26-3 梅すだれ 紀国雑賀/木花薫
寺へ着くとお滝は以前のようにお桐の隣に座った。お桐の向こう隣に座っているお孝がお滝を見てうれしそうな顔をした。お滝が「おはよう」と声をかけると「おはよう」と返したのだが、その声の大きさにお滝は驚いた。お孝は無口で声も小さい。お桐とは喋るがお滝と話すことはほとんどない。そのお孝から歓迎するような挨拶をされてお滝はここにいていいのだと、居心地の悪さが消えたのだった。
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