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プロローグ -ワーホリの終わり-

  公園で空を見上げていた。日本よりも広い空。鮮やかな青に浮かぶ真っ白い雲。
  今となってはもう見慣れた景色も、オーストラリアに来た時は、綺麗だなと思うたびにカメラを構えていた。

  当たり前になった日常の中で、日本ではない国に慣れてきた嬉しさと、このままで良いのかという不安が入り交じる。

  夕方5時には仕事が終わり、家まで歩いて5分の道のりをイヤホンを耳に突っ込んで、奥田民生のイージュー★ライダーを聞きながら、10分かけて帰る。そんな日々の繰り返し。

退屈なら それもまたグ〜

  歌詞が心に響く。こんな生活も悪くないかな。なんて。

  ブリスベンに住んで約1年。イニスフェイルで3ヶ月間のファームと、その後のひとり旅の期間を抜かしたら、ほとんどの時間をブリスベンで過ごしている事になる。

  語学学校の4ヶ月から始まって、ホームステイを1ヶ月。セカンドビザ取得のためにファームジョブを3ヶ月。
  ケアンズからブリスベンまでのひとり旅を終えて、ブリスベンに戻ってきた。
  それからマッサージの仕事を始め、今これを書いている今日もなお、マッサージの仕事を続けている。

  2017年11月にオーストラリアへ来てから、早いもので1年5ヶ月が経とうとしている。ワーホリビザでオーストラリアに滞在できるのも、残り約半年。

  「さて、これからどうしたものか。」

  毎日をそんなことばかり考えて無為に過ごしていた。

  選択肢は無数にある。オーストラリアに残るもよし。日本へ帰るもよし。はたまた他の国に行くのもよし。

  何を選んでも自由な自分がいた。
  そして、自由だからこそ決められない自分がいた。

  このワーホリで学んだことはたくさんある。そのうちのひとつが、自由とは責任だと言うこと。
  自由であることは、自分の人生の一切を、自分で責任を取るという事だ。

  当たり前のことのようだが、日本にいた時は気づくことが出来なかった。何かミスをしても、責任を取ってくれるのは上司であり会社だ。そんな会社を辞めて、所属する場所が無くなれば、それはもう自由だと思っていた。

  そう思って、半ば逃げるようにして来たオーストラリアに来た時、僕は自由ではなかった。

  でも、この1年5ヶ月のオーストラリア生活を通して、自由というものを少しは学ぶことが出来たと思う。

  学んだは良いものの、何を選択したら良いかひたすらに悩んだ。自由がゆえに、自分の決断が怖かった。
  未来は分からないのだから、未来へ先回りして、絶対に正しい道なんか選べない。選んだ道を正解にしていくしかない。

  それこそが自分の人生における責任なんじゃないかと頭では理解している。

  でも、心は不安に押し潰されそうで、見えない未来が怖くて、どこにも踏み出せないでいた。

  だから、また焦る。不安になる。不安が不安を呼んで、立ち回ることが出来なくなる。

  そんな渦の中にいた。

  元々の性格が小心者の僕は、何かを決断する時、何か行動に移すとき、いつまでもうじうじとするタイプ。
  あーしたら、こーしたら、あーなってしまったら?こーなってしまったら?色んなことを考えすぎて、結局行動に移さない。

  考えてる時間が好きということもあるからかもしれない。

  そんな自分が分かっているからこそ、今回は決断してやる!動いてやる!って思った。

  でも、そのやる気がまた自分へのプレッシャーになり、ベッドから出れず仕舞い。ベッドから出れない自分に嫌気がさして、また不安に苛まれる。そんな日々の繰り返しだった。

  でも、ワーホリの終わりは着実に近づいてくる。
  1日1日と、命の終わりも近づいてくる。

  でも、でも、でも、でも…そんな事の繰り返し。

  焦っていてもしょうがない。重い腰を上げて、考えた。
  まずは悩むのをやめた。
  残り少ないワーホリ生活をどう過ごすのか。どう終わらせるのか。オーストラリア以外にも行きたい国はある。じゃあ、いつその国に行くのか。どうやって行くのか。具体的な事をひとつずつ紙に書き出した。

  ちなみにこの作業には1週間以上かかった。なんてったって、ベッドの誘惑には勝てない。

  そして、やっと決断した。ワーホリの終わりを。

  ワーホリを自分の手で終わらせようと思った。
  ビザが切れるから終了ではなくて、自分が思う最高のタイミングで、最高の終わり方をしようと思った。自分で納得できるワーホリの終わりを目指す事にした。

  そして、今書いているこのnoteこそ、僕の納得いく形なのだ。
  このnoteを完成させたら、もういつ日本へ帰っても、他の国へ行っても、オーストラリアへの後悔はない。

  僕のワーホリの全てを詰め込む。

  ワーホリを決断した2016年のあの日から、不安でしょうがない、今2019年までの3年間のお話。
  そして、2020年からの未来も少しだけ。

   ワクワクしたり、怖くなったり、恋をしたり、F*CKと言われたり、旅の出会いに恵まれたり、日本へ逃げ帰りたくなったり。

  今ワーホリに行きたいと思う、きみの背中を押せたらいいなって、そんな風に思う。

  きみの勇気のひとかけらになることができたら、僕のワーホリは最高の終わり方ができると思ってる。

  だからここに全てを残す。今の僕の全てをかけて、オーストラリアワーホリを終わりにする。

  僕のワーホリの物語の終演を、どうか一緒に見てやってください。

  それじゃ、ワーホリの世界へ冒険しに行こうか。

✱ ✱ ✱

『逃げたあの日、僕のワーホリは始まった』

「第ゼロ章 ワーホリを決めた夜」へ続く

✱ ✱ ✱

次の第ゼロ章から、有料です。
12章まで続く予定ですので、ぜひマガジンを購入して頂けると嬉しく思います。(マガジン購入の方が、note単体より安いです。)

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この本をにきっかけに、ワーホリに悩む人や頑張りたい人、頑張っている人etc.ワーホリや海外へ行く、たくさんの方と繋がりたいと思っております。

ぜひ、一言で良いので、感想等を頂けると幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

では、「ゼロ章 ワーホリを決めた夜」スタートです。

✱ ✱ ✱

こーた

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