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元上司のひと言が転機となり現職に。私も「きっかけをつくる人でありたい」

転職について相談したいけど、キャリアアドバイザーってどんな人なんだろうと不安に思っている方いませんか? そこでまずは人柄を知ってもらうため、コタエルHRのキャリアアドバイザーが自身の経歴を語ります! 第3回に登場するのは伊藤萌さんです。

コタエルでキャリアアドバイザーと人事を兼務する伊藤さんは営業出身。現職に興味を持ったきっかけは、ある人からの、何気ないひと言でした。彼女は胸を張って言います。「私はこの転職が本当に成功したと思っているんです。間違っていなかったなと」

人生に変化をもたらすのは進学や就職、起業、結婚、出産などの大きなイベントばかりではありません。誰かの言葉にハッとすることもあれば、振り返ったときに「あのときの、あれが!」なんて気づくこともあるでしょう。彼女はちょっとしたことがキャリアの選択肢を広げると知っている。だから誰よりもあなたの人生の可能性を信じてサポートする。そんな頼れるキャリアアドバイザーです。

伊藤 萌(いとう・めぐみ)保育士資格と幼稚園教諭免許を取得するも、新卒からリクルートグループで営業経験を積み、現在はCAと人事を兼務中。趣味は釣りだが、荒川で釣った72cmの鱸を食べたことはトラウマ。また、生き物全般が好きで、哺乳類・魚類・両生類・昆虫合わせ、8種類の生き物を飼育中。まだまだ家族を増やして好きなもの(家族)に囲まれるのが夢。

目指してきた保育士になるか、違う道を進んでみるか

──まずはコタエルHRに入るまでのキャリアをお聞きしたいと思います。
新卒でリクルートの子会社に入りました。医療業界の転職や採用支援を行う会社で、最初は広告営業をやっていました。病院やクリニック、介護老人保健施設などに「求人広告、出しませんか?」と電話するんですが、全然決まらないんですよ。それが結構ギャップで。正直、リクルートの名前があれば売れるだろうと思っていたんですけど全然売れなくて、1日中電話をかけてましたね。

──そもそも、どうしてその会社を選んだんですか?
私、もともとは保育士になりたかったんですよ。両親が小学校の先生だった影響もあって教育の道に進みました。大学では保育科を専攻して、3年生になるまではちゃんと目指していたんです。

──ちゃんと(笑)。
でも、いざ就活だってなったら「本当に保育士でいいのかな?」と思ったんですよね。しかもちょうど3年生の授業を選択するタイミングで、このまま保育士の道に進むか、一般就職の道に進むかを決めないといけなかったんです。「本当に私、やりたい?」と考えたときに、そうじゃない道もあるんじゃないかなって。保育業界は人手不足だから将来戻れるチャンスがある。でも新卒でチャレンジできる機会は今しかないと考えて、最終的に企業への就職を選びました。

──その頃から医療業界に興味があったんですか?
就活するなかで自分の思いってどのあたりにあるのかなと振り返って真っ先に思い出したのが、中学のときに祖母が亡くなったことでした。お見舞いに行くタクシーの中で訃報を聞いたんです。あまりに急な出来事で、当時は「なんで突然?」という感じだったんですけど、地方の病院だったし、もし医師や看護師の人手が足りていたらもっと診てもらえたかもしれないと考えるようになって。自分が医者になることはできないけど、何かしらの形で困っている人や悲しんでいる人を減らす手助けができるんじゃないかと思うようになったとき、医療人材をサポートする会社があると知りました。

