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流用と工夫でなんとかする初歩的バイクパッキング(2018年6月、佐渡島週末キャンプ)

2021年3月追記: 後で詳しく調べてみたところ「バイクパッキング」は積載方法ではなく自転車旅のスタイルのことだとわかりました。こちらの内容は修正せずそのままにしておきますが、少なからず誤解を含みます。その点ご了承ください。

ちょっと前の週末、佐渡島を一周する一泊二日の自転車キャンプツーリングに行ってきました。その時のパッキングを振り返りながら、自転車に荷物を積む方法について現時点での自分の考えを書いてみたいと思います。

専用ギアが必須、ではない

経験豊富な人が装備を最低限に絞って山を登るUL=ウルトラライトというスタイル。その流れをくむ自転車ツーリング時の積載手法として近頃バイクパッキングが人気を集めていますね。専用ギアも実に様々なところから販売されています。でも、自転車に直に荷物をくくりつけるような手法そのものは誰もが思いつくような自然発生的なものです。バイクパッキングという概念が(マーケット的に)結晶化する前から、それを実践していた人は世界のあちこちにいました。

今回のキャンプツーリングでも、いわゆるバイクパッキング専用品は殆ど使っていません。前から持っていた山用品や自転車用品を流用したパズルでなんとかなりました。ULもバイクパッキングもDIY精神に根差したカルチャーなのだし、まずはあるもので色々と試してみるのが良いと思っています。

今回のパッキング

初夏、テント一泊、軽い自炊ありの自転車キャンプツーリング装備です。

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車体は舗装路メインということで、小改造を施したシクロクロス車を選びました(ロードバイクは持っていません)。ジオメトリーの調整のためにロード用のフォークを入れている関係で前ブレーキはキャリパーになっています。キャリパーブレーキは(ラックが無くても)荷物との干渉による動作不良が起きにくいです。

荷物の配分について。自分としては、前三角をいかに活用するかが最も重要だと考えています。重い物をなるべくここに集めると、自転車の動きに変な癖が生じにくいようです(経験と伝聞より)。といっても、サドルに近い方は荷物の幅を薄くしないと脚が当たって邪魔になってしまいます(個人差あり)。サドルから離れると幅を増やせるようになるので、ダウンチューブの方で空間を有効に使うのが賢いでしょう。かさばるけれど軽い物はハンドル周りとサドル周りに積載します。前後のバランスをどうするかは車体との相性や乗り味の好みによりますが、自分は前を多めにする方が好きです。荷物の状態を把握し易いのも安心感があって○。

フレームバッグは主に別の車体で使っているモンベルのトライアングルバッグ(容量1.2リットルのMサイズで定価2800円+税)。こういう品はバイクパッキングという言葉が広まり始める前からありましたよね。中身はテントのポール、ペグ、ペンケースに入れた救急キット、エマージェンシーシート、細いスタッフサックに入れたレインパンツ。完全防水ではないため、濡れても構わないものを入れています。このバッグは幅が4センチメートルしかないので、荷物で少し膨れたとしても脚が擦れることは殆どありません。

ツールボトルには予備チューブ2本、タイヤレバー、ポンプ、パッチ、携帯工具、チェーン切り、ぼろ布といったところです。小さいながらそこそこ重量のあるアイテムが詰まっています。

ドリンクボトルは750ミリリットルのものを一本。佐渡島の外周には補給ポイントがそれなりに存在しており、実質これで十分でした。液体も重量物なのでこの位置が相応しいです(飲み口が汚れ易いところを走る場合などはまた違ってくるかも知れません)。

サドルバッグTopeakのウェッジドライバッグL(防水、容量1.5リットルで定価3800円+税)。中身は主に衣類です。樹脂バックルをロックするところにコッヘルを提げています(あまり揺れません)。友人から今時のバイクパッキングの大型サドルバッグも借りていたのですが、左右に振れるのがどうしても気に入らなくて使いませんでした。

