデックス、どっちが良い?自分に合った投資信託の選び方④
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投資信託をどう選ぶか!シリーズ⑥
今回のテーマは『インデックスとアクティブ、どっちを選ぶ?』です
投資信託(以下、投信)の銘柄は約6000本!
その中から自分に合った投資先を選ぶには、いくつかポイントがあります。
①何で運用するかという“資産”
②どこで運用するかという“地域”
③どうやって運用するかという“運用方針”
自分で選ぶときには、この3つのポイントを最初に決めてから、手数料や運用会社を確認していくと、分かりやすいと思います。
そして、今回は『運用方針』に注目!
大きく分けると、
○インデックス運用
日経平均やS&P500など、指数(インデックス)に連動した値動きになるように運用する
○アクティブ運用
ファンドマネージャーとよばれる運用のプロが組入資産(銘柄)を選定し、指数(インデックス)を上回ることを目指して運用する
の二つがあります。
今回はインデックス運用とアクティブ運用の特徴、どんな人に向いているかなどを考えてみます!
これを読んだら、どちらが合うか分かるはず?!
そもそも指数(インデックス)って?
と、本題に入る前に!
指数(インデックス)とは何かを調べてみます!
そもそも指数(インデックス)とは、金融市場の動向などを表す指標(ものさし)のこと。
複数の企業の株価値動き、国や世界の景気が反映される株価指数や、国や企業が発行する債券等の値動きを表す債券指数が、投信ではよく使われます。
NISAで話題によく出る株式指数でいうと、『S&P500』や『MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)』などは聞いたことがあると思います。世界には、これ以外にもたくさんの株式指数があります。例えば、アメリカの株式市場で有名なものは以下の4つです。
○S&P500
ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している代表的な企業500銘柄の値動きを表すもの。米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしている。
○NYダウ平均(ダウ工業株30種平均)
ニューヨーク証券取引所やナスダック市場などに上場している、アメリカの代表的な企業30銘柄の株価値動きを表したもの。
○NASDAQ総合
ナスダック市場に上場している全銘柄の株価値動きを表したもの。多くのハイテク・IT関連企業が上場しており、テクノロジー系の企業の株価値動きを表す指数として重要視されている。
○NASDAQ100
ナスダック市場に上場している企業のうち、時価総額上位100銘柄(金融除く)の値動きを表したもの。GAFAMなど世界の代表的なテクノロジー系企業の動向を表しているとして注目されている。
このように、アメリカの株価指数といっても種類があり、それぞれに企業の選び方や数値の出し方など、特徴が異なっています!
同じように日本の株価指数にも、有名な日経平均株価のほかに東証株価指数(TOPIX)や、大型株を対象としたTOPIX Core30など、たくさんの種類があります。
指数(インデックス)は金融市場の動向などを表す指標(ものさし)で、企業の選び方や数値の出し方でいろんな種類があるということ覚えておいてください!
〇インデックス運用
では本題!それぞれの特徴や選ぶのに向いている人を確認します!
インデックス運用は、ベンチマーク(運用の基準)になる指数と同じ動きになるように、組入銘柄を選び、運用する運用方針。特徴としてあげられるのは、3つです!
①値動きの理由が分かりやすい
指数と連動することを目標としたインデックス運用の投信は値動きが分かりやすいことが特徴。
日経平均、NYダウ平均などはメディアでもよく取り上げられるので、自分でも値動きの確認がしやすいです。
また、日経平均の変動などはメディアでも取り上げられることが多く、なぜ価格が動いたか、値動きの理由が分かりやすいこともポイント。情報が集めやすいとも言えます。
②手数料が安い
2つめの特徴は、手数料が安いこと!
インデックス運用の場合は、指数に銘柄アクティブ型投信よりも企業調査などにかかる費用が低くなります。AIなどを使って自動で銘柄を選んでいるものも。そのため、アクティブ型投信よりも、手数料が安くすむことが多いです。
③緩やかな値動きになりやすい
最後は、値動きが緩やかになりやすいこと。
市場全体と連動しているので、値動きが緩やかになりやすく、短期的に大きな利益を狙うことは難しいです。長期でのコツコツと運用していくのに向いていると言えそう。
なので、投資初心者の人が長期的に運用する投資として、投信でインデックス運用のものを選ぶのはぴったりかも!
