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山の記憶 -屋久島編 第1話-

関西からLCCに乗って鹿児島に入ると、少し汗ばむほどの気温を感じます。
梅雨前とはいえ、半袖短パンを選択すべきだったと後悔しながら、
鹿児島港から高速船に乗って約二時間強。
軽い船酔いを徐々に覚ましてくれるように、
その島はゆっくりと水平線の向こうから姿を表しました。

世界遺産の島、屋久島 。
縄文杉と九州最高峰を巡る旅の思い出を複数回で綴ります。


屋久島上陸


フェリー乗り場から見上げる屋久島の山々は、
海の上から見た時よりもさらに緑が深くなっているように感じます。

送迎の車や次の鹿児島行きの高速船を待つ人をかき分けて、
本日お世話になる民宿「志保」さんへ向かいます。

シャツが肌に少しまとわりつくのが気になったけど、
雨の多い屋久島では、晴れた日に行動できるのは小さな幸せかもしれません。

宿に着くと簡単な説明を受け、ようやく荷物を下ろし一息。
島では宿泊施設は民宿スタイルがほとんどで、個人の家の間貸しされている方も多いです。
志保さんでも、こじんまりとした6畳ほどの部屋を貸していただきましたが、
田舎の親戚の家に寄ったような、不思議と落ち着く雰囲気のお部屋でした。

天気予報は向こう2日間、快晴。
行動日は3日間確保していましたが、早速翌日からの1泊2日での山行を決めました。

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早速のトラブル、移動手段がない…

当初計画していたのは、淀川登山口から九州最高峰宮之浦岳を1日目に巡り、
二日目に縄文杉をみて荒川登山口に下るコース。

そのコースで必要となるのが、スタート地点である淀川登山口までの移動手段の確保。
日帰りで縄文杉を目指せることで人気の荒川登山口とは違って、
縦走登山者しか利用することの少ない淀川登山口は朝早くに到着する公共交通機関がありません。

基本的にはタクシーを予約して早朝にピックアップしてもらうのがセオリーなのですが、
「現地についてから予約できるだろう」という見通しが甘かったせいで、
そこから島中のタクシー会社に電話をかけるも全て満車の回答…

一度は諦めかけた縦走でしたが、観光協会の方の助けもあり、
荒川登山口行きのバスであれば朝6時ごろから登り始めることができると判明。
急遽予定のルートを逆走して歩き通すことを決断しました。


島での初めての夜ごはん

次の日からのハードワークに備えて、島での初めての夜ご飯です。
伺ったのは島海味kitchenシリウスさん。
カジュアルな屋久島料理をいただけるご飯屋さんです。

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周りを海に囲まれた屋久島らしく、お刺身は新鮮そのもので素晴らしかったのですが、
中でも気に入ったのが鯖節を使ったサラダでした。
あまりにも美味しくて、この後何度かこのメニューを見かけるたびに注文するほどお気に入りに。
もし屋久島に行かれる機会があったら、ぜひ食べていただきたい料理の一つです。

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店内の柔らかな灯りに誘われて、夜通したくさんの方がこちらのお店を訪れていました。

心地よい満腹感を感じながらも、ちょっぴり明日の山行を思って緊張しているのか、
その日はなかなか眠りにつけずに時間だけが過ぎていく夜でした。

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続きます。

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