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私の婚活奮闘記 自分は婚活に何を求めているんだろう?

どうも、ばるせろなです。

前回の記事では、「自分の楽しみをおそろかにし過ぎて、かえって相手に居心地の悪さを与えてしまう」という失敗を書きました。

ここで私は「自分の望むもの」を掘り下げる必要性を痛感しました。まさか、「自分探し」や「自己分析」といった、就活生時代にやったことを再びやることになるとは・・・。

早速ノートを買っていろいろと書き殴ってみたのですが、そこで気づいてしまったんです。押し寄せる娯楽の洪水に身を浸すうちに、いろんなことに無感動になっている自分に。

今回は「自分の望むものが分からない」という現代病に向き合った記録です。

それでは、本編をどうぞ。

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「ねえ、見て。スカイツリーだよ」

婚活で出会ったとある女性(仮にKさんとしよう)とラーメン屋に並んでいた時のこと、指さされた方を見ると、隔てるものが何もない道の先にスカイツリーが鎮座していた。

このラーメン屋に来るのは今回で3回目だが、それまでは1人でスマホを眺めるばかりで、目の前にこんな絶景があることに気づきもしなかった。

別のある日、一緒にお茶した後に周辺を軽く散歩をしていると、Kさんは森の茂みらしきところを見つけて「トトロの森みたいだね。一緒にくぐってみない?」と提案してきた。

2人で歩いた新緑が目に染みると同時に、何もないところから楽しみを見出すKさんの感性に私は驚嘆した。

茂みを抜けて束の間の冒険譚を終えた後は、雑貨屋を適当にぶらぶらしてみた。すると、突然Kさんは足を止める。

そこにあったのは2〜4歳児ぐらいがやるような積み木だった。「ちょっとやってみようか」といたずらっぽく笑って、Kさんはバラした積み木を一個ずつ積み上げていく。

「やっぱこの仕上がりは天才じゃない?」

帰宅後、LINEで出来上がった積み木の写真を共有し、自画自賛するKさんに「ノーベル賞が取れそうだね」と私は被せた。"wwwww"と草を生やす返事に私の顔もほころぶ。

会うのが4回目の帰り道、喉につっかえてなかなか出てこなかった言葉をようやく絞り出し、私はあなたと付き合いたいという意思表示をした。

その場では「もうちょっと会ってからね」と保留の返事をされ、月曜の午後に「今夜5分だけ電話をしたい」とLINEが来たところで私は天を仰いだ。

薄々予感はしていたが、これはダメなやつだ。

夜10時に会社を出ると、公園のベンチに腰掛けて「今なら電話できる」とLINEをした。過去に何度か通話をして、寝る時間帯は分かっている。私が家に着いてから電話をすると寝不足になってしまう。どうせ斬られるなら、さっさと首を差し出そう。

電話は案の定、並行して会っていた別の男性とのお付き合いを決めたという内容だった。結婚相談所を利用していると聞いて覚悟はしていたが、婚活はどこまでいっても相対評価だ。Kさんとの最後の通話で、私の口からはなぜか「ありがとう」という言葉が漏れた。

「自分の矮小な世界観を壊してくれてありがとう」という意味だったのだと今なら分かる。 

通話を切った後、相手に"おもてなし"をされていたことに気づかなかった己の未熟さを悔やんだ。

関係が深まる前に脱落しているので、凹むだけの思い出も作れていないのである。それが何より虚しかった。

だが、悪いことばかりでもない。

Kさんとの出会いで、私が何を望んでいるのかが一つ明らかになった。全然違う角度から私の世界観を揺さぶり、新しい価値に気づかせてくれることだ。

自分が望むものの輪郭は、人とぶつかり合いながらでないと明らかにならない。覚悟が決まった人間がどれほど魅力的に映るかは、Kさんが身をもって教えてくれたじゃないか。

虚しさ混じりの月曜日。足裏に確かな地面の感触を得ながら、私は駅へと歩き出した。

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