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読書感想文【名画と読むイエス・キリストの物語】中野京子

<イエス・キリストのおおまかな生涯を知った上で西洋名画を楽しみたい。そう願う人のための、これは手引書を目指した>
ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』やベラスケス『キリストの磔刑』をはじめ、レンブラント、ルーベンス、グレコなど43点をオールカラーで収録。

今年の春から教会の入門講座に来ている女性が
貸してくださった本
この本を読んでキリスト教に興味を持ち
教会の勉強会に通い始めたという

かくいう私も
3代目(J soul)クリスチャンだと
常々、至る所で公言しているが
世襲とはいえ
私も洗礼を受けたのは1冊の本がキッカケだった

家がキリスト教であるので
ぼんやり自分もキリスト教だというのと
洗礼を受けてキリスト者になるとでは
もちろん心持ちは随分と違う

それでも脈々と受け継がれた
DNAレベルでのキリスト教的教育や
幼き頃から目の当たりにしてきた
信仰生活があるため
「洗礼を受ける」というのは
自分の立ち位置をはっきりさせた感じに近く
「いよいよ、家系の線路に乗ったな」との実感

アイデンティティをより確固たるものにする
ひとつであり
世襲であることは
家系の道を違えるのではなく
なぞりに行くことなので
「洗礼を受ける」と言えば
親、兄弟、親戚中に祝福される出来事である

なので私は今までのらりくらりと
かわしていた人だったのに
「洗礼を受ける」との一言で
近親者から祝福の嵐だった
私にとって茨の道を歩むものではなく
「こんなに喜んでもらえるなら
もっと早く目覚めりゃ良かったな」案件だった

だけどそうでない家から
キリスト教徒になるということは
なかなか難しいことの方が多い話を聞く
毎年いろんな人が入門講座にやってきて
キッカケを教えてくれる

家族の反対はもちろん
今までの家系の信仰から外れることになる

私と同じように「本」をキッカケに
「洗礼を受ける」決意をした彼女だが
世襲ではないので
きっと私とはだいぶ違う環境なのだろうなと推測

そんな難しい色々を乗り越えてまで
彼女の心を動かした本は
どんなものだろうと思い読んでみた

キリスト者じゃない人の方が
キリスト教にめちゃくちゃ詳しい!


という私の経験的データがある

私なりの考察としては
キリスト教徒ではない人で
キリスト教にめちゃくちゃ詳しい人というのは
「興味」から入ることが多く
歴史や成り立ちや
それこそ西洋絵画などから
勉強してくるからだと思う
本当にビックリするぐらいみんな詳しい
逆に世襲クリスチャンは信仰生活が1番大事なので
キリスト教が歴史的にどうだったとか
絵画で宗教を学ぶということがないのだと思う

聖書はよく読んでいるので
絵画も見たらどの場面かわかるし
歴史も他宗派含めて
そんなに興味がないんだと思う
要するに矢印が逆なんだという結論

<キリスト者>宗教→絵画や歴史
<その他>歴史や絵画→宗教

なので私がなんとなく大事にしている
「信仰生活」や「祈り」と
外からの人との「興味」が一致するまでに
少し時間がかかるんだろうなとは思うが
本当にみんなめちゃくちゃ勉強しているので
これで信仰を持ったらめちゃくちゃ真面目な
キリスト者になるのは外からの人な気がする

でもこれは全てのキリスト者が生涯かけて
求めていくものだと思うので
入り口は違えど
同じ信仰を持ったならば
それぞれが色々学びながら
その道を共に進んでいけたら良いと思う
なんせ、日本では100万人に1人だからね
はぐれメタルだよ、はぐれメタル

長くなりましたが
中野京子さんの作品を読んで
こうしてたくさんの事を考える事が出来た
著者の中野さんもキリスト者ではないため
わかりやすい「イエスの人生」で楽しめましたが
聖書引用箇所が古語でさらに注訳無しなのは
文章の雰囲気には良い作用かもしれないが
読者には少し不親切だなと思った

ともかく
誰かの人生を変える1冊というのは凄い
私のキッカケの本はキリスト世襲の遠藤周作で
彼女のキッカケの本はキリスト者ではない
中野京子というのも面白い
立場や背景が似ている方が刺さるのかもしれない

そしてかの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの
『最後の晩餐』はダヴィンチの
時代的な創作なので
あのような晩餐の姿ではないのよ
という事だけ
私の渾身の図説つき記事を付け足しておきたい↓


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