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偉いのは誰?|リスペクト・トレーニング

①日本で一番偉い人

先日、総理大臣がテレビにでていた時、夫と娘が以下のような会話していた。

娘「この人誰?」
夫「日本で一番偉い人だよ」

「総理大臣=日本で一番偉い人」これは合っているだろうか?

②会社で偉い人

入社まもない頃、係長と課長のおっしゃる事が異なる事があって、私は混乱していた。

課長は私に「どっちが偉いと思ってんだ」と。

課長の方が偉いのは本当だろうか?
建設的な係長の意見より、腑に落ちない課長の意見の方が正しいのだろうか?

■偉いのは誰?

「偉い」には「社会的地位や身分などが高い」という意味を持つ。
日本で一番偉い人」と検索すると「天皇陛下」という答えが多い。確かに社会的地位、身分が最も高いので、そのように理解される。

【偉い】
1 普通よりもすぐれているさま。
㋐社会的地位や身分などが高い。「会社の―・い人」
㋑人間として、りっぱですぐれている。「苦労しただけあって、―・い人だ」
2 物事の状態が普通ではないさま。

デジタル大辞泉

では、課長は係長より偉いだろうか?

「偉い」の意味の一つである「社会的地位や身分が高い。」に当てはめると確かにそうかもしれない。辞典の引例にも引用されている。

しかし、以下の記事を参照するに、

「役職は上下関係のような「地位」を示すものでない」
なので、「偉い」というよりは「判断に責任を持つ役割を担う人」と見る方が良いように思う。

課長には係長や担当には見えない視点や経験、部長からのプレッシャーもあっての意見であり、役職が上の課長は、発言に責任を持つ役割を担っているはずなので、課長の意見に従うべきと理解される。

しかしながら、あまり説明せずに「偉いか、偉くないか」で従わされると、自分の言葉で説明する事ができないので、発言に責任を持ってくれるのだろうか?と不安に思う。

それぞれの立場の意見も尊重し、丁寧な伝え方をして欲しかったなーと思う。

■ハラスメントとリスペクトトレーニング

最近、「リスペクトトレーニング」というものが存在する事を知った。以下の記事に紹介されているように、ハラスメントの防止に対して効果を発揮するとされている。

社会でも会社でも、立場が上の人を敬い、立場が上の人の意見が尊重される傾向にあるが、立場が上の人が「私は正しい」と思い、他者の人権を尊重しなくなった時に「ハラスメント」となるようだ。

私自身、社会にでてから、数々のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マンスプレイニングなど)に悩まされてきた。これらの問題に対し、「取り締まりを強化」された事で、少なくなってきている事は確かである。

一方、「取り締まりを強化」して、ハラスメント「確定」事象が少なくなったとしても、腹落ちされていない感は、言葉の端々に表れる。
やはり、悲しい思いをする。

「リスペクトトレーニング」は、ハラスメントとまでは行かなくても、周囲の人に嫌な思いをさせず、嫌な思いをしないために、効果を発揮するように思う。

私自身も、子供やその他自分と背景が異なる人たちに対して、しっかり「リスペクト」できているだろうか、と問われると不十分であると思う。

上手に「リスペクト」ができ、立場の違いにも尊重を示す事で、周りの人達への接し方、見られ方は随分変化するかもしれない。

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