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読書感想文〜国語入試問題必勝法〜

私が通っていた高校は
1学年10クラスありました
2年生になると理系と文系に分かれます
文系が8クラス
理系が2クラスとなり
その後2年間クラス替えなく過ごします
文系の8クラスの中
1クラスだけさらに
専門性に特化したクラスがありました
それは「歴史クラス」となるものでした
授業の中で「地理」が排除され
日本史と世界史のカリキュラムが
怒涛に組んであるクラスです
私はその歴史クラスに在籍していました

その時に出会った日本史の講師の先生が
とてもユニークな先生で
大学付属というぬるま湯の中の生徒に
わざと「東大の入試問題」を
期末テストに出題し
クラス全員に赤点取らせて
校長に呼び出され
怒られてたりしていた先生でした

小山先生と言いました
小山先生は歴史組だけで大人気の先生で
授業の面白さもさることながら
名言もたくさんありました。
普通の私立大学にエスカレーターで
進学する私たちを
哀れんでなのか
小馬鹿にしてなのか
励ましていたのかわかりませんが

「日本の大学は2つに分ける事ができる!それは東大とその他の大学だ!だから君たちは悲しむことはない!東大じゃなければ慶応や早稲田と一緒という事なのだから!」

先生のこの話の根拠は
図書の数だと言っていました。
圧倒的な蔵書の数は東大だと。
なるほどなと。

その歴史組だけで大人気で
他のクラスではめちゃくちゃ嫌われていた
小山先生が
ある授業の日プリントして配った短編が
この「国語入試問題必勝法」でした
今日の感想文です

清水義範 『国語入試問題必勝法』

パロディスト清水義範による
1990年に初刊の最高傑作短編集

<目次>
・猿蟹合戦とは何か
・国語入試問題必勝法
・特別食堂の特別料理
・靄の中の終章
・ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮
・いわゆるひとつのトータル的な長嶋節
・人間の風景

高校生の私は
この時読んだ
『国語入試問題必勝法』という作品に
ハマってしまい
あれから25年
思い出すたび読み返してしまう

しかし40歳を過ぎた今
やはり感覚が変わってきているのがわかる
当時面白かったこの作品は
今読むと
微笑ましく思うぐらいになった。
内容が受験勉強の話なので
当時高校生だった私には
深く刺さったのだ
そういう意味で
学校の先生というのは
選本屋としての才能があると
本で人を教育するという面で
かなりの能力を発揮するということなのだろう

それでも清水義範は天才だ
大人の私が読んでも
感動する作品が他にもある

ここで
「人間の風景」
という作品を紹介したい

<粗筋>

官能小説家の主人公が
義理の母親にあるお願い事をされる
その内容は
通っている老人会のお仲間で
元新聞社の男性が
ゲートボールだけでなく
文化的活動もしようという発案をする
そこで選ばれた
他3人の高齢男性と共に
『リレー小説』というものを書いて
自主出版することになったのだ
ついては義理の息子が小説家だといったら
その作品を本にする前に
1度プロに読んでもらいたいという依頼だった
快諾した主人公は
4人の老人が
1人原稿用紙20枚という
素人には超絶敷居の高い枚数で繋がれた
小説を読んでいく物語。

<感想>

とにかく死ぬほど笑える。







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