イノシシの背中と裏山が燃えた日
私が小学校一年生だった頃だろうか。裏山が燃えた。今もあの日の光景を一部始終はっきりと蘇らせることができる。
あの日は風がとても強かった。最初は裏山から煙がくすぶってきたのが、みるみるうちに火がメラメラと燃え上がり、さらに強風を受けて、炎はあっという間に広範囲に燃え広がった。裏山のあらゆるものを轟々と音をたてて、炎が飲み込みはじめた。
近隣の住民も総出で消火活動にあたっていた。生まれて初めてみる大規模な火災。幼き目に映る、赤々と燃える巨大な炎。強風にあおられて竜のように動き