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旅ブロガー女医の海外旅行失敗談

ブログやメディア連載でリクエストが多かった「旅の失敗談」

実はあまり大きな失敗、というものはないのですが、ちょこちょこ、ないわけではありません。今回ぜひともこの場でシェアしたいと思います。


貴重品にまつわる失敗

まさかパスポートを…

海外旅行で「死守」すべきものといえば、これズバリ、パスポートとスマホではないでしょうか。

現金は常に1万円以下ですので、盗まれてもさほど痛くありませんし、クレジットカードは3~4枚を分散して入れていきますので、バッグごとひったくられない限り、いや、バッグごとひったくられても、全滅、はありえません。盗まれたらすぐ止めればいいですしね。

しかしパスポートとスマホだけは代わりがきくものが一切ないので、絶対に「盗られないように」せねばなりません。

パスポートは、海外で自分の身分を証明する、唯一の手段ですから、紛失した時点でどこの国の何者なのか、証明する術が一切なくなってしまいます。

スマホは最近でこそ、今使用しているiPhone13miniと、一つ前の12miniの2台を持参するようにしてますが、それだって今使用している13miniがなくなるのは痛いです。

特に警戒するのはヨーロッパ。

パスポートは口が開きづらいショルダーバッグにかけて、その上から上着を着ていますが、母に至っては、パスポートはお腹に巻いて、いざとなれば「腹から取り出して」います。

私は、流石にそれはカッコ悪いし、暑いし、アトピー肌が痒くなりそうで、やってなかったんですが、そろそろ「旅の恥はかき捨て」な年代にもなってきたので、考えてもいいのかな、くらいに思っています。

スマホは首かバッグか、はたまた両方か、必ず太めの金属チェーンでつながっている状態にして、レストランの机に置くことは絶対しない。道を歩くときもスキを一切見せない。最大限に警戒しています。


が、実は、失敗するのって、こうして最大限に警戒しているときじゃないんですよ。


失敗するのは「あまり警戒していないとき」

自分の傾向として、治安がさほど悪くなく、スリなどの心配もあまりない旅行先でこそ「やらかす」んです。

ロシアは極東の「ウラジオストク」で、それは起きました。


旅マニアの友人と2人、空港に着いて、タクシーアプリで民間タクシーを呼び出し、ホテルまで。

ドアtoドアで、スリにあう心配もなし。

アプリで決済しているので、タクシー内での金銭トラブルもなし。


ホテルに到着し、チェックイン手続きをします。
海外ではここで必ずパスポートを出すことになるわけです。


パスポートの確認が済み、お部屋のキーをいただき、お部屋に向かいます。

が、その時、背後からドスドス音がするので、「何事か!?」と、
びっくりして振り向いたらフロントでチェックイン対応をしてくれたお兄さん。

片手には日本国のパスポートを持っているではありませんか。


「えw、おっちょこちょいの友人が、フロントでパスポートを受け取らずにきちゃったのか。ったく、しょうがないな~」

と思ったら違いました🤣 
私のでした。

チェックイン後にパスポートを「完全に受け取った気」になっていたので、事態を飲み込むのに数秒要しました。


ごくたまに、ですが、クレジットカードで買い物をしたとき、お店でクレジットカードをもらい忘れてそのまま帰宅してしまうことが、あるにはありました。

そのときも、連絡があるまでクレジットカードをちゃんと受け取った気でいるんですよね。それを海外で、パスポートでやっちゃってるんです。


ホテルのフロントマンが、ちゃんとパスポートを持ってきてくれたのは、そこがウラジオストク、中でも一番グレードの高いロッテホテルだったから、でしょうか。いや、ただ単に、運が良かっただけなのだと思うことにしています。

次やったらもう終わりだと。


パスポート・貴重品がらみの失敗といえば、このほかにも、ホテルのお部屋の金庫に貴重品を一式入れっぱなしの状態でチェックアウトし、そのまま自宅に帰宅してしまっことが、実はあります。

幸い、国内旅行、しかも都内のホテルでしたので、帰宅後取りにもいけましたが、違ったらどうなっていたことやら…


ちなみに「パスポートは腹に巻いている」母ですが、モンゴル旅行でパスポートを紛失し、領事館に行ったりなんだりで、えらいことになったことがあるそうです。

今では笑い話ですが、ことが起きるのは「とてもじゃないけどパスポートが盗まれそうにもない国」でこそ、だと思ってます。


ホテルでの「部屋の鍵」問題

まだ20代のころ、当時の夫とソウルは新羅ホテルでの滞在時でした。当時の新羅ホテルはカードキーではなく、いわゆる金属の「鍵」で、オートロックだったか、なかったか。その辺りの記憶は定かではないのですが、とにかく数時間ほど、出かけた時のことです。

