見出し画像

地下鉄に乗るのが苦手な自分が色々試してみた

こんにちは。サイトウです。

いきなりですが実はわたし、地下鉄に乗るのが大の苦手です。
朝起きて「あ、今日は無理」と思うとタクシーを使うこともしばしば。

そうしていると1か月のタクシー代が4万円を超えることもあり「そろそろやばい」と思ったため、色々と対策を立てることにしました。

できるだけユーモラスに書いてみたいと思うので、気楽に読んでくださいね。


わたしが地下鉄に乗れない理由

地下鉄に乗れないとなると、よくあるパニック発作を想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしはそういうタイプではありません。

地下鉄に乗ると

①乗客一人一人の動きが気になる
②マナーの悪い乗客を見てイライラする
③他人との距離が近すぎる

これらが同時に襲ってきて、交感神経が狂い、手汗が滴るくらい出てしまいます。

なかでも①については特にひどく、前の人の動き、横の人のしゃべり声、次の駅で何人乗ってくるのかなど、どうでもいい(わたしにとってはどうでもよくない)ことを次々と考えてしまいます。

気が気じゃないというか、緊張の糸がピンと張り続けている感じ。よく周りの人は気にならないなあと感心します。


②と③に関しては、イライラの表出がとんでもないのです。一人で2席取る人、リュックを背負ったままの人、入り口で溜まる集団、足を開くサラリーマン、空いているのにわざわざ自分の前に立つ人などなど、挙げるとキリがありません。

思い出すだけで腹が立つ!笑


それでもタクシーで月4万円も遣うのはごめんです。どうにか乗れるようになりたい。なのでいくつか試してみました。

ダメだった対策

・アンガーマネジメント
よくあるのがアンガーマネジメント、アンガーコントロールという方法です。怒りの感情を適切に取り扱うためのトレーニングで、アメリカ発祥のものです。
その中でも特に有名な「6秒ルール」に取り組んでみましたが、6秒後に新たなストレス要因があらわれ、気づいたらイライラしたまま30分(1800秒)数えるという地獄を味わいました。
多分わたしのやり方が間違っているのか…どちらにしろ手軽に取り組めるものではなく、わたしにとっては全く効果的ではありませんでした。かといってしっかり学ぶためにお高いセミナーに参加する余裕はないので、断念。



・読書をする
読書が趣味だし、文字に集中すればなんとかなると思ったのですが、雑念が邪魔をして全く集中できませんでした。電車で本が読める人、すごいですよほんと。

・森田療法を実践する
気分本位ではなく目的本位に動く。仕事をするという目的を持ち、不安をあるがままにすることを心がけた結果…。





タクシーでも行ければいいじゃんとなってしまいました。


ちょっと効果があった対策

・連結部分に乗る
地下鉄には連結部分があります。連結部分ど真ん中に立つと邪魔になるので、そのギリギリのラインにいればパーソナルスペースを確保することができました。ただ、これができるのはその部分に人がいない時の話。すでに誰かが立っていれば、絶望的な気分になります。また、連結部分がドア式になっている場合はスペースを確保できません。つまり運任せなので△

・noteを書く
本を読むと似ている気がしますが、書く方がより能動的なので集中できます。時間が過ぎるのも早いです。ただ、意欲的に「今日は書きたくないな」と思う日もあるので、常に有効とは限りませんでした。


効果があった対処法

・服薬をする
耐えきれずメンタルクリニックへ相談に行きました。先生は困ったように「パニック障がいでもなさそうだし、うつでもないし…」と話されていましたが、それでもベンゾ系の弱い抗不安薬と、抑肝散というイライラを抑える漢方を処方してくれました。プラセボも多くあると思うのですが、それを飲んで生活をすると、なんというかイライラしたとき、一旦気になったことを横においておくことができるようになりました。
かがく(と中国4000年の歴史)のちからってすげー。

・顔を上げておく
意外とこれ、効果あります。スマホを操作していると隣に座られる場合が多いのですが、顔を上げて乗客を見ます(怪しい)。決してガンを飛ばすとかいうわけではなく、あくまで顔を上げる。するとなぜか、近くに人が来ません。わたしの個人的要因(この人ヤバそうに見えるとか)もあるかもしれないのですが、面白いので誰か心理学的に検証してくれませんかね…。

・知っている人と一緒に乗る
妻や友人、同僚などと乗ると、気持ちがだいぶラクになります。話しながら乗ることができますし、意識をそちらに向けることができます。

・みんなだいたい同じ思いだろうと想像する
混んでいる地下鉄が好きな人なんてそうそういません。
はじめに、横に座っている人と肩が当たるのが嫌だと話しましたが、きっと相手も同じことを思っているはずです。それでもしょうがないから、諦めて乗っているはずです。そう思うと、多少のことは許せるようになりました。
もっと言えば、誰も自分に興味はないのです。わかってます、わかってるんだけど、気にしちゃうんですよね…。
作家の山口瞳さんも通勤電車について書いたエッセイの中で「通勤の天才は、その後の成績が芳しくない。出世しない男が多い」※1 なんて荒唐無稽なことを言っているので、通勤に悩むくらいがちょうどいいのかもしれません。


まとめ

以上がわたしの取り組みです。
正直まだ、地下鉄に乗ることに対して不安感はあります。一方で色々試していく中で、そして効果を感じるものを組み合わせていくことで、自分に合った対処法を発見することができました。


読んでくださっている人の中には「そんなことで悩んだことはない」とか「自己中心的だ」とか思われる方もいるかもしれません。単純に、他人を気にしなければいいのでは?という助言には「そのとおり」としか言いようがありません。ただ、自分とは違う、考えられないようなことで悩んでいる人は意外と多く、それは他者が安易に判断できるものではないのです。


もうひとつわたしが感じたのは、また色々な対処を試してみても、人によっては効果的であったり、反対に全く効果がなかったりと、違いがあることです。

支援を受ける方々の中にも色々な悩みがあります。時には支援者が理解できないことや、ついつい安易なアドバイスをしてしまう場合もあるでしょう。

技法は最終兵器。まずはその方の困るシチュエーションをしっかり聞き取り、最善の方法を本人と一緒に考えていくことなのだと思います。しっくりくるという感覚は、本人の主観なのですから。


今回もお読みいただきありがとうございました。


引用
1.山口瞳(2000)『礼儀作法入門』新潮文庫,p176.

この記事が参加している募集

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?