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「納豆」

最近、納豆が身体に良いという文言をSNSでよく見かける。
この定説はテレビや雑誌をはじめ昔から定期的に謳われていたと思う。
今日は納豆の話である。

どうやら納豆はシンプルに食すのみならず、何かを組み合わせると掛け算の法則で肌やら内臓やらが健康になるという。
元は豆を腐らせて作っているものがそこまで化けるのだから、たぬきもびっくり!てな具合だ。
活き活きとした刺身や生物より健康的なのだ。皮肉なものである。

人間は納豆が好きか嫌いかで2種類に分かれるが、私は納豆が好きな方の人間だ。
昔から食卓のど真ん中には納豆2箱分が混ぜられた皿がどんと置かれ、そこにオクラやエノキが日替わりに入っていた。
米の上に乗せて、味噌汁の汁だけかけた「納豆汁」は我が家で人気だったのも覚えている。
周りの家に聞いても納豆汁が存在する家庭は無かったので、オリジナル飯だったのだろう。
納豆とは厄介なもので匂いがきつい為、家族で誰か独りでも嫌いな人が居ればすぐに距離を置いてしまう食べ物だが、幸い家族に納豆嫌いは居なかった。
幼少期納豆を食べまくったおかげで、今では薄着で昼寝をしても風邪を引かないほどに健康体である。

しかし困ったことがある。
私は納豆が好きだという事実を、すぐに忘れてしまうのだ。

例えばスーパーで納豆が目に入っても、
納豆は臭いというイメージが先行し、なんとなく手が届かない。
しかしいざ買って食べると美味しい。
2箱目いこかな?というくらいモグモグいける。

朝ご飯に納豆を食べようかな?と頭に過っても
なんとなく食べる気にならず、結局コンビニでパンを買ってしまう。
混ぜずに食べても美味しいのに、
面倒臭い気がしてしまうのだ。

どうやら私の中で納豆を連想するキーワードがマイナスプロモーションのようである。
そして私はまんまと引っ張られている。
よく考えれば臭いし、もずくみたいに開けたらすぐ食べれるわけでも無いし、
前提を覆した美味しさなのだから忘れてしまうのも無理はない。
全ての条件が黒なのに、4隅にある味だけが白なのだ。
奇跡的勝利、である。

はたまた納豆が美味しいということを忘れて、妙なことをしてしまうこともある。
例えば冷奴の上にかけると美味しいらしいと聞いてかけてみたり、
卵を混ぜると美味しいと聞いて、混ぜてみたり。

そして思う。
シンプルに食べるのが一番美味い。
あ、勿論薬味とか元々米に合うああいうやつは別格だ。
米に合う×米に合うものが微妙だった記憶は一度も無い。

最近また私は納豆を買っていない。
肉とか野菜の料理なんかはなんとなく味を思い出して食べたくなるのに、
納豆の味を思い出して購買意欲にそそられることが殆ど無いのだ。
本当は美味しいというだけで好きでは無いのかもしれない。
果たしてそんなことはあるのだろうか。
冷蔵庫のメモに「納豆」と書いておいた方が良いだろうか。
もしかして書い忘れ防止のメモと錯覚して、スーパーで手が伸びるかもしれない。
そして私はまた懲りずに納豆をチャーハンにしてしまったりチーズを混ぜたりしてしまうのだ。

皆さんは納豆が好きだろうか。
「シンプルに食べるより美味い」組み合わせがあるのならば
是非とも教えていただきたいものである。

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