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【詩】猫と去りゆくきみの力強い命そのもの

今日もあの子はぼくを待ってる
ぼくをみると速足でやってきて
足のところであいさつをする
そしてぼくの出す魚をたべるんだ

震えながら丸い頭をうごかして

目を輝かすようにしてたべる姿は
命のひかる煌めきをちらちらとみせる



今日まさに消えようとしている風前の灯が
家に帰るとぼくを待ってる

薄く淡い霧のように千切れながら
命の粉塵をふりまくように
息をしている

宙を漕ぐ手は
動きをだんだんと
止めようとしている

力なくどこかを見ているのか
もう見ていないのか

生まれ出た命が
去っていく間際
細く繋がれた糸でつなぐ
この世界でのいのち



どちらの命からも
強くかんじられるのは
激しくぶつかる命の激流

命そのもの

ひかる
鼓動の
抗うことなく
瞬時に進む
まっすぐな力力力

文化によって遠ざけている
圧倒的自然

そしてぼくのなかにも流れる川

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