当時はパスポート=唯一の身分証という自覚が欠如しており、海外旅行に行ったらパスポートはホテルの金庫に収納してしまっておりました。その金庫の鍵をかけ忘れた、わけではありません。金庫が閉まっているのは確認して、外出しました。

数時間後、部屋に戻ってきてビックリ。なんと部屋の鍵がドアノブに挿さった状態でぶら下がったまま、お部屋のドアも半開きになっていたのです。
到着日か何かでしたので、掃除はなし、中は荒らされた形跡もなく、金庫も無事でしたので、多分部屋のドアを閉めようと思ったのか、開けたとき引っこ抜かずにそのままにしてたのか、ともかく犯人は私でほぼ確定です。

今、ほとんどのホテルがカードキー&オートロックで、こんなこともないかと思うのですが、それだって、今度はオートロックではない、日本国内の旅館で、鍵をかけ忘れた状態で、部屋を出て食事に行ったり、戻ってきてから鍵をかけずに一晩過ごしたりしちゃうことはあります。
幸い、日本は平和なので、何かあったことはないのですが…

部屋の鍵トラブルは、離婚後も数回おこしていて、オートロックのマンションに住んでいるのに、帰ってきて、「はて、鍵がない」となり、マスターキーを持っている防災センターのおじさんにお願いして、部屋の前までついてきていただき、部屋を開けたら、鍵がかかっておらず、鍵は部屋の中に置いたまま。

だとか、家に帰ってきて数時間、鍵もチェーンもかけずに過ごしていて、お風呂に入る時に気づいて、とか、しばしばやらかしています。いずれも誰かが入ってきたり、盗難されたり、ということはなく、事なきを得ておりますが、今では神経質に、出かけるときに何回もドアを開けたり閉めたりして確かめることがあります。
強迫神経症かよ、とも思いますが、女の一人暮らし、何かが起こってからでは遅いですからね。

「ここは比較的安全だから」と、ちょっと緩んだときこそ、注意しないとダメですね。


期待を裏切らないベトナム「タクシーバトル」

私、タクシーって好きじゃなくて、基本、乗らないで済むなら乗らないんですよ。旅先で「タクシー」極力回避します。

乗るのは母や友人がいるときですよね。
一人旅では極力、使用しません。
タクシーアプリのある国で、お昼限定で、どうしてもタクシーでないと移動ができないとき「に乗るか乗らないかくらいです。


あと、ホテルから観光タクシーをお願いすることはあります。
定額ですし、ホテルからの依頼となれば、運転手さんもやり手で、相当気合いが入っていることが多いですからね。

それ以外のケースでは、極力利用しないで済む方法を探します。
それくらい、好きじゃありません。

車って、密室空間にドライバーさんと2人、じゃないですか。そのシチュエーションが嫌なんですよ。

今でこそタクシーアプリなら行き先を説明せずに済みますのでハードルは下がりますが、運転手さんに行き先を説明するのもいやなんです。

ましてや東南アジア、ともなると、女性一人でタクシーって、ハードルはかなり上がりますよね。

一番お気に入りの都市がマレーシアのクアラルンプールですが、あそこみたく、列車も、タクシーアプリもちゃんと機能していて、運転手さんがみんな口コミ高得点をゲットするべく、かなり頑張っている都市ならいいんですけど、そういうシステムがちゃんとしてない国の代表が、ベトナムでしたかね。(※コロナ禍前の情報です。)

あそこに行くときは、主要観光地が徒歩圏内にある超立地のいいホテルを探して、少し距離があるとなれば、多少高くてもガイドさんつきの現地ツアーを、日本から予約していきます。

が、何度だって言いますけど、実は、失敗するのって、こうして最大限に警戒しているときじゃないんですよ。


何度でも言います。
失敗するのは「あまり警戒していないとき」


ベトナムはハノイでの出来事です。

主要観光地へは、現地ツアーを全て手配していたのですが、世界遺産「タンロン城址」だけコースに含まれていなかった。

タンロンはホテルから2.5kmほどの距離だったんですが、たまたま、2~3時間空いちゃったので、だったら「タンロン城址」に行けちゃうじゃん!?

