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夫婦のキャリア形成と転勤問題|帯同?単身?家族は一緒にいるべき?

私の父は転勤が多かった。
専業主婦だった母と、私達家族は父の転勤に合わせて転居を繰り返した。

結果、私は小・中合わせて5校通う事となった。

当時は専業主婦家庭も多く、帯同するのは普通だったように思う。
しかしながら、父の転勤に合わせて転居した先での生活に慣れるのは、まあまあ大変だった。

私は、方言が恥ずかしくて暫くしゃべらなかったり、次の転校に備えて友人とは一定の距離をおいたり。中学では地理と歴史を履修する学年が異なり、地理か歴史のどちらかは、結果的に独学+塾で学ぶ事となった。

ー共働きで未成年の子供のいる現在、転居を伴う転勤は大問題である。

■転勤の恐怖に悩んだ独身時代

結婚してこの転勤問題が付きまとう事は、女子の悩みの種であり、女子会の主話題の一つであった。実際、弊社女性社員の離職理由のトップに君臨してたよう。

■結婚後の転勤への備えと覚悟

結婚後、私達は今後起こり得るであろう転勤に備え、話し合ってきた。
お互いのキャリアを尊重すると、転居を伴う転勤が必要な場合は「単身赴任」としたい、といった考えにいたった。

■最悪のタイミングでやってきた転勤問題

子どもに恵まれなかった私達は、約1年の妊活+不妊治療の末、尊い命を授かった。毎日、お腹にもう一つの命を育んでいる事を重く受け止めつつ、期待と不安な日々を過ごしていた。

そんな妊娠中の不安定な時期に、夫に転勤の内示がでた。

前述のように、私達に思い浮かんだのはまず「単身赴任」である。

周囲からは「ついていかないの?」とか「長い育休とってついていったら?」などと言われる事もあったが、知り合いもいない不案内な土地に、短期間わざわざ引っ越し、初めての乳児育児の状況でインフラの整備を一から始めるのは、気が重い。

仕事が好きだった私は、休職ブランクは長すぎない方が良かったので、育休中は育児と共に、自宅にて復職の準備を行いたかった。

■乳児期の単身赴任~想像以上の大変さに絶句

無事に出産し、少なくとも平日は、私と長女の2人だけの生活が始まった。

先輩ママさんにいくら「大変よ~」と言われてもピンときてなかった私は、身に染みて大変さを嫌というほど思い知る事となった。
「出産が一度で済むし、育児も一気に進むし、かわいいから双子が欲しい」などと言った、浅はかで能天気な過去の発言を撤回したい。

朝は天使も、夕刻には小悪魔、真夜中は大悪魔と化す産まれたての小娘に翻弄され、私はすっかり疲弊してしまった。

そして、一緒に嬉しさ、楽しさ、大変さを分かち合いたい夫は隣にいない。

復職後の熱発による呼び出し対応、病児対応全て1人で行わなければならなかった。といっても、当時は夫がいても、妻のみが対応しているというのは良く聞く話だったが。

■親の都合で子供を振り回して良いだろうか

現在、夫の単身赴任問題は解消されているものの、夫婦共に今後も転勤はあり得る。

次女が4歳を超えたあたりから、急に育児は楽になってきたために、乳児期の大変さはもはやない。そのため、次の単身赴任はもう少し上手く対応できるかもしれないとは思う。

悩ましいのは、夫婦共に別々の土地へ転勤となった場合である。その時は今の自宅を離れる事も選択肢として考える必要がある。その場合、どちらかに子供達を帯同させ、子供達が築き上げたそれぞれの居場所を壊してしまう事になる。

親の都合で子供を振り回して良いのだろうか、と悩ましい。

自身の納得と共に家族の賛同が得られなければ、断る、辞めるを検討せざるを得ないと思う。

■転勤は必要?

メンバーシップ雇用型であれば、「全国転勤あり」が明記、明記されていなくても暗黙の了解であったりする。

社内の異動には、キャリア形成、栄転、左遷、人手不足、ローテーションなど、様々な理由があるように見える。
プロジェクトが終了した後の行先、適性に応じた配転先が存在するのは、ありがたい事とも思うし、潤滑に仕事を回すための人の配置は重要である。

「転勤の必要性」を理解しつつも、自身のワークライフバランスを天秤にかけると悩ましい。

とはいえ、私はこれまで配慮されてきている可能性もある。それはそれで、周囲がどんどん異動する中での取り残され感があったりする。「贅沢言うんじゃないよ。」と言われそうだが、複雑な思いである。