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プリンセス・クルセイド

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王子の結婚相手を決めるため、少女たちは剣を取る。剣と魔術で闘うファンタジーです。
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2017年10月の記事一覧

プリンセス・クルセイド #4 【戸惑いと友情】 6

 チャーミングフィールドから帰還したイキシアは、しばらく立つことが出来なかった。片膝を突いたまま、無言で自らの足元を見つめる。

「王女、立てますか?」

「……放っておいてください」

 視界に割り込んできたメノウの手から、イキシアは顔を背けた。敗者として潔くないことは分かっている。しかしそれでも、その手を取ることはできなかった。彼女はそのまま頭を項垂れるに任せ、敗北の味を噛み締め続ける。

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プリンセス・クルセイド #4 【戸惑いと友情】 5

 チャーミング・フィールドに降り立ったイキシアは、まず自分の剣を確認した。柄の部分に色とりどりの宝石が散りばめられた聖剣。はっきり言って、彼女の趣味ではない。その剣を一旦鞘に収め、今度は辺りを見回した。そこは穏やかな風が吹く草原で、空には星の海が広がっている。

「これが……あの方のチャーミング・フィールド?」

 イキシアはひっそりと独りごちた。あまりにシンプルなフィールドだ。視界は地平線が見え

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プリンセス・クルセイド #4 【戸惑いと友情】 4

 イキシアは目の前に立つ赤毛の少女の背中を睨みつけていた。まだ顔すら見ていない彼女に、恨みがあるわけではない。それどころか、この少女は今しがたイキシアの危機を救ったところだ。

 イキシアの鋭い視線の原因は、彼女の心の中にあった。前回のプリンセス・クルセイドを終えて以来、どうにもすっきりしない。原因ははっきりしている。エリカの破れかぶれにも近い猛攻を防ぎきった最後の一手。突然現れた光の剣のせいだ。

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プリンセス・クルセイド #4 【戸惑いと友情】 3

 まだ日も登り切っていない早朝の石畳の道の上を、アンバーは後ろめたい思いをしながら歩いていた。目の前には先導する赤毛の少女の後ろ姿。彼女の足取りは早く、アンバーも自然と早足になる。まるで何かから逃げているようで、後ろめたい思いがさらに強くなる。

「……王女は君の所に泊まっているのか?」

 不意にメノウが背中越しに話しかけてきた。

「はい……そうですけど」

 アンバーは返事をしつつも、足を懸

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