ビジネスの拡大とサステナビリティは両立するのか
ゼロウェイストやサステナブルな暮らしをしようと思うと、
結局のところ「新しいものをなるべく買わない」が最適解だと結論づけることに・・・・
確かに、地球環境を慮ると新品より中古、既製品より受注生産品、使わなくなったモノを譲ってもらう。
この辺りが鉄則でしょうか。
しかしそうは問屋がおろしません。
私たちを待たせることなく、いつでも手に入る量産品にファストファッション、時には中古より安い新品。
それもこれも資本主義経済が世界のゲームルールであり、大量に生産してスケールメリットを出して利益を最大化するというモデルでしか経済が成長し得なかったからですよね。
最近は無印良品もユニクロも、サステナブルな印象を持たせようとパッケージを紙に買えたり、リサイクルプラスチックの開発に取り組んでいますが、実際には雑貨や文具はたいていプラスチック製品だし、残念ながらいまだに大量の在庫を廃棄する会社だという側面も否めません。
そんな中、オランダで一つの雑貨店を見つけました。
DILLE & KAMILLE(ディルアンドカミーユ)
HEMに続いて有名なオランダ発の雑貨店なので、ご存知の方も多いかもしれません。
でも、実際に足を運んで感じたのは、HEMは限りなくIKEAやFLYING TIGERと似たブランディングをしているということ。”かわいい雑貨”を安く大量且つ広域で販売するモデルです。
そんな中にあって、DILLE & KAMILLEは1974年に大量生産・大量消費社会へのアンチテーゼとして創設された小売店だったらしく、その思想やつながりを大切にする哲学にとても共感できました。
お店に入って最初に目に飛び込むBathセクションからその心意気がぷんぷん漂います。
驚いたのは、現在オランダを中心に近隣3カ国に44店舗が存在するとのこと(2023年9月時点)
創業約50年なので、他のファストファッション系のブランドと比較して拡大のスピードは決して速くないのかもしれませんが、サステナブルなビジネスをしているからこその成長曲線のような気もします。
彼らのサステナビリティレポートにも、100%再生可能エネルギーを使った店舗運営をしている、2024年までに純利益の5%を環境問題関連に寄付するなどのガイドが示されていました。
このレポートの中で、CEOの挨拶がとても心に響いたのでご紹介しておきます。
モノを売る人が「小売業は決してそのものが完全に持続可能にはなり得ない」ことを前提に謙虚にビジネスと向き合いながら、その上で消費者に「新品」の中で最も持続可能な選択肢と思ってもらえるように最善を尽くす。
店内を見て回っている時も、うわぁ〜〜〜かわいいとデザインや手触りにうっとりすることは何度もありましたが、だからと言って「あれもこれも買わなきゃ!!」という気持ちになることはなくむしろひとつ一つを吟味しながらゆったりとお買い物を楽しむような心持ちでいられました。
自分の投票行動を今一度見直せる素晴らしい時間でした。
感謝。
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