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大分からフルリモートで働く僕が、「ご機嫌は礼儀」と考える理由

LiBでエグゼクティブコンサルタント及びHR事業のサービス開発をしている品川と申します!

もともとは大手法律事務所で弁護士をしていましたが、ビジネスの力で社会をよりよくしていく挑戦がしたいと思い、2016年にLiBに入社しました。

はじめに:LiBはフルリモートワークの会社です

代表の松本がnoteに書いた様々なハードシングスを経て、LiBは先日、
「ワークシフト支援を行う会社」としてリブランディングの発表を行いました。

「ワークシフト」という言葉には様々な意味が含まれますが、目玉となるのは、
「時間と場所の制約」を解き放つのに最もインパクトのあるリモートワークです。

LiB自身も、60名ほどのほぼ全社員がフルリモートワークという働き方です。
(大分以外にも名古屋・大阪・沖縄など日本全国に社員がおり、代表を含め海外からリモートワークをしているメンバーも複数います。)

僕も以前は東京に住んでいましたが、2021年秋に家族5人で大分県に移住し、今はフルリモートワークで仕事をしています。

この記事では、生産性高くフルリモートで仕事をする工夫について、
家庭のリアルな実態も踏まえてご紹介したいと思います!

田んぼ

(家のすぐ前に広がる田んぼ。空が広い!)

なんで大分に?

皆さまから「なんで大分に!?」という声が聞こえてきそうなので、
まずはその理由をお話させてください。

我が家は昨年までは都内のマンションに住んでいましたが、子どもが3人いる家庭でスペース的にも限界が近づいており、
一年ほど前から「もう少し子ども達が伸び伸び過ごせる家の方がいいかなぁ」と夫婦で相談を始めました。

その頃、既にLiBではフルリモートでの勤務が主流になっていたので、「どうせ引っ越すなら東京にこだわる必要ないよね?」ということで、
0ベースで日本全国から移住先を選ぶことにしました。

普段、転職やキャリアのアドバイスもしているので、移住先選びも転職活動と同じように考え、
「まず自分たちの価値観から『軸=基準』を決め、その軸に合致する移住先を選ぶ」
という方法をとりました。

その結果、

・自然が豊か、子どもが環境を楽しめる 
・住宅に関する物価が安め
・海の幸が豊富なところ
・気持ち的にワクワクする土地
・雪が多い場所は除く

というような条件で都道府県を絞り込み、

・障害のある長女が通える療育施設が近くにある
・買い物や保育園などの環境が不便過ぎない
・自然災害の心配が比較的少ない
・車を持たなくても生活できる

という条件で、ある程度の規模のある「地方都市」がある場所に絞っていきました。

最終的には、僕が20代の頃に約一年間住んだことがある大分県が最有力候補になりました。

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(東京に住んでいた頃の一コマ。
子どもに一瞬でも隙を見せるとこうなる…orz)

家が見つからない!

移住先として大分県にターゲットを絞ったものの、そこから具体的なエリアや物件を決めるのにはかなり苦労しました。

まず大まかなエリアですが、できれば自然豊かな場所がいいなと思いつつ、買い物環境などの「便利さ」も考えなければなりません。

また、子ども3人の保育園や小学校のことも考慮に入れるとなると、かなり選択肢が狭まっていきました。

しかも我が家は、
「アパート・マンションだと子どもが伸び伸び遊べない」
とはいえ、
「家族で地方に暮らすのは初めてなので、家を買うというのはリスキー」
という理由で、戸建ての賃貸を最優先に探していました。

ただ、大分の一軒家は売却物件が多く、賃貸物件は市場にほとんど出回っていないというまさかの事態が発覚。
(大家さんは高齢の方が多く、手間や費用を避けたいので皆さん早めに手放したいそうです。)

なので、家族5人が快適に過ごせる家に巡り合うのは至難の技でした…。

しかし、ここは物件巡りが好きな妻がとても頑張ってくれました。
彼女は2ヶ月ほどで計3回、2人の子供を連れて大分に下見に行き、具体的なエリアや物件を絞り込んでくれました。(感謝!)

