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サスペンション付きMTBの積載で悩む(2018年9月、木崎湖キャンプ会)

先日、友人に誘われてキャンプツーリングに行きました。信濃大町まで輪行、木崎湖キャンプ場へ自走しテント泊、翌日は近辺で遊んで解散という流れです。悪路での運動性を重視しMTBを使うことにしたのですが、テントなどの積載で色々と悩みました。その辺のことをざっと記録しておこうと思います。基本的な考え方は佐渡の時のセットアップについて書いたことと変わっていません。

2021年3月追記: 後で詳しく調べてみたところ「バイクパッキング」は積載方法ではなく自転車旅のスタイルのことだとわかりました。佐渡の記事の内容は修正せずそのままにしておきますが、少なからず誤解を含みます。その点ご了承ください。

今回の積載

夏場の自炊ありテント泊ツーリング用。担ぎは殆ど考慮しない構成です。平滑舗装路での快適性にステータスを振り、悪路へはキャンプ場に荷物の一部を置いて行くという想定。自転車側でほぼ完結させてみようと考え、バックパックは使いませんでした。

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車体は26インチホイールのクロモリMTB。フロントのみのサスペンションでも、リジッドに比べて積載の自由度は一気に下がりますね。フロントラックも一般的なものは普通には装着できません。フォークレッグ横に取り付けるタイプの積載ギアがあればこの差を埋められるのかも知れません。

荷物の配分は自分のセオリー通り、なるべく真ん中に重量物を集めるようにしています。相対的に軽いけれどかさばる物はサドル後ろやハンドルバーの前などに。後ろより前を多めにしたかったものの、これは実現できませんでした。ドロップハンドルであればハンドルバーにシュラフ等を直に括り付けることが容易ですが、フラットハンドルだとケーブル類が干渉してしまい、制動や変速の機能を損なう恐れがあります。なお同じフラットバーでも、機械式ブレーキのケーブルより油圧ブレーキのホースの方が曲がり具合の変化による影響を受けにくいです。

フレームバッグは上段がジャイアントのScout Frame Bag(容量4.2リットルのSサイズが定価5000円+税)で、中身はテントのポール、ペグ、エアマット、火器一式(トランギアのアルコールバーナー、風防兼五徳、ファイアースターター)、レインジャケットです。下段はモンベルのトライアングルバッグ(容量0.7LのSサイズが定価2600円+税)で、予備チューブ2本、工具、ポンプなどが入っています。

ダウンチューブ下のバッグはペンケースにベルトを縫い付けたもので、計2500円くらいで作ったように記憶しています。今回は救急キットを収納。

トップチューブバッグは佐渡ツーリングの装備について書いたのと同じ品、同じ使い方です。

現代バイクパッキング[用品]の老舗Revelate DesignsのGas Tankです(容量1.2リットルくらいで定価55ドル)。高価な品ですが、中古ショップにて3000円くらいで入手しました。スマートフォン、モバイルバッテリー、ヘッドランプ等の機器を格納。完全防水ではないようです。

ステム脇のバッグはRevelate DesignsのMountain Feedbag(旧型、中古3000円くらい)と、それによく似たC3のステムサイドポーチです。片方に補給食、片方にドリンクボトルを格納。それぞれ外側にメッシュポケットがあるので、そこにはゴミやハンカチを押し込んでいます。このコックピット構成は便利です。

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フロントバッグとして使ったのはFoxfireのアクアガードエスケープサコッシュ(定価3800円+税)。前述の理由でハンドルバー前の積載が思うようにいかないので妥協案としてこれを選びましたが、正直イマイチだと思います。肩ベルト用のループに再利用可能な結束バンドを通してハンドルバーに固定。ケーブル群の上に乗っかっている感じになります。中身はクッカーと食器くらい。マチが無いのでジッパーを開いても物の出し入れが難しく、行動中にアクセスし易いという配置上の特性が活きませんでした。

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サドル後ろのスタッフサックホルダーは、友人が作ってくれたものです。これにスリットを自分で追加、ラダーロック機構の荷物ベルトでOrtliebのドライサックを括り付けました。中身はテント本体とフライ、衣類です。想定重量が1キログラムくらいのところに倍くらい積んでいるため、頑張ってベルトを締めても悪路ではそこそこ揺れて、少し気になります。揺れが続くとラダーロックも緩んできます。アイゼン用のベルトのような、勝手に緩まないものを使った方がベターですね。ホルダー本体、特に下側の剛性も荷物量に対して弱かったようです。ベルトを締め付ける力に負け、前に引っ張られて撓んでしまいました。

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主な反省点と改善案

今回の積載、自分としての満足度は60点くらいです。友人たちは綺麗だと言ってくれましたが、荷物を増やしたり積む場所を変えたりするための余裕・柔軟性が足りなかったなと。

具体的には、スーパー等で現地調達した食材を入れるところが殆どありません。また、雨と露で濡れたテントを衣類と別に収納したいなと思っても、サドル後ろのドライバッグ内を他の袋で分割するくらいしか方法がありません(当たり前のことですが見落としていました)。

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さて、どうすれば余裕と柔軟性を向上させることができるでしょうか。欠かせないピースの一つはバックパックだと自分は考えています。ポケッタブルタイプを忍ばせておいて買い出しの際に使うというライトなシナリオから、自転車を谷に落としても生還できるように人間がトレランザック等を背負うというシリアスなシナリオまで、MTBを伴った旅にはやはりバックパックがしっくりきます。

もう一つ挙げておきたいのは、ラックの有用性ですね。参加者の一人はNittoのFront-M12にテントやシュラフをドカドカっと載せていました。ラック自体が255グラムですので、ラックを使わないハンドルバーバッグより大幅に重いということもありませんし、積む作業も楽です。トレランザックをそのまま括っても良いでしょう。Portland Design WorksのBindle Rack(350グラム)なんかも良い評判を聞きます。

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自分のMTBであれば、フォークをリジッドタイプに交換してラックを付け、そこに積んだバックパックを山モードでは人間が背負うという使い方になるかなと思っています。そういうオールドスクールな「枯れた」スタイルの懐の深さに、新しいギアと同じくらい惹かれます。

あなたの積載はどんな感じですか? トレーラーなんかも面白そうですね。

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主催者が参加者全員の荷積みスタイルを紹介した文章もどうぞ。


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