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文豪の小説を丸写しするコーナー第1弾

今日はちょっと変わった読み方をしました。
普通の読書でも
もう何回も読んでいる作品なのですが
今回は人生初の
頭から小説を丸写ししてみました!

全255ページ。
毎日決めた文字数を打ち込んでいき
約2ヶ月かかりました。
どうしてこんな事しているかは
また月末のマガジンに書きますが。
(書いたので追記します↓)

遠藤周作 『わたしが・棄てた・女』 講談社文庫

**<あらすじ> **

大学生のころ
「ぼく」こと吉岡が
体を奪ってゴミのように棄てたミツは
田舎者で、無教養で、無垢な女だった。
吉岡は社長令嬢との結婚を決めた。
一方、ミツは孤独な生活に耐えつつ
彼を待ち続ける。
冷酷な運命にもてあそばれながらも
人を信じ、愛し、純粋に生きた女。
その短い生涯が教えてくれた。
愛とは何か。

<感想>

この作品の好きなところが
大学生の吉岡って
どこにでもいる男子で
お金がほしい
女がほしい
普通のありふれた若者の欲望を
持っているだけなんです。
そこにたまたま出会った女を
言いくるめて一晩を共にして
でもヤリたいだけだったから
付き合う気はなくて
そのまま連絡を取らないんですよ。
そんな男は5万といるし
そんな目に遭う女も5万といる。

遠藤周作はそのありふれた男女の点に
フォーカスして
交わった後の男女の人生を描くことにより
何も考えずに交わった人生も
お互いが人生に少なからず作用しているんだ
ということを示している気がするんです。

人生の中で
私を棄てた男もいたし
私が棄てた男もいたと思います。
その後の人生
みんな幸せだったら良いですが
誰かが知らないうちに
とてつもない不幸になっていて
その一因が自らの影響があるとしたら
考えたくもない案件になります。

この作品はもちろん
「愛」とは何かがテーマなのでしょうが
私には人が人と出会い
時間を共有する事は
偶然であろうが
縁や意味があり
それをないがしろにすべきではないという
教訓なような気がしてならないのです。

この間、記事にした
読後感が死ぬほど悪い
「彼女は頭が悪いから」と
意外と似ている気がします。
題材がかなり違うので何ともですが
結局、人間交差点の前後という見方としては
私は同じような作品かと思います。

遠藤氏は男性なので
男を馬鹿に女を聖女よりに描いている
気がしますが
私は女なので
多少の自己責任論も燻ります
そんな所もこの2つの作品に共通する
テーマなのかなと。
いや、もっとちゃんと考察できるな。
ツラツラ書いてしまいましたが。

一方は読後感最悪な作品で
一方は100万人が涙したと帯に書かれる作品。
小説って本当に面白いなと思いました。


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