見出し画像

オンライン授業が露呈した日本型学校教育の本質的課題

オンライン授業は楽じゃない

オンライン授業の必要性が叫ばれる一方で,昨年の休業措置でライブ型,ビデオ配信型の実践を行った先生方から聞こえるのは,むしろ「そう簡単では無い」というものです。

彼らは,オンラインを活用した教育に消極的になったのではなく,別の次元で課題を捉えていると感じています。

それは,自立した学習者を育てる手法マインドを教師が持たなかったり,教師間の主体性と協働性が脆弱だったりすると,「教師自身が行き詰まる」ということです。

教師の努力だけでは割りに合わない

ライブ型,ビデオ配信型のオンライン授業のハードルが実はかなり高いことは,先駆者の先生方がご指摘の通りです。

私も経験しましたが,配信時に割かれる裏方の教師リソース,デバイスリソースは,割に合わないほど膨大です。

この労力を前に教師側が挫折し,「やってみたけど思ったほど効果がない」と捉えたり,そもそも手を出さないで終わったりするのだと思います。
(実際のところ,休業中のオンライン接続の意義は,学習に直接的な効果が現れるというより,メンタル面でのサポートを経由して効果が現れるのだと思います)

本質的な課題とは

いま憂慮すべき課題とは,学習者が自立して「勝手に学ぶ」環境を設計するスキルを教師が獲得することと,子供が手を離れることを許容する度量を教師自身が身に付けなければならないことだと思います。

これがなければ,休業中の「学びの保証」はもとより,平時のブレンデッド・ラーニングも実現しないと私は考えます。

このスキルと度量は,教師リソースの浪費を防ぐためにも実質的に必要なことですし,何よりもパンデミックを通じて世界が痛感した命題でもあります。
(答えのない問いに立ち向かうためには,学び続ける素養を身につけなければならない)

もちろん,「勝手に学ぶ学習者」など,一朝一夕で仕立て上げられるものではないので,日頃から教師がどのようなマインドセットを持つのかは,重要な鍵を握っているのだと考えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?