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ブリスベンの匂いは、僕の生きた証。

ブリスベンに来たのが、2017年11月2日。

あの時は、英語が話せない不安と、旅ではない初めての海外で、緊張していた。

着いた次の日に、エージェントのオリエンテーションに行って、銀行口座の開設とか、オーストラリアで働くために必要な手続きを済ませたけれど、あの不安が消えたわけじゃない。

でも、同時にワクワクもあったんだ。

初めてのブリスベンの景色。

ブリスベンに来ようと決めたのはいつだっただろう。

いつ、ブリスベンにしようと決めたのかは忘れてしまったけれど、GoogleMAPで何度も何度も見ていた街。

それを、目の当たりにした。

そこには写真と同じ景色が広がっていたけれど、視覚以外の五感で感じるブリスベンに、僕は高揚した。

たくさんの不安の中に埋もれていた自分ににも、高揚する自分がいて、少しほっとしていたのかもしれない。

その時のブリスベンの匂いは、まだブリスベンにある。

どこか違う街に行って帰ってきた時も、久しぶりに家から離れて、シティに来た時も、ブリスベンの匂いは僕の心を包んでくれる。

その匂いは、1年半前に戻してくれたり、1年半の成長を感じさせてくれたりする。

ここに、ブリスベンに、僕の1年半は確実にある。

ファームで離れていた期間もあるから、正確には1年4ヶ月くらいだけど。そんな細かいことはいいか。

ブリスベンに来ると、その匂いの中に、僕は確実に生きている事を実感する。

たまに聞こえてくる日本語も、愛おしささえ感じてしまう。

あの頃には出来なかったコーヒーの注文も、すれ違いざまのHow are youも、have a nice day にyou tooって返すことも、全て僕が生きた証なんじゃないかな。

この匂いは、僕の生きている証なんじゃないかな。

こーた

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