その後、僕も大分に飛び、妻の「この物件のこのポイントを自分の目で見てきて!」という司令(?)を受けながら複数の候補物件を見て回り、最終的に二人で話し合って今の家に決めました。

真夏の炎天下、スマホから次々と送られて来る妻からのミッションをクリアしながら大分市内を歩き回ったのは良い思い出です(笑)

はじめはトレッキング

(初めの物件までは20分のトレッキング。
前途多難そう…)

真ん中

(さすが物件マニア。
注文が細かくなってくる)

最後のミッション

(気分は最高潮。
もはやミッション・インポッシブルの世界)


そんなこんなで、やっと家が決まりました。

今住んでいる場所は大分の中心地からそれほど遠くなく、とはいえ周りは山や田んぼに囲まれている気持ちの良い場所です。

何よりうれしいのは、子どもたちが広い空の下で、山での虫取りや海の生き物の観察などで思いっきり外で遊べること。

海2

(基本どこへでも自転車で。別府湾では泳げる)

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(そして帰りは爆睡)

そして、兄と弟が家の中で興奮して暴れまくったりケンカをしても、家が広いので親が心穏やかにいられることもありがたいポイントです。
(穏やかにいられない時もありますが…笑)

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(狙い通り、お魚が安くておいしい!
そして割と豪快に半額になる…)

フルリモートでのリアルな一日

大分のお魚の話はこのくらいにして、ここからやっと、お仕事の話です。

僕の平日のタイムスケジュールは、だいたい以下の感じです。

8:30頃 自転車で保育園へ長男・次男を保育園に送り
9:30頃 勤務開始
12:00頃 ランチ
19:00頃 退勤
21:00頃までに、お風呂→ご飯→子どもの寝かしつけ

朝・夕は子どもの世話もあるため、会社の業務は9:30~19:00頃に集中してやるようにしています。

勤務時間の中では、だいたい以下のような時間の使い方をしています。

(個人・チーム単位)
・毎朝30分、事業部メンバーとチームMTG
・週1回、チームでの定例MTG(90分)
・各種MTGが、1日60分程度(30分×2本)
・上記以外の時間は、個人での作業時間


(全社)
・毎週金曜日、全社のWin-session(30分)
・毎月、月初に全社MTG(2時間程度)
・半年に1回、全社総会(ほぼ終日)

業務効率を上げるため、自分が出るMTGは極限まで絞り込み、1回のMTGもできるだけ30分で終えるようにしています。

ちなみに、フルリモート勤務の我が家では、
「平日、夫婦が一日中自宅にいる状態」がもう2年ほど続いています(笑)

日中、二人ができるだけストレスなく過ごせるように、

・ホワイトボードで「その日・その週のスケジュール」をざっくり共有
・ランチはできるだけ時間を合わせて食べる
・月曜日は、ランチしながらその週の動き方を「作戦会議」

というような工夫もしています。

ホワイトボード

(毎朝書き込んでいるホワイトボード)


「ご機嫌」はリモートワークの最低限の礼儀

続いて、フルリモートワークで仕事を進める上で、僕が最も大切だと考えていることについて、お話します。
キーワードは「ご機嫌」です。

リモートワークだと、会話にしてもテキストコミュニケーションにしても、「相手の反応がわかりづらい」という致命的な欠点があります。

皆さんも一度は、オンラインMTGで自分が一生懸命話した後、MTG参加者から何の反応もなく
「・・・」という沈黙の時間が流れて不安になったという経験があるのではないでしょうか?

