見出し画像

アラ80のお元気さに感服した俳句

冬薔薇着信音は聞こえずや

季語 冬薔薇(ふゆそうび)/下五に切れ字のや

「や」は上五に使う切れ字なので避けるとこうなります。

冬薔薇着信音は聞こえない

 こっちもいいかなと思いますが「聞こえずや」も好きです。

 俳句の説明をいたします。冬に咲く花「冬薔薇」をアラ80の元気さに例えています。先日更年期に入りましたクロウサはアラ80の先生と生徒さんたちに交じってエプロンを作りました。そのワークショップ中に後ろに置いてある鞄の中の携帯が激しく鳴ったんです。鳴り続けていても誰もとりに行かないので「携帯鳴ってます」と先生にお伝えしたところ「え?」と先生も生徒さんも「何を言っているの?」と怪訝な顔をされました。それが聞こえていたのはクロウサ一人だけだったんです。ところが実はクロウサは20代のころから「携帯鳴ってるよ」と友達に教えてもらって生きてきてます。そうなんです。クロウサも高い音が聞こえないんです。なので携帯の着信音は「どどどど」とゴジラが出てきそうな低い音にしています。

 この着信音が聞こえない騒動の後、アラ80の皆様の話題はお年のことになりました。そして「車に乗って来れるから私たちはまだ若い」と結論付けていらっしゃいました。このワークショップの場所は車がないと来られないところだったんです。お稽古には自転車で通うクロウサであっても、この場所だけは車で行かざるを得ません。人里離れた辺鄙な場所にあるからです。

 アラ80の皆様が「私たちはまだ若い」と笑っていらっしゃったのは当然なんです。めっちゃ元気な皆さまでしたから。エプロンは5mのバイアスをつけなければなりませんでした。これをワークショップの2時間で成し遂げることは不可能ですからしつけをして残りは家でするという段取りになっていました。しかしクロウサはお姉さまたちのおしゃべりを聞きながら黙々と縫い続けたにもかかわらず、しつけも終わりませんでした。絶え間なくしゃべってトイレにも行って作業を中断していたアラ80のお姉さまたちは終わってました(´;ω;`)。縫うスピードにまったく太刀打ちできなかったんです。

 帰宅後、御年80歳のお爺様に80代の先生&生徒さんたちがいかに若々しかったかを話しました。正座もできないお爺様のお顔はとっても悔しそうでした。そのお顔を見るとますますヒートアップして80代の元気さを話し続けたクロウサでございます。そうしたところ、お爺様の不屈の精神が芽を出し花を咲かせたんです。ある朝のことでした。突然こう言ってきたんです。
「正座ができるようになってきた」
 毎日パソコンの前に座り込みゲームを楽しんでいらっしゃるお爺様ですが、なんとゲームをしながら正座の練習をしているそうなんです。そしてその成果が出てきたというのです。(それはすごいではないか!)とクロウサは驚きました。しかし声には出さず胸の内にしまいました。お爺様が正座をするところを見たわけではありませんから。褒めるのはまだ早いと本能が抑えたのです。

 それはさておき、アラ80はなぜこうも元気なのでしょうか。自分が80歳であんなに元気でいられるのだろうかと、その年まで生きてることにも自信がありませんからどうやったらあんなに元気でいられるのかと不思議になるんです。

冬夕焼練習実りまた正座

季語:冬夕焼(ふゆゆやけ)

ほかの季節よりもより赤く美しく染まる「冬夕焼」をお爺様の不屈の努力に例えました。

季語一つ、動詞ひとつ。表現しきれているか率直な感想をいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。(o*。_。)oペコッ

小説「梅すだれ」を連載中です!皆様の支えで毎日の投稿を続けられています。感謝の気持ちをパワーにして書いております!