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読書感想文〜火花〜

最近の読書が作家さんのデビュー作が
なぜか回ってくる時節だった
ふと本棚を見ると
下段右端に
芥川賞受賞作品の火花が目に止まった
正直、最初に読んだときに印象が全くなく
二作目の「劇場」の方が面白かったなぁだった
しかし、今はデビュー作な時節
何年か振りに再読しました
今日の感想文です

又吉直樹 「火花」文藝春秋

<あらすじ>

お笑い芸人2人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師をして慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。
神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!

<感想>

この作品は2015年初版なので
私が最初に読んだのはもう5年前だ
今回再読した感想が自分の中で
全然違った印象で驚いた
作品は変わってないので
変わったのは間違いなく私の方だ
又吉先生はデビュー作に
一番本人が理解している世界観を当てて来た
その中に本人の哲学がこれでもかと
散りばめられていて
その作風や散りばめ方は完全に
又吉先生のインプットの賜物であるのが
ところどころに見て取れた
5年前の私は
それこそ東野圭吾などミステリを好んで
読んでいたのかもしれない
読書家でもなく
単純に読書が趣味の人で
今よりもずっとエンタメ小説を好んで読んでいた
今回この「火花」を読んで
自分の読書家としての成長に驚いた
やはり小林秀雄の言う通りだ
本は読み方も大事だ
そして1人の作家の全集を読むべき
との言葉が響いた
私は早く遠藤周作を読み漁らねばならない
「火花」には又吉先生が熟読してきたであろう
たくさんの純文学が本人の中で形を変え
本人の言葉となって文章で出ていた

こんなに面白い作品だったのか
最初にわからなくてごめんなさい
「読者に伝わるように書く」ことは
学校でも本当に大事にされる点だが
でもやはり小説は最低限文学の要素がなくては
ならない気がするのだ
そこには哲学だったり心理学だったり
読み手に少しでも何か残せるような作品が良い
でも又吉先生は次に「劇場」を書いてるわけで
「読みやすさ」「わかりやすさ」
のレベルを上げたわけで
両方できるようになるのがプロの作家なんだな
「劇場」も来週読み返してみようと思う
とにかく気づきが多かった

私も成長していて良かった!!

良い時節でした!



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