入社1年目で営業成績トップに。MVPを受賞し、「頑張りが報われた」と実感したそう

「頑張りすぎないってことを頑張ろう」

──現在はコタエルHRでキャリアアドバイザーとして働きながら、グループ会社の人事もされています。営業以外の職種で転職を考えていたんでしょうか?
いや、最初は営業も含めて幅広く探していました。エンジニアになってみようかなと思ったり(笑)。というのも、1年間のブランクがあったんですよ。新卒で広告営業をしたあと、病院医師の採用を代行する部署に異動しました。そこで法人担当として働いていたんですが、社会人4年目くらいのときに体調を崩して、半年間休職したんです。結局そのまま退職して、それからの半年間も働いていなかったので、最初から条件を絞りすぎると転職は難しいかなと思ったんですよね。だから片っ端から応募したんですけど……やっぱり自分が納得できないんですよ。面接で何も喋れないっていうのが数カ月続いて、本当にやりたいことはなんだろうと考えはじめたときに前職の上司に会ったんです。ご飯を食べた帰り道で「なんかさ、伊藤ちゃんって人事やってそうだよね。向いてそう」って言われて、「なるほど、人事かー」と思ったんですよね。

──ちょっとした一言がきっかけになることってありますよね。
そうなんですよ! 前の職場で「病院は採用した人のことをどう思っているんだろう」とか「あの人は活躍できているかな」とか、採用につながったあとのことが気になっていたのを思い出しました。それに採用がうまくいかないと言っている病院の中には、「まず働く環境や人事制度を整えないと難しいよ」と思う病院が多かったんですよね。だけど実際は変えたくても変えられない事情があったり、文化があったりしたかもしれない。人事を経験しないと分からないことがたくさんあると気づいたんです。

──それで人事を目指すわけですね。ちなみに、退職してから転職活動を始めるまでの期間は何をされていたんですか?
もうひたすらゴロゴロしていました(笑)。あと、釣りを始めました。ルアーフィッシングをするようになって。

──おお、ガッツリだ。
はい、ガッツリです(笑)。でもそこでやっと外に出られるようになったんですよね。それまでは家に引きこもっていたので、釣りに行くことでリフレッシュできたというか。なんか、外に出る勇気みたいなものが湧いてきたんです。そこから転職活動を本格的に始めることができました。

──釣りを始めたきっかけは?
同棲していた彼が、まあ今の夫なんですけど、釣りを始めたいと言い出しまして。今思うと、外に連れ出してくれようとしていたのかもしれません。釣り具を一式そろえてくれたし……いや、やっぱり自分がやりたかっただけだと思う(笑)。

「釣り仲間を増やしたかっただけな気がするけど、美化しておきます」(伊藤さんの優しさ〜)

──そこは彼の優しさということにしておきましょうよ(笑)。あの、差し支えなければ、休職の理由を伺ってもいいですか?
何がとか、誰がとか、きっかけが明確にあったわけではないんです。つらくなっちゃったんだろうなっていうのはあるんですけど、突然、電車に乗ってるときに咳が止まらなくなってしまって。寝てるときも咳が止まらない。しかも明らかに風邪とは違うんですよ。なんか喉の奥にモサモサしたものがいるような感じで、咳が出て喋れない、息ができない、めっちゃ苦しいみたいな。

──つらいと自覚する前に体に異変が起きたという感じですか?
仕事、全然楽しくないなとは思っていたんです。楽しくないからなかなか思うように仕事が手につかない。営業成果も出ない。すごく成果を出している先輩がアドバイスしてくれるんですよ。自分のために言ってくれているのは分かるけど、そんな言い方しなくてもいいじゃんって。いやでも、これはできない自分が悪いんだ、頑張らなきゃって。気づいたら動けなくなっていましたね。それで病院に行ったら「一回、休もうね」と言われました。

──それで辞めることにしたんですね。
部署を変えて働き続けることもできたんですけど、たぶんまた同じことになるような気がしました。大好きな会社ではあるけど、ここだけじゃないと思ったんです。転職していった同期が楽しく働いている姿を見ていたので、自分も頑張りすぎなくていいんじゃいかなと。次は頑張りすぎないってことを頑張ろうと思って、転職を決めました。

