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26-4 梅すだれ 紀国雑賀/木花薫

それからというもの、お滝は寺小屋へ行くのが楽しくなった。墨絵を一日中描けるのだ。ほかの子どもたちが暗唱をしようとご院主の話を聴こうと、お滝はお構いなしに墨絵を描き続けた。ご院主もそんなお滝を咎めることなく、むしろ「境内に咲いている花を描いたらどうや?」と勧めるものだから、お滝は益々墨絵を描くことに熱中できた。

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