他の参加者も悪意があるわけではないのですが、画面OFFだと話を聞いているのかさえわからなかったり、
画面ONでもずっと難しい顔をしていたら、「ちゃんと伝わってるかな?」と不安になりますよね。

また、テキストコミュニケーションにおいて相手からそっけない返事が来たら、
「この人何か怒っているのかな?」と心配になります。

対面でのコミュニケーションであれば、このような「ちょっとしたすれ違い」を相手の表情や目線、声色で埋めることができました。

しかし、リモートワークではこのような「すれ違い」が放置され、それが心理的な負債となって蓄積し、結果的に仕事がやりづらくなります。

僕はこういったすれ違いが社員のノイズとなって積もり積もっていくことが、リモートワークの最大の敵なのではと考えています。

とはいえ、このようなすれ違いをなくすために「もっとコミュニケーションの時間を多くしよう」としてしまうと、結果的に一日の労働時間あたりの生産性が落ちてしまいます。

だからこそ、このようなすれ違いをいい感じに埋めてくれる武器として、「ご機嫌であること」が重要になります。

リモートワーク時代において「ご機嫌であること」は、仕事をする上での最低限の礼儀であり、必須のスキルだといえるのです。


オンラインコミュニケーションでの「ご機嫌」

ご機嫌であることが礼儀であるとは、具体的にはどういうことでしょうか?
オンラインMTGを例にとってイメージしてみましょう。

オンラインMTGでも、話し手がテンションを上げて話すことで場の雰囲気をよくすることができる点はリアルの場合とそれほど変わりません。

むしろ、オンラインでのコミュニケーション特有の「礼儀」が問われるのは、MTGで聞き手の側に回るときです。

先ほども少し触れましたが、オンラインMTGにおいては、話し手は常に「ちゃんと伝わっているか」が不安です(笑)

なので、誰かが話しをしている時に画面越しに頷いたり、「なるほど」とか「ウンウン」と相づちをしながら聞くことで、「伝わっている」ということを話し手に伝えることができます。

さらに、その時に笑顔で頷いたり明るい声で相づちを打てれば、聞き手の無用な不安を先回りして解消することができます。
これが、先ほど言った「ご機嫌」の具体例です。

僕の場合、具体的には以下のようなことを意識しています。
(すみません、いつもできているわけではありませんが…^^;)

・基本的にはビデオON&笑う&声で相づちを打つ

・オンラインMTGでは「初めに挨拶の声を出す」「初めに返事をする」

・年下のメンバーや後輩に対しても、仕事では敬語を使う

・内容が理解できない場合は、はっきり「よくわかりません」と伝える(難しい顔をして「機嫌が悪い」と誤解されるのを防ぐため)

・MTGでタスクが発生しそうな時は、サクッと「やっときますね!」と言う。

・会話の冒頭に軽い雑談をする。自己開示する。

以上のとおり、オンラインコミュニケーションにおいては、聞き手側の礼儀・スキルとしての「ご機嫌」が特に重要だと思います。

キャプチャMTG

テキストコミュニケーションでの「ご機嫌」

自分がご機嫌であることが伝わればすれ違いが起きづらいというのは、テキストコミュニケーションでも同様です。

例えば、社内のチャット(Slackなど)で以下のようなやりとりがされた場合をイメージしてみます。

Aさん(部下)
すみません、今日商談したお客様に「次回のMTGで社内決済まで進めたいので、上長の方にも参加いただけますか?」と言われたので、来週のMTGにBさんも同席してもらえますか?
Bさん(上司)
はい

みなさんはこれを見て、何か感じますか?

