〈アカリさんのような反省はありますか?〉
どの本に書いてあったのか探し出せなくてもどかしく思っている文章の一節がある。それが今とても気になって仕方がないので、原典に当たれないまま、曖昧な記憶に従ってここに書き出してみる。
それは、大江健三郎の小説で、主人公(ほぼ作者)が四国のお母さんと話をしている場面。お母さんが主人公に向かって、以下のような発言をする。
「あなたは(障害をもって生まれた)孫のことをあれこれ書くけれども、孫は(その内容がもし「違う」と感じたとしても)それに対して異議申し立てをすることができない。その