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ときめきが聞こえなくても良いじゃない


幼少期からお笑いスパルタ教育を受け続けた賜物なのか、
少女漫画や恋愛映画で
なかなか心踊らない大人になってしまった。

何せ、人生で初めてファンレターを書こうと思った相手は
よしもと芸人の次長課長である。
手紙を書いて、結局送らず仕舞いで封印してしまったが、
小学生にしては我ながら渋い選択であっただろう。

ジャニーズやアイドルを追いかけた記憶もない。
私の成長過程で養分として得たのは
ときめきではなく、笑いであった。

そんな少々癖のある育ち方をしたものだから、
友人同士で盛り上がっていた少女漫画の良さに
全く共感出来ない学生時代だった。
周りでキャッキャと推しメンなるものを発表している中、
私は半笑いで知ったような知らないような
中途半端な顔を作ることしか出来なかったのである。

恋愛映画も然りだった。
ときめきを狙って作られた作品は大体『過程』に重きを置いていて、
重要なのは主人公の言動だったり、配役だったり。
誰と誰が結ばれるのか、と言う『結論』は
大した問題では無いのである。


正直に言うと、私は進んで恋愛映画に足を運ぶタイプでは無い。
学生時代、それが女子としてカッコいいことだと思っていた。
だけどその偏りは、もしかすると格好悪いのでは無いだろうか。
全てが好きじゃ無い、筈が無いのである。


そうしてなるべく広く目を向けて、初めて出会えた作品たち。
幾つになっても、新しい発見は果てしなくある。
今日は満を辞して私のような趣向の人々に、
好きな漫画をお勧めしたい。

以下、そんな私が買い揃えた漫画のラインナップだ。

・『君に届け』/椎名軽穂
・『となりの怪物くん』/ろびこ
・『逃げるは恥だが役に立つ』/海野つなみ
・『ハチミツとクローバー』/羽海野チカ

偉そうに前置きした割に有名どころを集めているので
期待に添えなかった場合は申し訳ない。
ただ私には一応ながら、漫画を買うにあたっての自分の中でのこだわりがあり、
それを分析した結果、以下の共通点が存在することはここに述べておこう。

第一、
主人公がスーパーイケメン、もしくはヒロインが何故かモテるドジっ子では無いこと。(即ち、男女主人公が対等な立場であること。)

第二、
必ずしも恋愛ばかりを追っていないこと

上記2つをクリアした作品こそ、私が求めている『結末』に重きを置いた恋愛作品が多い傾向にある。
これに加えて主人公以外の登場人物もしっかりと調理されている作品は尚良い。

先ほど例に挙げた4作品は大体全てクリアしているのでは無いだろうか。
(君に届けは若干1が外れているが、その他2つでしっかり補っているので
最後まで楽しめた。)

私的にこの要素が最も詰まった漫画は、やっぱり王道ながらも
【ハチミツとクローバー】だと思う。

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何が良いって、少女漫画のときめき好きな人も
私のようにストーリー重視の層もどちらも楽しめる要素が詰まっている。

台詞はいちいち心臓に刺さって胸が痛いし、
最後まで誰が誰と結ばれるのか分からないように構成も作られている。
ときめきも忘れず、また恋愛だけでなく学生の夢や大人の儚い過去まで、
登場人物の無駄遣いをすることなく描いているところは
拍手で敬意を表す程の精密さである。


本当は『となりの怪物くん』だったり他の作品にも
語りたい部分はあるのだが、それはまた別の機会に取っておく。


とはいえこのジャンルの作品にはまだまだ疎い。
私の経験値では、ハチクロを超える作品は未だ見出せていない。
これ以上に3つの条件が揃った漫画があるとすれば
是非教えていただきたい。
本屋まで走るか、某ネットショップで即購入する所存である。




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