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将来はアイスクリーム屋さん

こねこです。

最近は暇を持て余しています。最高に贅沢です。口頭試問の準備、全く進んでいません。なのに推理小説ばかり読み耽っています。誰か私が勉強に集中できない理由を推理してくれ。

そんなことはさておき、昨日暇すぎてずっと放置していた写真の山をアルバムに収める作業を行いました。その最中に、幼稚園で書いた文集のようなものを発見し読んでみたところ、私は将来アイスクリーム屋さんになりたいと回答していました。確かに、私は幼稚園の時に先生からのインタビューでそう答えたことを覚えています。しかし、まあ、そんな夢は卒園したらすっかり忘れてしまいましたが。

小学校の時の夢は建築家でした。家のデザインをするのは絶対楽しいだろう!という安易な考えからです。やがて、公認会計士の方が安定して儲かるのでは?と思うようになりました。でも、私には絶望的に数学センスがないことに薄々気が付き始め、やがて文系の仕事を目指すように。

そう、中学卒業時点の夢はジャーナリストでした。ここから先は誰にも打ち明けていませんでしたが、戦場ジャーナリストになりたかったのです。

人間不信になり、生に無頓着だった私。日本の政治に嫌気が差し、日本なんて滅んだらいいと思っていた私。端的に言えば死に場所を探していました。でも、犬死はしたくなかった。意味のある死を遂げたかった。ちょうど、その時飛び込んできたのがISISの残忍なニュース。日本のジャーナリストが人質にとられ、非業の死を遂げました。不謹慎にも私はこれだ!と思いました。死に意味をもたらすのは真実だと。真実を伝えることこそが私の生に意味を与えるのだと。

ジャーナリズムは日本の大学ではなかなか学べません。私はジャーナリズムを学べる大学を探し、ある海外の大学に行き着きました。私は高校留学が決まっていたこともあり、そこを目指し始めました。しかし、いざ高校留学が始まり自己省察し日本の状況を鑑みた時、今の日本でどれだけ真実が意味を成すのだろうという疑問が湧きました。

誰も真実なんて求めていないかもしれない。ただ娯楽が欲しいだけかもしれない。真実が正しいとは限らない。真実が人を傷つけるかもしれない。報道せずそっとしておいてほしい人がいるかもしれない。そんな人を押し切って私は真実に執着できるのだろうか。

私は自分で投げ掛けた問いに答えることができませんでした。それが私の答えだと思いました。私にはジャーナリストになる資格がなかったのです。

それに、異国の地で過ごすにつれて、英語も話せないのに良くしてくれる人々の温かさに触れるにつれて、小さな世界の些細な出来事(当時の私からしたらとんでもない大きな出来事でしたが)に悩み、この生を投げ捨てるなど勿体ない!と思うようになりました。私にはなんの才能もありません。でも、私と話すと楽しいと言ってくれる人や「貴女が悲しむと私も悲しい」と言ってくれる人がいました。それで十分生きる価値のある生だと思いました。だから、私は戦場へと向けていた目を現代日本に戻しました。

今でも日本はくだらない国だと思っています。政治は一向に良くならないし、国民は朝三暮四だし……。でも、中学生の時ほど憎んではいません。多分、高校や大学で素敵な人々にこの国で出逢えたからだと思います。

私の将来の夢はアイスクリーム屋さんでした。しかし、それは溶けて消えてなくなりました。全く違う仕事に今年から就きます。全然得意とは思えません。でも、やるかやらないかで考え、やると決めました。今度こそ、溶かしやしません。踏ん張ります。

皆さんも踏ん張って。あ、でも疲れたら休んでくださいね。死んだら元も子もないんですから。

気負うことない、空気のような場所であってほしい。 記事に共感していただけたら、 サポートしていただけると幸いです。