今年読んだ103冊の中から思い出深い3冊を振り返ってみた
年末が差し迫ってきたので2023年に読んだ本を振り返ってみると、トータル103冊、小説に絞ると54冊であった。この中から2023年に印象深かった3冊をご紹介する。
ちなみに2023年は初めての妊娠出産育児を経験し、これまでとは時間の使い方、大切にしたいものが大きく変化した。そんな環境の変化から、選ぶ本や好きだなと感じる本は変わったかも?とも思ったが、振り返った結論からいうと読書に求めるのはいつだって変わらず2つであった。
現実では感じにくい非日常感
日常の暮らしへのエネルギー
紹介する3冊は、この2つを与えてくれた素敵な本である。
1.ワイルドソウル(上下) 垣根 涼介
戦後に国家プロジェクトに乗って、ブラジルへ入植した日本人たちの人生の話。
恥ずかしながら私自身は全く知らない史実ばかりで、全て事実だとしたら・・・と考えると読んでいて苦しい場面もあった。特に、ブラジルのアマゾンの地で育った子供達の描写は涙が出そうなほどであった。
ただ、ラテン気質?なのか個性の強いキャラクターたちの力強さと、スピード感と豪快さのある計画が遂行されていく様子は、非常に気持ちよく、読み終わった後は一種の爽快感を覚えることができて、「小説」であることの良さを感じた。恋愛要素もあるため、史実に基づくテーマでかつエンタメ要素のある1冊を読みたい方にはおすすめかもしれない。
2.スター 朝井 リョウ
ものづくりの質の良し悪しや、クリエイティブであることとは何なのか、考えさせられる1冊であった。大衆に受ける表現を発信することで広く認知され商業的には成功なのかもしれないが、それは本当にやりたいことなのか?
そもそも成功とは?自分にとっての「好き」を仕事にしてしまうと、ゴールの設定がとても難しいことを感じた。
自分が伝えたいこと、大切だと思うことと求められていることに乖離が生じるのは、どんな仕事でもありそうで、クリエイターだけではなく働き人であれば一度は悩んだことがあり、共感ができるのではないだろうか。
「それでお金をもらっているのだから、それが仕事だ!」と言えばそこまでなのだが、仕事に何を求めていて、どんなことで満足感を持つことができるのか、改めてよく考える良いきっかけをくれた本である。
3.出会い系サイトで70人と出会って、その人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
出会い系サイトを通じて出会う人に、本をすすめるヴィレバン店長さんが主人公。出会い系サイトというキャッチーなタイトルではあるが、やりたいことに向き合えているのだろうか、と悩む主人公がひょんなことをきっかけに一歩踏み出して、いろんな人への選書に挑戦する話。
この本を読んで、思ったのは2つ。
・「私も一歩踏み出したい!これって、そんな難しいことではないのかもしれない」ということ
・「やっぱり本が好きだ!本の楽しさをもっと知ってほしい、私も選書をやってみたい」ということ。
出会い系サイトという独特オーラプンプンの世界ですら、チャレンジングな取り組みに対しておおらかな世界であった。やりたいことに一歩踏み出すのは環境に依存するものではなく自分の思い一つなのだ、と感じさせられた。
元々、選書に興味があったがこの本を読んでより一層、誰かに選書してみたい!と思った。選書をするには、本が好きというだけではなく、知識は当然のごとく、さらに相手がどういう本を求めているのか、「この人がこの本を知ったらもっと幸せになれるんじゃないかな?」っていう気持ちが大切なのかもしれない。なんてことをインプットできた。
そして、この本をすすめたくなるという循環に加わりこうしてすすめている。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
来年もたくさんの素敵なほんと出会えることを楽しみに、読書したいと思います。こんな本いいかも!というおすすめがあったらぜひ教えてください。
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