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プリンセス・クルセイド ストーリー&登場人物紹介

 ごきげんよう、皆さん。私の名前はインカローズ。えっ? インカローズって誰かって?……まあ、いいじゃない。そんな細かいことは。

 自慢じゃないけど、私はたくさん本を読んでいるから、人より知識の量が豊富なの。今興味があるのは——ああ、こんな話をしている場合じゃないわね。今日は皆さんに、私の知識を活かしてファンタジー小説『プリンセス・クルセイド』の解説をするわ。では、早速始めましょう。まずはストーリーから。

・ストーリー(STORY)

 とある大陸にある平和な王国、ウィガーリー。その国を治める国王、ヘクター・シュワーヴ王の逝去により、彼の息子であるアキレア・シュワーヴ王子に王位が継承されることとなった。しかし、王子が王位を継ぐには、彼の婚姻という条件が掟で定められている。未婚である王子は、結婚相手を決めるため、「プリンセス・クルセイド」の開催を決断する。かくして、少女たちの愛と夢と誇りを懸けた闘いが始まった――。

 闘いで結婚相手を決めるなんて、ひどい話よね。でも、どうやったら誰もが納得する方法で王妃を決められるのかしら? 王子が好きになった人や、王子のことを好きでたまらない人が、王国にとって理想的な人物であるとは限らない。難しい問題だわ。

 次は登場人物紹介よ。

・登場人物(CHARACTERS)

 アンバー・スミス

 ――「笑顔が一番!」「冗談じゃない!」

 この物語の主人公。ウィガーリーの王都エアリッタにある鍜治屋の一人娘。父親のロベルトと穏やかな生活を送っていたが、プリンセス・クルセイドが開始された直後、盗賊のジェダイトによってロベルトを拉致されてしまう。謎の女剣士メノウの協力もあり、プリンセス・クルセイドでジェダイトを破ったアンバーだったが、父は魔術で水晶の中に閉じ込められ、助け出すことができない。しかし、メノウにプリンセス・クルセイドを勝ち抜けば強力な魔術の杖が手に入ると告げられ、闘い続けることを決意する。聖剣は白い柄に白い鞘が特徴で、強力な光の波動である斬撃波を放つことができる。チャーミング・フィールドは荒野。母親は他界している。

 彼女は王子と結婚するためでなく、家族を救うために闘っている。でも、それで本当にいいのかしら?

 イキシア・グリュックス

 ――「わたくしはイキシア・グリュックス。人呼んで『太陽のプリンセス』!」「しゃらくさいですわ」

 ウィガーリーの隣国マクスヤーデン王国の気高き王女。人呼んで『太陽のプリンセス』。自国の正統な王位継承者だが、恋い焦がれるアキレア王子との結婚を目指してプリンセス・クルセイドに参戦する。しかし、アンバーと初めて対峙した際、彼女の闘う理由を知り、傍に寄り添うようにして共に暮らすようになる。武芸十八般の達人で、煌やかな装飾(彼女の趣味ではない)が施された聖剣を様々な武器に変えて闘う。チャーミング・フィールドは幻想的な光景が広がる湖畔。弟が一人いる。

 武芸十八般とは、武人が覚えるべき様々な武術のことね。その内容には諸説あって、別に十八種類とは限らないみたい。それにしても、プリンセスなのにそれだけの武術を身につけているなんて……まったく、あの子らしいわ。

 メノウ

 ――「言っただろう? 私は君に笑っていてほしいんだ」

 赤毛にエメラルドの瞳が映える気高き剣士。父親を拐われたアンバーに協力し、ジェダイトと合間見えるが、敵の圧倒的な魔術の前に窮地に陥り、結果としてアンバーをプリンセス・クルセイドに参戦させるきっかけとなってしまう。その後は自身もプリンセス・クルセイドに加わり、闘いの中でアンバーとの親交を深めていくが、目の前で彼女をジェダイトに奪われてしまう。しかし、イキシアやタンザナの力を借り、自身もジェダイトの部下であるラリアを破ってアンバーの奪還に成功する。聖剣の能力は姿が見えなくなるほどの超高速移動。チャーミング・フィールドは月夜の草原。自らの素性を明かさない態度が時折アンバーを困惑させるが、その正体は、プリンセス・クルセイドの開催に自信が持てないでいる、アキレア・シュワーヴ王子その人。

 彼女の正体の秘密を知るのは、今のところはジェダイトだけのようね。何やら浅からぬ因縁があるようだけど、一体何があったのかしら。

 グラジオ・ジュリアン

 ――「掟ですので……」

 ウィガーリー国の宮廷魔術師にして、アキレア王子の最側近。プリンセス・クルセイドの開始に伴い、聖剣の魔力を解き放つ魔術を行使した。

 父親を失ったアキレア王子にとってはかけがえのない味方……のはずなんだけど、彼には昔からよく分からないところがあるのよね……。

 ガーネット

 ――「お前にやられる私じゃない。私はこの国の騎士だ!」

 ウィガーリー国の若き騎士。エアリッタの隣の町であるサンドベウス出身。憧れの王子との結婚を志してプリンセス・クルセイドに参加する。聖剣の能力で光の剣を作り出して闘うが、イキシアに敗れてしまう。チャーミング・フィールドはサンドベウスの名物であるコロシアム。プリンセス・クルセイド最初の落伍者。

 イキシアとの闘いではあっさり負けてしまったけど、彼女の剣の腕は確かよ。さすがに相手が悪かったわね。

 ジェダイト

 ――「思わず食べちゃいたくなるだろう?」

 極悪非道な女盗賊。アンバーの父親であるロベルト・スミスを拉致し、彼女をプリンセス・クルセイドに巻き込んだ。その後、今度はアンバーを拉致し、イキシアらの一掃を狙ったが、復活したアンバーの剣に敗れる。強力な魔力の持ち主で、レイピア状の聖剣から氷の魔術を放つ。チャーミング・フィールドはどこかの町の裏路地。過去にはアキレア王子に魔術の手解きをしていたこともあるなど、王室に関わりがあったらしい。

 彼女がいなければ、アンバーもプリンセス・クルセイドには参加しなかったでしょうね。でも、一体どんな狙いがあって一介の鍜治屋にすぎないアンバーの父親を拉致したのかしら?