また、資産形成に時間をあまり割けない人などにもおすすめ。ただ、どの指数と連動しているかには注目が必要です。
○アクティブ運用
アクティブ運用は、目安となる指数(ベンチマーク)を上回る成績を目指す運用方針のこと。運用のプロであるファンドマネージャーやアナリストとよばれる人達が市場や個別銘柄の調査、分析などを行い、その結果をもとに銘柄を選定して、高い運用成果を目指します。こちらも特徴は3つ!
①いろんなテーマのファンドがある
アクティブ型投信の一番の特徴はいろんなテーマの投信があること!
たとえばピクテ・ジャパン株式会社の
『iTrustロボ』
名前のとおり世界のロボティクス関連企業に投資しているファンド。製造、輸送、医療・サービス等の各分野で、人の代替や効率化に貢献するロボット関連技術、部品、AIに関わる企業に投資しています。
この投信の5年間の年率リターン(利益)を見てみると、24.41%!!よく話題に上がるS&P500よりも、高いリターンをだしています。
また最近注目されているのは、
『日経平均高配当利回り株ファンド』
日経平均株価に採用されている銘柄から、配当利回りが高い企業を選んでいる投信です。
東証株価指数(TOPIX)と連動している「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」と比べると、1年、3年、5年ともリターンが優れています。
このように1つの業種の株式をあつめたファンドや、特定の種類・地域を集めた投信など、いろんなテーマの投資信託があるのが特徴です。
②手数料等のコストが高い
二つ目の特徴はコストが高いこと!
アクティブ運用はインデックス型投信に比べると、市場調査や分析に手間がかかっています。そのため、インデックス型投信よりも手数料が高くなりがち。
そのためインデックス運用の投信とリターン(見返り・利益)が変わらなければ、アクティブファンドの方が利益が少なくなります。
そのためアクティブ運用のものを選ぶときには、今までの実績や手数料の確認が特に必要です。
③リスク・リターンともに高くなる
最後の特徴はインデックス運用と比べると、リスク・リターンともに高くなりやすいこと。
情報なども確認でき値動きが分かりやすいインデックス運用に比べると、アクティブ型は積極的な運用を目指しているため、リスクが高くなります。
また特定の業種・地域で構成されている投信は、コロナ禍の飲食店やホテルのように、特定の業種・地域にマイナスの出来事がおこると影響を受けやすくなります。
その分、積極運用で大きな利益を得られる可能性も、もちろんあります。
ですが、アクティブ型投信の成績が必ず良いとは限りません。実際にインデックス運用に実績が勝っているアクティブ型投信は、全体の3割ほどしかないというようなデータも。(資産運用業高度化プログレスレポート2023.金融庁)
なおかつ、手数料はアクティブ型の方が高くなりがちです。例えば年間1%の違いでも、長期運用ではその影響はかなり大きくなります。
そのためアクティブ型投信は、
○運用方針や特定のテーマで応援したい・気に入ったファンドがあるとき
○過去の運用実績がインデックス型に勝り、将来にも期待できそうなファンドがあるとき
○自分の持っているほかの資産の地域・資産・業種(株式投信の場合)の分散になるとき
などに余裕資金や運用の一部などで買うのが良いと思います。
アクティブ型が悪い訳ではもちろんありません。ですが内容や実績を理解・確認せずに、言われるがまま資金の大半で買うのは避けるべきかと思います。
○まとめ
今回は、インデックス運用とアクティブ運用の特徴と選ぶポイントを調べました!
これで、資産・地域・運用それぞれのポイントを確認できました。
資産・地域・運用ともにそれぞれメリットデメリットがあります。
そのため、一番良い方法は『分散』です!
それぞれの投資信託を少しずつ保有するのがやっぱり一番!ですが、その割合は年齢・家族構成などによっても違います。
そういったところをプロに相談したり、資産配分(アセットアロケーション)について調べてみて、自分で考えてみると面白いかもしれません。ちなみに、有名なのは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分!参考にしてみてね!
投資信託シリーズこれにて完結!(仮)
あ、私のおすすめの資産配分はこちらから!笑