放浪 〜風船のような生き方に憧れる文鳥〜

風船のようで、渡鳥のような存在。

繋ぎ止めてくれないと、どこかへ飛んでいってしまう。

飛んで行くことが悪いことでもなく、

この場に居続けることが良いこととも限らない。

カゴの中の鳥が、飛ぶことを忘れてしまうように。

自分で餌を取る本能を忘れてしまうように。

けれど

遠くまで飛び過ぎてしまうと、きっと家には戻れない

帰る場所を残しておいてくれ、なんて言うのは甘えかもしれない

行った先々でしぶとく生き残る

それもまた生き方であって

スタンダードから逸れることに恐れを抱いていた時もあった

けれど憧れてしまうんだ

今と違う自分を。

そして失望してしまうんだ

今と変わらずにいる自分を。

せめて、私の頭の中の、空想の中だけは

自由に、放浪していたい。

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