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パブロフの犬、ヒューリスティック、認知バイアス…人は本当に考えているのか

好きな食べ物はなんですか?

もしその食べ物の画像が目の前に出されたら、今お腹いっぱいでない限り、きっと食べたくなると思いますし、そのせいで唾液が出てきてしまうかと思います。

しかし、実際に食べられるわけではないのに唾液を出すのは無駄ですし、もちろん意識して出しているわけでもありません。

こんな感じで「意識していないのについしてしまうこと」って、生理的な部分からもっと考えて行われていそうなことまで、結構色々ありますよね。

ということで今回は、そんな人間の心理にまつわる話を以下の書籍を参考に、ご紹介したいと思います。

パブロフの犬は食いしん坊?

パブロフの犬ってご存知ですか?

結構有名な話なので知っている方もいるかもしれません。

パブロフさんがこんな実験を行いました。

1.犬に餌やりの合図の音を聞かせる
2.犬に餌を与える
3.1,2を繰り返す
4.すると、犬はその餌やりの合図の音を聞くだけで唾液がでるようになる

最初の話では「画像を見て」唾液がでていましたが、今回は音だけで唾液がでるようになっています。

これは、同じことが繰り返される間に頭の中で「合図の音=餌がでてくる」というふうになって、合図の音だけで勝手に脳が反応してしまった……というメカニズムになっています。

こういう現象は人間にももちろん起こりますし、ゴキブリなんかでも起こるそう。

判断のヒューリスティック

パブロフの犬の実験のように、人は「学習」をして、無意識のうちに、考えることもなく行動できるようになります。

例えば、幼い頃は掛け算ひとつにも苦労していましたが、今では九九なんか考えずに、簡単な掛け算ならすぐできてしまいます。

そんなふうに、本来なら複雑な過程を挟むはずなのに、その過程をふっとばして結論を導き出す方法を「ヒューリスティック」といいます。

例えば、先程「ゴキブリ」という単語を聞いただけでぞっとした人も結構いると思いますが、これもある意味ヒューリスティックが働いて、脳が無意識のうちに反応した結果といえるでしょう。

他にも、なれてきた仕事はそんなに意識せずにこなせるようになりますし、例えば「中国製」と聞くと特に深く考えずに「品質大丈夫?」と感じてしまう人もいるかもしれませんが、これもヒューリスティックの一種です。

ヒューリスティックは結構適当

考えないで判断を下すので、ヒューリスティック的な思考はとても早いです。

しかし、ヒューリスティックは基本的に「経験」に基づくものなので、よく間違えます。

自分の経験なので、バイアス(偏り)があり、そのせいで誤った判断をしてしまうのです。

ですので、判断のミスを減らすために、誤ったヒューリスティックを見つ出したいわけですが、これが結構至難の業です。

なぜなら、人間はできるだけ楽をしたいので、ついついヒューリスティックに物事を考えてしまうのですが、それに気づけるくらいならそもそもヒューリスティックに物事を考えていないからです。

解決方法として、例えば自分が「誤った判断をしたかも……」と思ったときの身体の異変を感じ取ることがあげられます。

ついつい決めちゃった……みたいなとき、後悔の思いがあったりするとお腹が痛くなる……みたいなわかりやすい特徴があれば、それを合図に考えることができます。

そんなわかりやすい特徴ないよ……という方には、例えば今回の投稿のように、バイアスについて学ぶと、バイアスに支配されにくくなります。

過去にもバイアスについての投稿をしているので、もしよろしければそちらも読んでいただければ、結構バイアス対策になるかもしれません。

ということで、パブロフの犬、ヒューリスティック、バイアスという3つの心理学用語に触れて、これで誤った判断を(多少は)見つけやすくなったかと思います。

私はこれらの話を聞いたり、行動経済学などの勉強をするにつれて「本当に人間は考えているのかな?」と思ったりしました。

科学的には「意思」というものはないとか、考えるという行為は結構科学的な反応によるものだ、みたいな結論のようですが(今のところは)、それならその仕組を知れば色々なことが楽になるのではと思うわけです。

参考書籍

ps

私はメガネフェチなので、メガネをかけていると可愛く見えてしまうのですが、これもヒューリスティックでしょうか。

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