 ラリア

 ――「お頭……喜んでくれるかなぁ。そうだといいなぁ……」

 ジェダイトの部下。胡乱な言動が目立つ酔っぱらい。プリンセス・クルセイドの掟を盾にして好き勝手にやっていたが、メノウに敗れてしまう。聖剣の力で刃の破片を意のままに操る。チャーミング・フィールドは酒蔵。もちろん、きちんと成人している。

 結局最後まで酔っぱらっていたわね。何事もやりすぎは良くないわ。

 シトリン

 ――「黙れ、ラリア!」

 ジェダイトの部下。スリの名手で、イキシアの財布を盗もうとしたが、あっさりと返り討ちに遭ってしまう。特殊なナイフに変化する聖剣で闘っていたが、そんなものでどうにかなる相手ではなかった。チャーミング・フィールドは劇中では登場していない。

 彼女のスリの腕は確かよ。今回は相手が……ごめんなさい。適当に話しているわ。

 アレクサンドラ

 ――「あの人は私に夢を見せてくれる!」

 知略に優れ、抜け目ないジェダイトの側近。常に余裕のある振る舞いをしている反面、ジェダイトが並々ならぬ興味を示したアンバーには、狂気じみた一面を見せた。対戦相手の精神のなかに飛び込み、心の弱みを突くという恐るべき聖剣で戦っていたが、タンザナとの対戦中にヴァンパイアと遭遇してしまい、恐怖のあまり我を失ってしまう。チャーミング・フィールドは劇中では登場していない。仲間を見捨てて、エアリッタから逃亡した模様。

 彼女は今頃どこにいるのかしら……そういえば、この前どこかで見たような?

 エリカ・フリードリッチ

 ――「ええ……決めました。勝つ覚悟を!」

 ファムファンク王国のプリンセス。四兄妹の末娘で、優秀な兄達に引け目を感じており、プリンセス・クルセイドで自らの力を示そうと、単身でウィガーリーに乗り込んで来た。しかし、イキシアと死闘を繰り広げるも、僅かの差で敗戦。プリンセス・クルセイドからも排除されてしまう。だが彼女は、迎えに来た兄達と共に胸を張って故郷へと帰っていくのだった。聖剣には火のエレメントの力が宿っており、炎を自在に操ることができる。チャーミング・フィールドは屋敷の庭園と思しき場所。愛馬の名はケンドール。

 普段は自分を表に出したがらないけど、内に秘める想いは炎のように熱い。彼女はそんな人よ。また会うのが楽しみね。

 ミーシャ

 ――「エリカ姫の力になりたかった……大好きだから」

 エリカに憧れる少女。ファムファンクの王都イラプス出身。ある日、偶然エリカに出逢い、彼女の力となるべくプリンセス・クルセイドに参戦する。闘いでは自在に宙を舞う聖剣の能力を駆使してアンバーを追い詰めたが、最後は覚悟を決めた斬撃波の前に敗れ去ってしまう。チャーミング・フィールドは劇中に登場していない。エリカ以外のプリンセスにはあまり興味がない。アンバーが最初にプリンセス・クルセイドから脱落させた相手。

 どんな人にも自分を想ってくれる人がいるし、できることがある。彼女は勇気を持ってそれを示してくれたわ。

 タンザナ

 ――「……おそらくは3日ほど、何も食べていなくて……」「覚悟しなさい……サイだけに!」

 謎めいた雰囲気を漂わせる不可思議な女性。髪の色は薄紫。エアリッタの職人街で行き倒れていたところをアンバーに救われ、それ以来彼女に付き従う。言動が不安定で、時折訳の分からないことを口にするが、魔力が高く、高等魔術も難なくこなしてしまう。ジェダイトがアジトとしていた屋敷に潜入する際、普段よりもさらに様子がおかしくなり、イキシアを戸惑わせたが、結果的にアンバー救出の大きな鍵となった。聖剣からは、様々な動物を召喚することが可能。チャーミング・フィールドはジェダイトのアジトと酷似した屋敷。魅惑的なボディの持ち主でもある。

 アレクサンドラが逃げ出したのは、彼女と闘った直後で間違いないでしょうね。その闘いの中ではヴァンパイアが出てきたみたいだし……かなり謎の多い人よね。

 謎の少女

 ――「私が探していたのは、そのヴァンパイアです。私はヴァンパイアハンターですから」

 エアリッタとサンドベウスの境にある酒場を訪れた謎の少女。自らをヴァンパイアハンターと名乗り、架空の存在であるヴァンパイアが実在していると信じているらしい。

 ヴァンパイアなんていうものは、本や演劇でしかお目にかかれない、空想じみた非現実的な存在……私も、かつてはそう考えていたわ。


 さて、今日はここまでにしておきましょうか。これから先、物語がどう展開していくか、本当に楽しみよね。これからも機会があったら、この私、インカローズが皆さんに色々と解説するわ。
 では、またお会いしましょう!

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