進化心理学と学びのコピー

トレードオフ思考があなたのチャンスを奪っているかもしれないという話

何か高いものを買うときに「これを買うのを我慢すればあんなことやこんなことができるな…」と考えていたりはしませんか?

それ自体は決して悪いことではなく、衝動的な買い物を抑えたり、本当に必要なものにお金を使うという意味では、むしろ一度くらいはそのように考えたほうがいいかもしれません。

しかし、この「トレードオフ思考」…つまり、「何かを得ると、別の何かを失うというトレードオフな関係を考えること」が行き過ぎてしまうと、チャンスも一緒に失ってしまうかもしれません。

ということで今回は

・トレードオフ思考が危険な理由
・トレードオフ思考になってしまう条件
・上手に使うトレードオフ思考

について以下の本を参考に話していきたいと思います。

昼食を抜くか、ガチャを100回回すか

トレードオフという言葉は知っている方のほうが多いかと思いますが、念の為確認です。

トレードオフとは、何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことである。平たく言うと一得一失(いっとくいっしつ)である。対義語は両立性。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮した上で決定を行うことが求められる。
Wikipedia

ちなみにトレードオフ思考とは、トレードオフに考えることです(そのままですね)。

例えば、昼食500円を我慢すれば1ヶ月でガチャが100回も回せるとか、高い乾燥機付き洗濯機を買って家事の時間を短縮するとか、日常の色々なところでトレードオフに物事を考えていますよね。

むしろ、何をするにも基本的に「時間」は消費するわけで、常に時間と何かをトレードして生きていると考えれば、ある意味常にトレードオフしているわけです。

ですので、トレードオフ思考は身近なものですし、それを使いこなすことができれば色々なメリットを得ることができます。

例えば時間の使い方が上手い人はしっかり時間を消費していることを意識していたり、お金儲けが得意な人もしっかりと利益とコストのトレードが考えられていたりします。

ですので、普通トレードオフ思考の話をするときは、その大切さが語られるのですが、何事にもデメリットがあって、今回はそこに注目しよう、というわけです。

トレードオフ思考はチャンスを奪う

過剰なトレードオフ思考はむしろチャンスを遠ざけてしまうことがあります。

例えば、生活が苦しく1ヶ月の食事代は1万円……という状況で5000円の勉強会に参加しようとは思いますか?

おそらく、多くの人は食費の2分の1と考えるとかなりの高額に感じられるのではないかなと思います。

しかし、その勉強会に参加し続けることで知識が身についたり交友関係が広まって大きなチャンスに巡り合うことができるかもしれません。

もちろん、勉強会に参加することを特別に勧めているわけではありませんが、このように、トレードオフ思考によって行動が制限されてしまうと、チャンスを失ってしまう可能性があります。

だからトレードオフ思考なんてやめてとにかくチャンスに食らいつくんだー! という根性論の話をしたいわけではもちろんありません。

トレードオフ思考がときに危険な理由は主に以下の2つです。

・そもそもすべての長所・短所を考慮できてはいない
・長所や短所の比較はたくさんのバイアスに左右される

先程あげたトレードオフの定義の中に

トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮した上で決定を行うことが求められる。

と書いてありました。

しかし、現実的に考えるとすべての長所と短所を考慮することは不可能です。

例えば先程の例だと、その勉強会で本当に良い交友関係が広げられるかはわかりませんし、勉強はなんの約にも立たないかもしれません。

ちゃんと比較するために、成功する確率や期待値を計算して、それをお金に換算するといくらで……というのももちろん難しいでしょう。

つまり、トレードオフ思考をしているつもりでも、あくまでそれは完璧なものではないということです。

さらにこのトレードオフの計算をややこしくしているのがたくさんのバイアスです。

例えば、1ヶ月後にもらえる1万1000円より、今日もらえる1万円の方が魅力的に感じる人のほうが多いそうです。

でもよく考えると、1ヶ月で10%が約束された投資なんてなかなかないわけで、とってもおいしい話なわけですが、目先のメリットに囚われてしまうという「バイアス」のせいで今日もらえるお金のほうが魅力的に思えてしまうのです。

さらに、人は言い訳の天才なので、自分の都合の良いトレードオフを考えてしまいがちです。

このようなバイアスがたくさんかかった状況で、不確かな未来も含めてトレードオフについて正確に判断するのはなかなか困難です。

欠乏はトレードオフ思考を強いる

以上のように、真のトレードオフ思考にはなかなかな判断力やバイアスに関する知識が必要なわけです。

ですので、通常時でも判断が難しいわけですが、それがもし時間がないような状況だったり、お金があまりなかったりしたら、チャンスをふいにするようなネガティブな判断をしてしまう可能性が高くなります。

