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四泊五日の家なき子日記・その3

【三日目・アットホームホテル】

二日目の夜は牛久帰りに友人と都内まで戻り、飲んだ後はそのまま都内のホテルに泊まりました。
次の日から二日間は、栃木県日光市の今市に二泊予定なので、三日目は東武線で移動します。

今市のホテルの自動ドアが開いた瞬間、響き渡る赤ちゃんの泣き声。
おっと、このホテルも牛久のように「親戚の家」タイプですか?
ラウンジがあったり、牛久よりはビジネスホテルっぽいですが、どうもフロントの奥にある部屋に赤ちゃんがいるようで、なかなかの音量で泣いています。
フロントの方がその状況を当たり前のように対応してくださるので、私も何も聞かず淡々と受付を済ませました。

今回も牛久と同じく、レトロなプラスチックの長い棒のついた鍵をもらい、部屋へ。
悠々とスーツケースが広げられるぐらい、広めの部屋です。

夕飯の時間になり食堂に行くと、客は私と六十代ぐらい?の女性二人組だけです。
テーブルにはご飯とみそ汁、サラダと魚の西京焼きと鹿の刺身がセットしてありました。

食べ始めると、エプロン姿の女性が肉じゃがを持ってきてくれたのですが、お皿がデカイ。
「今日のメインは肉じゃがよ」と言われた時の、一人分ぐらいあります。
食べ進めていると、更に肉料理が鉄板に乗って運ばれてきて、思わず「えっ?」と言ってしまいました。
西京焼きがメインだと思ってたのに。
「こちらで最後です」と言われて果物まで出てきたので、とにかく満腹になる前に食べてしまえと、猛スピードで食べ切りました。
(なんとなく、よその家でご馳走になっている雰囲気で、残しづらいんですよ…嫌いなキュウリは残しましたが)
女性二人組は会話なく黙々と食べてらっしゃいましたが、食べ切れたんでしょうか。
(あ、「お客さんは二組だけなのかな…」と思いましたが、朝食ではたくさんいらっしゃいました。皆さん、夕食はどこかの店で食べてるんですね)

ところで、私が夕食の時に楽しみにしていたのは、ホテルの口コミで「食事時に酒が持ち込めるのがありがたい」と書いてあったことです。
実はカバンに発泡酒一本を忍ばせて食堂に来ていましたが、出していいのかが分かりません。

結局飲まずに食堂を出ると、フロントに先程のエプロンの女性がいたので「お酒を持ち込んでもいいんですか?」と聞いてみました。
「フロント前にある自販機で買ったものならOK」とのこと。
スーパーで買うよりは多少割高ですが、いちいち注文せずに自分のペースで買いに行けるのは気が楽です。(食堂はフロントの隣)
普通にホテルの夕食でビールを頼んだら倍額はするので、それより安いですし。

翌日の夕食は私一人だったので、大変気楽に酒が飲めました。
あと、私だけだったせいか量も前日よりは少なめで助かりました。
何しろ私は酒を飲まなくてはいけないので、酒の分の胃のスペースを空けておかねばならないのです。
この日の、食事も酒も美味しかったです。

夕食時に隣の厨房を幼稚園ぐらいの子供(チェックイン時に泣いていた赤ちゃんではない年齢)が走っていたり、朝食をおじいさんが片付けていたりと、このホテルも家族経営かなという感じです。
食事も懐石ではなく「一般家庭のごちそう」という雰囲気。
スタッフの皆さんも同じメニューを食べていらっしゃるんでしょうか。

そして朝食・夕食に出るサラダにかかっているドレッシングが、めちゃくちゃ美味しいんですよ。
あまりに美味しいので市販なら買って帰ろうと思い、四日目の夕食時に女性スタッフに聞いてみたのですが「手作りなんです」とのことでした。
マジで売って欲しいぐらいの美味しさでしたよ。

今市は日光と鬼怒川に近いので、高いホテルに泊まらなくても、観光してこのホテルに泊まるのはアリだなぁと思います。
ドレッシングのために、また来たいホテルでした。

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