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生みの苦しみを感じる仕事

久しぶりに本づくりで苦しんでいる。
今年は、自分の著書を何冊か創ると決めた。
今で、3冊発刊したが、相変わらず、本創りは大変だ。言い方を変えると、仕事で生みの苦しみを味わっている日々だ。

長年仕事してくると、経験が重なって仕事に慣れてくる。要するに昔取った杵柄と言う領域になると、正直、緊張感もあまりないし、手を抜くわけではないが、仕事を完結するのに、そんなに苦悩したり奮闘したりすることはない。

微妙な心持ちではあるし、四六時中では疲れるが、たまには、生みの苦しみを味わいたい。味わいたいと言うとちょっとスマートだが、やっぱり、苦しい道のりの先には成長もあるし喜びもある。

私も色々と仕事してきたが、その中でも本創りと言うのは、醍醐味のある仕事の一つである。
なぜなら、自分をさらけ出すことが基本だし、いままで蓄積してきたこと、価値だと思っていることを、白日の下にさらすわけである。
もちろん、私や私の本に関心がない人にはどうでも良いことだが、少なくとファンでいてくれたり、今まさに世の中に出そうとしているこの本で、誰かに喜んでもらったりお役に立って来たことを考えると、毎回、自然と気合が入る。
だから、なかなか、仕上がりの納得感が出てこない。
6月に発刊の本のテーマは、情報だった。
これだけだと本としてはなかなか成立しようがないが、私が本業の一つとしているITビジネスと密接でもあり、一方で、個人として生活者として人生を楽しむ上でも関りの深い部分である。
だからこそ、自分の体験談をベースに、考えれば考えるほど際限なく書きたいことが出てくる。

実は、この本は、構想10年。
実際に材料集めから始まって、素材となる文章も数年前から書きためてきた。特に、最近、毎日投稿しているブログでも情報に関するテーマは結構書いてきた。
都度整理しながら書いている訳でもないので、正直、個別のブログとしては成立しているが、それを一つの物語やノウハウ本として本にしようと思うと、思った以上に骨が折れる。

本の創り方は色々ある。
ゼロから文章を自分で書く。字数にして8万文字ぐらい。まったく更地に家を建てるイメージだ。今は、時間があれば出来なくはないが、なかなか難しい。
もう一つは、ライターさんに依頼する事である。インタビューや自分がセミナーなどで話したことを材料に書いてもらう。
今回の本は、構想と下地作りが長かった。
本気で整理してまとめられれば、数冊の本になるようなネタが豊富にあった中での、一冊の本の制作だった。
自分で全てゼロから書いたわけでなく、ライターさんに書いてもらった部分、私がブログで書いていたものを引用したり、最後の方は、ゼロから一部書いたりと。これまで知っているやり方を全部駆使したようなイメージだ。

見出し一つで悩み、目次の並べ方で時間を費やし、全体の整合性や強弱を考えながら推敲を繰り返す。
繰り返せば繰り返すほど、ゴールが遠のくような気分になる。つまり、本の制作は終わりのない仕事になりやすい。およそ、何かをクリエテイトする仕事の出来上がり感はあってないようなものだ。極端に言えば、自分の納得感だけ。

あとは、印刷にまわてしまえば、野となれ山となれ。今は、新たな本の最終原稿の遂行中。あと、1日、2日の最後の生みの苦しみを乗り越えようと言う心境である。

以上