仕事も人生も楽しんで、キラキラ輝きたい

──キャリアアドバイザーとしての活動も聞かせてください。業務を通じてやりがいを感じるのはどんな場面ですか?
転職活動をしている人の多くが、同時にいくつかのエージェントを活用しています。私が担当している人の中にもいらっしゃるんですが、先日ある方に「伊藤さんメインで転職活動していきたい」と言っていただきました。もちろん相性もあるとは思いますが、「伊藤さんに任せたい」と言ってくださるのはすごくうれしいですし、モチベーションになります。

──その方と伊藤さんの関係のように、転職を考える人にとってキャリアアドバイザーが「頼れる存在」になるには何が必要だと思いますか?
まずは信頼関係を築くための土台づくりが必要だと思っていて、そのためにレスポンスを早くしたり、相手の話をじっくり聞いたり、上から目線にならないように気をつけたりしています。そのうえで大事になってくるのが観察力だと思っています。ヒアリングを重ねると悩みや本音をぽろっとこぼすことがあるんです。それを逃さずに拾って声をかけることを意識しています。あとは、相手のいいところや強みを見つけて伝えるようにしています。褒められて嫌な人はいないと思うんですよ。もしかしたら面接でのアピール材料になるかもしれませんしね。

どんな相談もやさしく受け止めてくれそうな伊藤さん(保育士になってたら子どもに超人気だったはず……!)

──キャリアアドバイザー・伊藤の推しポイントを挙げるとするなら、どんなところでしょうか?
推しポイントになるかは分からないですけど、きっかけをつくる人でありたいと思っています。最終的にどの会社で、何をするかを決めるのは転職希望者です。だからこそ決断するまでの過程で「こんな選択肢もあるんだ」、「自分の強みってこれなんだ」といった新しい発見をしてもらえたらいいなと思っています。私が転職活動をしたとき、担当してくれたキャリアアドバイザーから「伊藤さん、それめっちゃ強みですね」と言われたことがありました。自覚していない点だったんですが、それをコタエルの面接で話したら内定につながったという経験があるので、私とのやり取りが何かのきっかけになったらいいなと思います。

──キャリアアドバイザーは少なからず他人の人生に関わる職業だと思うんです。伊藤さんがおっしゃるように最終的に決めるのは本人になりますが、転職をサポートするなかで責任の重さを感じることはないですか?
人生を左右するからこそ、本人が納得して選択できるようにサポートしたいと考えています。私がコタエルへの入社を決めるとき、担当アドバイザーが会社の情報をかき集めてくれて、最後の最後まで向き合ってくださったんですね。実際は入ってみないと分からないとも言われましたし、まさにそのとおりなんですけど、私のために動いてくれたことが伝わってきました。私もそんなふうに一人ひとりと真摯に向き合いたいと思っています。

──最後に、伊藤さんが今後実現したいことを教えてください。
人に紹介したくなるようなキャリアアドバイザーになりたいですね。信頼している人じゃないと、自分の知り合いに紹介しようとは思わないじゃないですか。紹介したいと思ってもらえるように信用や実績を積んでいきたいです。あとは、今までの人生でいろんな人から変わるチャンスやきっかけをもらったと思っているので、今度は自分がきっかけをつくる人になりたい。相談者が納得のいく形で自分の人生を進んでいけるように支援していきたいです。

──自分の人生としては?
キラキラ輝ける人になりたいです。働く両親はすごく大変そうだったけど、同時に仕事を楽しんでいるのも伝わってきました。そんな両親を尊敬しているから、私も仕事を楽しみたい。人生を楽しみたい。「これしか選べなかった」という人生よりも、あれもこれも選択できるなかで「私はこれを選んだんだ」と言える人生にすることができたら楽しいんじゃないかなって思っています。そのためにもまずは選択肢を増やしていきたいです。

ねえ見て、この笑顔! まぶしいっ!!

インタビュー・文:高尾太恵子

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