さらに、何かが「欠乏」していて普段だったらしないような選択をするときには、言い訳をしたくなるのが弱い人間の性なので、不完全なトレードオフ思考に逃げてしまったりするわけです。

このように、欠乏は「不完全な」トレードオフ思考を強いて、誤った判断を正当化してしまうような心理状態にしてしまいます。

欠乏とは例えば

・お金がない
・時間がない
・親しい交友関係がない

などといったことですが、こんなとき、人はその悩みやストレスによって脳の考える部分の一部をもってかれてしまいます。

例えば机の上が散らかっていたらその上で作業するのは難しくなってきますが、脳も同じ様にストレスや悩みによって散らかっていると考えるスペースがなくなってしまうのです。

ですので、危険なトレードオフ思考でネガティブな行動をしないようにするためにも、「欠乏」への対策が必要になります。

トレードオフ思考とうまく付き合っていく方法

欠乏している感覚はトレードオフ思考を強いるわけですが、あくまでそれは主観の話です。

つまり、平均年収より低いからお金がない、という話ではなく、お金がないという感覚が脳を圧迫して正常な判断ができないようにしてしまうわけです。

ですので欠乏対策としては

まずそういうバイアスがあることを知ること(この記事でとりあえずOK)
他人との比較をしない
ないことのデメリットではなくメリットに注目してそれを活かす

ということが大事です。

最後については、例えば欠乏はクリエイティブさにつながることがあって、アーティストも完全に自由なテーマで何かを創作するより、あえて自分でルールをつくって不自由な状態にした方がアイデアがでてきやすかったりするそうです。

このように、何事も長所と短所があるので、できるだけ長所に注目するようにしましょう。

また、欠乏に限らず、正しいトレードオフ思考をするためのコツとして

・正常なときにシンプルなルールをつくる
・色々なバイアスを知る
・限られた選択肢の中のトレードではなく、どちらを選んでもメリットが得られるような大きな共通の目標を意識する

がいいでしょう。

バイアスについては、とにかく知ることが一番対策になるそうです。

また、正常な判断ができる間にシンプルでいつでも思い出せるようなルールを作っておけば、それを軸に判断ができるでしょう。

例えばよく衝動的に行って失敗するのであれば、「一度ゆっくり考える時間をつくる」というふうにすれば、衝動買いやあまり気の進まない飲み会を防げるかもしれません。

この2つについてはおすすめの書籍があるのですが、そんなおすすめの書籍をまとめた記事を以前出しているので、もしよろしければこちらも御覧ください。

また、最後の「大きな共通な目標」についてですが、これは例えば「遊びたいけど時間がない…」というようなときに有効です。

この時間がないという感覚は例えば、もっと勉強や仕事をしたいから時間がない、というように他に時間を使うものがあるから起こる欠乏感です。

ですので、「ある程度の遊びは気分を晴らしてむしろ効率を高めてくれる」とか、「様々な新しい経験はクリエイティブさを高めてくれる」といったように、勉強や仕事などのメリットになることを意識すれば、欠乏感を回避することができます。

回避できれば、たとえ遊びすぎたとしても、それは必要な時間だったのだと思って、ストレスや焦燥感に苛まれることを防ぐことができます。

そして、過ぎた時間に影響されずにその後は正しい判断をすることができ、欠乏とトレードオフ思考の負のループを脱することができるわけです。

こういう発想の転換は、最初は難しいかもしれません。

ですが、「欠乏感を感じたら一旦落ち着いて発想の転換を試してみる」というようなシンプルなルールを作ってそれを続けていけば、少しずつでも変わっていくことができると思います。

もしどうしてもうまくいかなかったら、自分の中に発想の種がないだけかもしれないので、色々な本を読んで発想のアイデアをもらいましょう。

参考にした本には、欠乏についてももっと詳しく書いているので、気になった方はぜひ手にとって見てみてください。

参考書籍

ps

私はやりたいことがいっぱいあるので、そのどれかを選んでどれかを捨てるのではなく、自分の中の共通の大きな目標を意識して、それに向かって色々と平行に頑張っているんだと思うようにしています。

大事なのはストーリーなのです。

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