行きはホテルからタクシーを依頼すれば、ほぼ間違いなく、ぼったくられることもないのです。


問題は帰り。観光地で「待ち」のタクシーがやばいのです。


その時11月で、ハノイはベトナムでも北のほうなので、沖縄と同じくらいの緯度ですから、そんなに暑くなく、むしろ長袖一枚羽織ってないといけないくらい涼しかったので、街をぶらぶら歩きながら帰ってくればいいじゃん、と思い、ホテルからタクシーで出発しました。

で、タンロン城址を満喫した後、ホテルへ帰る、となったのですが、ちょっと歩いてて、疲れちゃってたか、時間が押してたか、だと思います。


やっぱり歩かずにタクシーで帰ろう、って気分になって。


ともすると、タンロンの近隣にはそこそこのホテルがいくつかあるので、そこでタクシーを呼んでもらうのが一番間違いないんです。そうするつもりでタンロン城址を後にした、つもりでした。

出たところに、タクシーがずらっと並んでいるんですけれども、シカトするべきだったんですよ。


ですが、たまたま一番前に停まっていたタクシーが、ホテルから乗って来たタクシー会社、確かマイリンタクシーだったと思います(比較的まともでぼったくりも少ないと言われているところですね)。その会社のタクシーが停まっていたんです。

行きに同じ塗装の車両を見たばっかりでしたから、間違いないだろうとこれが気の緩みですよね。

あまり長距離じゃないので、ぼったくりだったとしても大した額にならないだろう、くらいにたかをくくっていた、というのもあります。

乗ったらメーターをちゃんと回してくれたんで、そのままお願いすることにしちゃったんです。


が、案の定、行きよりもはるかにメーターが上がるのが早い。

細工されていたんですね。あーあ、これがそうなのか、と。


ただ、行き先はホテルなんですよね。

ドアマンさんのところに辿り着きさえすれば、どうにかなるかと思いましたし、ならなかったところで、千円単位の話なので、可能な限りあがいてみて、最悪、払えばいいかと。Googleマップで方向を確かめたら、確かにホテルの方角には向かってくれてるんで、「一つの経験」として楽しんでやるか、くらいな感じで、乗りながら、作戦を練っていました。


そしたら、ホテルの近くのわけわからん建物の前でですよ、いきなり停まって「ここだ」っていうんですよ。


いやいや、ホテルちゃうやんw 


ドライバーに言ったら、20~30メートルほど左の方向を指差して「ほら、見えるだろ、あれがホテルだ」と。


実はここで「ちょっとこれはイケるかも」と思っちゃってました。


そもそも「こちらの言った目的地まで客を運んでいない」わけですから、タクシーの費用を支払う義務はないというのが一つ。

もう一つは、ホテルの正面に堂々と停められない、ということは、ホテルのドアマンとまともに「対峙」するとまずい事情があるわけです。

そのホテルもすぐ先に、もう見えてるわけで、なんとかホテルのドアマンに辿り着けばいいわけです。

最悪、ドアを開けて、ダッシュでホテルに駆け込めばいいかな、と。


しかしまず、ドライバーに「こっちはホテルまで行ってくれと頼んでるんだから、ホテルの正面につけろ」と、強い口調で伝えました。

そこは男尊女卑の国。女性に強く出られると逆上する男性も多いので、そしたらドアを開けて走ろうと、そういう感じです。


が、そのドライバーはどうも、まさか日本人の女性にそう強く出られることは想定しておらず、面食らってしまったタイプのようで。

「いやそれは無理だ、ここで金を払って降りろ」などとモゴモゴ。


英語はいっちょまえにしゃべれるドライバーさんだったんですよね。

私は「いや、だったら、ちゃんと目的地まで連れていけ。そしたら金を払ってやるから」とまた英語&強気。

ホテルの正面まで行かないと、金は払わないと、英語で繰り返し、強い口調で伝えたところ、

「もういい。お金はいらないからここで降りてくれ」

と言うではありませんか!


「あら、いらないの?」もうちょっと何か面白いことがあるか、と思っていたので、ちょっと拍子抜けしちゃいました。

ニヤッと笑って「かわいそうだから、これだけ、くれてやるわ」と、行きのタクシーと同じ金額(ものの数百円ですw)を置いてってやりました。渋々受け取ってました。


車を降りて、ホテルに向かう途中、追いかけてくる様子などもなく、なんだ、意外とあっさりいっちゃったな~って感じで、ちょっと拍子抜けして、ホテルまで堂々と歩いて(途中ホテル前でホテルの外観の撮影なんかしちゃったりもしてw)帰りました。


意外とチキンなぼったくりタクシーだったんで、たまたまそんなんで済んで良かったですけど、もっとあくどいタクシーもあるみたいですから、私はラッキーだっただけですね。

ベトナムは好きなので、また機会をみて行くつもりですけど、やっぱり次からは、絶対徒歩か、ガイドつきにしようと思いましたね。


ある意味、東南アジアのタクシーあるあるな、しかしちょっと気を緩めた隙の、失敗エピソードでした。


やっぱりこういうときの、ちょっとした隙が危ない一方で、こういう出来事を含めて、東南アジアを楽しんでしまってる一面があったりもして笑 

でも、大ケガする前に、やめとこうと思うエピソードなのでした。


以上、旅のちょっとした失敗について、書いてみました。
また何かあったら書きますね〜 という展開は避けたいのでw
できることであればこのテの話題には2度と触れずに、楽しい旅ライフを送って行きたいものです笑笑

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