もし、ビビリな僕がAさんの立場だったら、この返信をもらってはじめに思うのは、
「Bさん、怒ってるのかな?」
「Bさん忙しそうだし、迷惑だったかな?」

です(笑)

テキストコミュニケーションの場合、文字だけではオンラインMTGにおける表情や声色にあたるものがないので、上述の「すれ違い」がより起きやすいといえます。
Bさんの「はい」という素っ気ない返事は、その典型例ですね。

「了解」
「わかりました」

なども同様ですが、こういうぶっきらぼうに見えるコミュニケーションは相手に不安のノイズを生むだけなので、(特に立場や役職が上の皆さんは)即刻やめてほしいなーといつも思っています。

これだけで部下の生産性が5%は上がると思うので、こういうコミュニケーションが日本中から駆逐されるよう、毎日お祈りしています。

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(祈っている写真を自撮りするのは恥ずかしかったので「いらすとや」さんにて代替)

同じ思いを持っている方、ぜひこの記事を(上司の方が気づくような場所で)そっとシェアしてください!笑

僕自身はといえば、社内での不要なノイズを生まないために、例えば以下のようなことを気をつけています。

・何か連絡もらったら、とりあえず感謝の言葉(「ありがとうございます!」)から入って返事をする

・基本的に、一つのテキストのどこかは「!」か「絵文字」で終える
(例)
「了解です!」
「わかりました!」
「助かります😊」

・相手にネガティブな指摘やストレートなフィードバックをする際には、前後をポジティブな表現でサンドイッチする
(例)
①「~について、ありがとうございます!」
②(ネガティブな指摘・フィードバック)
③「…さんには…の点でとっても期待しています!」

会社全体のコミュニケーションの文化を作るという意味では、こうした小さな一つ一つの工夫が大きな意味を持つと考えています。

でも、一番大切なのは「自分のご機嫌」

ここまで、周囲に向けて「ご機嫌」を発信することを書いてきましたが、
一方で、他人にばかり気を遣っているとだんだん「リモートワーク疲れ」も起きてしまいます。

「仲間への礼儀としてご機嫌を保つ」ことも大事ですが、実はそれ以上に「自分がご機嫌に働けるようにメンテナンスする」ことが大切です。

この点で僕が工夫しているのは、以下のようなことです。

・ご機嫌になるための時間を10分でもいいのでとってから、朝の仕事を始める。(心の準備体操的なルーティーン)

・オンラインMTGでビデオやマイクをONにしづらいときは、気にせずOFFにする

・他の人が素っ気ないコミュニケーションをしても、自分で勝手に悪い方向に想像しない。良い方向に想像する(笑)

・テキストコミュニケーションでの往復が続く時は、すぐに口頭コミュニケーションに切り替える。(Slackで3回くらい質問・確認の往復があってもまだ解決しない問題は、ささっと電話しちゃった方が早い)

自分のコンディションが悪いのに、無理やり「ご機嫌」を作ろうとしても、いつか破綻してしまいます。

他人への礼儀は、自分への気遣いから。

フルリモートワークで働くスキルとしては、
何よりも自分のご機嫌を維持する方法を知っておくことが大切です。


最後に:LiBが目指す社会

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LiBは、
「1人の可能性をどこまでも活かせる仕事のカタチをつくっていく。」
という新しいミッション発表のプレスリリースにおいて、以下のような文章を載せました。

LiBは、女性キャリア支援事業にて培ってきた知見を活かしながら、企業と個人が時代の変化に適応するための「ワークシフト支援」を行っていくことを決めました。

つまりLiBは、リモートワークをはじめとした「時間と場所の制約」にとらわれない働き方を、社会により広げていく会社です。

このようなテーゼを社会に投げかける会社だからこそ、LiBが自らその働き方を実践し、そのノウハウを発信していくことが僕たちの責務だと考えています。

僕を含め、まだまだ皆が試行錯誤の段階ですが、こうして自分の実現したい「生き方」に「働き方」を合わせていくために工夫をする人が増えれば、
仕事における「時間と場所の制約」は、もっと少なくなっていくと思います。

これが、LiBが広げていきたい個人の「ワークシフト」です。

「隗より始めよ」という言葉を胸に、僕も引き続きリモートワークの働き方をもっと進化させていきたいと思います!

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(「別府名物『地獄めぐり』もオススメだよ~」by次男)

さようなら!

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LiBにご興味をお持ちいただけた方は、こちらもご覧ください。




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