トップチューブバッグは現代バイクパッキングの老舗Revelate DesignsのGas Tankです(容量1.2リットルくらいで定価55ドル)。高価な品ですが、中古ショップにて3000円くらいで入手しました。スマートフォン、モバイルバッテリー、ヘッドランプ等の機器を格納。完全防水ではないようです。

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ステム𦚰のバッグは左側が東急ハンズで売っているSolo-TouristのBCマルチホルダー(定価1600円+税)で、補給食などの小物を入れて使用。右側はC3というブランドのステムサイドポーチ(今は品切れ中ですが同一品と思しきこれが3480円)で、小型のガス缶とバーナー、食器などが収まっています。外側のメッシュポケットにはハンカチや手袋などを押し込み、走りながら乾かすことができます。この辺りは現代バイクパッキング的な製品ですね。

フロントの防水スタッフサックは登山用ザックの中に入れて使う30リッターくらいのもので、底から空気を抜いてちょっと圧縮できるタイプ。中身はテント本体とフライ、エアマット。ロールトップの樹脂バックルを自転車のステム裏側でロックすると、それだけでサックはタイヤに当たりません。更にナイロンベルト2本で締め上げてハンドルバーに固定しています。写真くらいの幅であれば手を置くところもさほど減らないので快適。ヘッドライトの取り付け位置が課題です。

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フォーク脇のホルダーにはミノウラのペットボトル用ケージ(税込1300円 ※生産終了品)を流用しました。ボトルの首を押さえるゴムのリングにフォークの脚を通し、フォークの途中のダボ穴にケージの下側をボルト留め。結束バンドでも補強を施しています。予備の水を輸送できるようにと用意したものの、その必要は生じませんでした。スーパーからキャンプ場へ瓶ビールを運ぶのに初めて使い、翌日はレインウェアを括り付けました。

その他。サイクルジャージの背中ポケットに財布、日焼け止め、化粧水シート、アームカバー等を入れ、ミラーレス一眼を襷がけして走りました。

反省点と改善計画

今回のパッキングで最も気になったのは、やはり前三角の活用度です。まだ隙間があるんですよね。自転車のモデルやサイズごとにフレーム形状は違うので、高価なバイクパッキング専門ブランドの製品を使ってもこの問題が解決できるとは限りません。オーダーでフレームバッグ等を作ってもらえば別ですが、それはそれで費用面のハードルが高いです。

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改善の糸口として目を付けたのは、モンベルの旧型トライアングルバッグ(Mサイズでアウトレット価格1400円+税!)。ほぼ前三角と相似形で、ボトルとも共存できる寸法です。旧型は表面がざらざらした生地なので、まれに膝が触れると擦れる感じがします。

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新旧トライアングルバッグ(Mサイズ)を重ねると次の写真のようになります。前後長と厚みは変わりません。容量は旧型が2.0リットル、新型が前述の通り1.2リットル。かなりの違いです。

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前三角下部の隙間は何らかの活用方法を考える必要がありますね。トライアングルバッグの容量増加0.8リットルとシートチューブ側にボトルケージを付けられなくなったことは概ねイコールなので、このままだと外観上の変化だけになってしまいます。WolftoothのB-Radシステムなどでダウンチューブ側のボルト穴を増設し、ドリンクボトルは前方に移動、その後ろにツールボトル等を格納する方向でいこうと思っています。

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他にはフォーク脇の積載システムをアップグレードしてテントやシュラフ(今回は持って行かなかったが少し寒かった)をそこにくくりつけ、ハンドル前にはモンベルのフロントバッグ(旧型を持っています)などを使う案も温めています。移動中に荷物にアクセスし易いのもフロント積載の利点の一つなので、これをもっと活かしていこうかなと。

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まとめ

パッキングって奥が深くて面白いですね。高い製品にはそれだけの良さがあると感じますが、自分と自分の自転車、使用法に照らしてベストがどうかは、DIY的にあれこれやってみないと分からないような気がします。そのためには、安価なもの、バイクパッキングを謳っていないものを上手く取り入れていくのが良いだろうと思っています。あなたのパッキングはどんなスタイルですか? 

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