はじめて蛍を触った時の絶望感
子供達が大好きな蛍。
神奈川県横浜市にたくさん飛んでいる蛍を見られる場所がある。小学生くらいの時に毎年親に連れて行ってもらっていた。
めちゃくちゃ空気の綺麗な薄暗い田んぼで蛍がキラキラ飛んでいるあの光景。毎年行くのが楽しみで待ち遠しかったなと思っていた。
注意書きで書いてあるのが「ポイ捨て禁止」「ほたるをつかまえないでください」というこの2つ。前者はずっときっちり守っていた。ただある時ふと思った。
蛍を捕まえて手の中で光らせてみたい…
子供ならではの好奇心。やっぱり光ってるほたるって気になる。虫とは知っていたが、ものすごい綺麗で爽やかな虫だと勝手な幻想が広がる。
ずっと眺めていただけの蛍を夢中で追いかける。そんなにすばしっこいわけではないですがなかなか捕まらなかった。必死になって捕まえに行った。
そしてとうとう葉っぱに止まっている蛍をキャッチ!!
指先の間から漏れている光。念願の蛍。ものすごい綺麗な光を放っている手を開けた瞬間…
うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
なんだこのゲジゲジ感はぁぁぁああああああああああ
ものすごい勢いで放り出しその場から猛ダッシュした記憶がある。
綺麗な虫なんていうのは幻想。近くで見たらただの光る虫。小学生の純真無垢な心はあっという間に打ち砕かれることに。ディズニーランド大好き小学生達の前でミッキーの着ぐるみを頭だけ取って中身おじさんだったみたいなレベルのショック。
ものすごい絶望感に打ちひしがれてダッシュした先でしばらく動けなかった。しばらく下を向いていた。
だが母親にしっかりと妹の面倒を見なさいと言われ渋々蛍のいる場所へ。
「あんな気持ち悪い虫…もう見れねえよ…」
そんなことを思った。
ただ再び暗闇の田んぼを明るく照らす無数のほたるを見た時さっきまでの感情は吹き飛んでいた。
めっちゃ綺麗…
やはり真に趣のあるものはただの虫という現実を見ても心に迫り来るものがある。
そんな私はその神秘的な光景を娘に見せたい。
妻にも見せたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?