金田 孝介 / Kosuke Kaneda

「変化を楽しめる学校」を目指して,ICTや学習科学を軸にした実践を模索中。教育情報化コ…

金田 孝介 / Kosuke Kaneda

「変化を楽しめる学校」を目指して,ICTや学習科学を軸にした実践を模索中。教育情報化コーディネータ,福島県内の公立学校 主幹教諭(理科),#教育ICT #EdTech #STEAM #SDGs

マガジン

最近の記事

3.11 思うこと

11年目の3.11。 2011年のあの日、 私たちは学校生活を1度失った。 ライフラインが破壊され、 生きるのがやっとの生活をした。 居住地を追われたりもした。離れ離れになって、学校どころではない期間もあった。 ライフラインが回復しても、しばらくは原発災害で行動が制限されることも少なくなかった。 その9年後のコロナ禍で、私たちは再び学校生活を失った。 世の中にはスマートフォンも、クラウドサービスも普及していた。 しかし、2020年。未知のウイルスを前に、学校は完全にそ

    • オンライン授業が露呈した日本型学校教育の本質的課題

      オンライン授業は楽じゃないオンライン授業の必要性が叫ばれる一方で,昨年の休業措置でライブ型,ビデオ配信型の実践を行った先生方から聞こえるのは,むしろ「そう簡単では無い」というものです。 彼らは,オンラインを活用した教育に消極的になったのではなく,別の次元で課題を捉えていると感じています。 それは,自立した学習者を育てる手法やマインドを教師が持たなかったり,教師間の主体性と協働性が脆弱だったりすると,「教師自身が行き詰まる」ということです。 教師の努力だけでは割りに合わな

      • GIGAスクール構想の鍵は,「合意形成」と「教育観の問い直し」

        先日の学修成果発表会では,学校でのICT活用の推進における「組織的な合意形成」,「教育観のパラダイム転換」の必要性を指摘したところでした。 このことに関連した内容を松田さんの記事に見つけ,触発されて Facebook に投稿したのですが,その投稿を再構成して考えを掘り下げてみました。 世代間のギャップ合意形成が必要だということは,裏を返すと,世代間に「課題意識のギャップ」が大きいことが考えられます。 上の記事で松田さんがおっしゃるように,Mt.GIGAの頂きを目指す時の

        • 「卒業式のオンライン配信」シリーズをひとまず完結。今は休校措置の学習支援に動いている。

        マガジン

        • 公立中学校で「卒業式のオンライ配信」
          5本

        記事

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を実施して

          Zoom 卒業式オンライン配信のログ配信のメタデータ ・配信開始日時 2020年3月13日 08:50 AM ・配信終了時刻 11:34 AM ・配信時間 2時間44分41秒 ・参加者(のべ) 257ユーザー ログの事後分析によれば, ・アクティブユーザー数(AU):101ユーザー ・アクティブユーザー平均滞在時間:52分47秒 (卒業式の時間:1時間28分) ということで,AUも滞在もなかなか好成績だったのではないでしょうか。 動画配信の手答え 3月17日(火)時

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を実施して

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を準備する

          在籍校 猪苗代中学校の卒業式は,2020年3月13日(金)につつがなく執り行われ,Zoom によるオンライン配信も無事に実施できました。 前回の記事に続き,ここではオンライン配信を提案した後,実現するまでに行った準備について記しておきます。 Zoom 管理者アカウントの準備大規模ミーティングが開催できるライセンスを取得し,さっそく卒業証書授与式を配信するためのホストアカウントを設定しました。 無償提供された機能を使い,ホストアカウントの設定には, Zoom Rooms を

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を準備する

          再生

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」【予告編】

          https://sites.google.com/fcs.ed.jp/ina-sotsu 在籍校の猪苗代中学校で行われる「卒業式のオンライン配信」の予告動画です。 卒業式前日,生徒不在の中,先生たちだけで会場準備をしている様子のタイムラプスを素材にしています。 撮影・編集 : 「iMovie」on Apple iPhone X タイトル : 「Keynote」on Apple MacBook Air Late 2018

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」【予告編】

          再生

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を考えてみる (2)

          (前回のあらすじ) 大学院での生活が自粛となり,既に一斉休校の始まった地元 所属校に戻った私は,北海道奥尻高等学校の実践をヒントに「卒業式のオンライン配信」の具体的な検討を始めた。 先行実践から得たヒントFacebookで流れてきた北海道奥尻高等学校の実践にリアクションしたのは,3月2日(月)のことでした。 保護者の別室参加,在校生の自宅参加に,教育ICT関連のコミュニティ内で話題になっていた ビデオ会議ツール Zoom を活用していたのが一番の注目のポイントでした。 学

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を考えてみる (2)

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を考えてみる (1)

          新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う休校要請から,その後の出来事の記録を兼ねて書きます。 2020年2月27日(木)夕方の政府 新型コロナウイルス感染症対策本部の発表以降,突然の一斉休校に対処するため,学校が大きく揺れています。 ニュース記事やTV報道で,唐突に「学級の解散」を告げられた子供の悲痛な表情を見る度に,9年前の東日本大震災の当時の記憶が重なり,私は胸が締め付けられる思いをしていました。 (ちなみに,東日本大震災 当時は,福島県いわき市に勤めていた) 休校

          公立中学校で「卒業式のオンライン配信」を考えてみる (1)

          未来の教育を迎えに行く

          どうなる!? GIGAスクール構想今日は午後から「GIGAスクール構想」に関するセミナーに参加するため,東京は両国に来ていました。 (大学院における私の専攻は,ICT活用や情報教育に関するものです) 現在,教育現場は別の話題に席巻されていますが,このセミナーのテーマも「緊急」と見出しがつけられる程には目立ったトピックでした。 巷の様子では一見下火になってしまったようにも見えますが,まだまだ喫緊の課題として,教育委員会の方々が必死に検討を重ねていることが今日のセミナーでも感

          未来の教育を迎えに行く

          はじめに 〜学び変化し続けるために〜

          「チャレンジって楽しいし,変化していくことはもっと楽しい!」 だから,学校はもちろん,この感覚を世の中に共有したい。 自分の中に溜め込んだ知識・概念を深め,発信してみたい。 そんなことを考えながら,この note を立ち上げました。 アクティブ・ラーナーのひとりとして2019年4月から大学院に来て,学生になって改めて気付いたのは, 「やっぱり勉強って楽しいじゃん」 ということ。 もちろん,ここ(大学院)で学んでいるのは,アクティブ・ラーニングの定義だとか,カリキュラム

          はじめに 〜学び変化し続けるために〜