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ぺんだんと 番外編2 作:Erin
《藤原くん》
※第6章の間に起こった話です。
裏庭の大きな木の下で、望月君と話している時にいつも邪魔する奴。
望月君の友達なのだろうけど、その中のある人が少し怖い。
そいつの名前は『藤原颯馬(ふじはらそうま)』
彼が望月君を呼ぶたび、私は物陰に隠れているが、そのたび目が合っている気がする。
そんなある日・・・・・・
いつもの時間に裏庭に行き、お弁当を開く。その数分後に望月君の足音が聞
ぺんだんと 第八章 作:Erin
「や、やめて!」
璃子がペンダントを放り投げようとした。
そのとき、窓から璃子の腕をつかむ手がシュンっとでてくる。
「きゃああ! だ、だれ!?」
「お前こそ誰」
窓から手を出すなんて一人だけ。瞬だ。
「瞬、だめ!!」
瞬が璃子を殴る構えをしている。だけど、私の声は届かず、璃子を殴ってしまった。
「きゃああああ!!!」
殴られた璃子は右手を床につき、殴られた頬を左手で押さえている
ぺんだんと 第七章 作:Erin
どうやら由梨と望月君はよくメールしあっているらしく、よく私の話を聞かれたそうだ。
「あたし彼氏いるし、従兄弟だから絶対ないよ」
授業を初めてさぼり、由梨と屋上で話した。
この時、べつに呆れたり腹を立たなかったりはしなかった。
只々、普通の二人に戻った気がして嬉しい思いでいっぱいだった。
「でも従弟同士結婚できるじゃん」
「遠い親戚ならね。瞬のお母さんとあたしのお母さん双子でね。あと何回も言
ぺんだんと 第六章 作:Erin
望月君の家庭教師になって2か月、中間はあまり上がらなかったことで落ち込みながらも必死に勉強する望月君。「期末は絶対あげるぞー!!」と言いつつ学校はさぼっている。
「期末一週間前になったら学校は絶対さぼらないこと! 家帰ったらすぐ勉強するから」
「めんどい——」
「家庭教師になってくれって言ったの誰だっけ」
望月君を上から見上げてドヤ顔する。望月君は一瞬戸惑ったけどまた机に向かった。
そん
ぺんだんと 第五章 作:Erin
長い夏休みも終わり、2学期が始まった。
初めての課題テストも90点代。同じ学年の人たちだけじゃなく、先輩たちにも噂は広まり、私を気に入る先輩もいれば気に入らない先輩も出てきた。
おまけにクラスの奴らが「ここわからない。教えて——」ではなく、「ここわからない。やって——」と、私に宿題を押し付けてくる。イラつくけどやれば成績上がるかもと思ってついついやってしまうけど。
結局困るのはあっちだし…
ぺんだんと 第四章 作:Erin
「ねーねー、1組の日高夏美って知ってる?
あの子期末90点以上とって委員長になったからって優等生子ぶってんだって。うざくない?」
トイレに入れば私の悪口が聞こえる。しかも7組の女子達。
いや〜ほんっと女って恐い。このセリフ何回言ってるんだろう。
私はこの頃いろんな噂をされる。優等生子ぶってるとか、男たらしだとか……。
羨ましがってるだけかい可哀想な奴らだわ。
でもそんなことは今日
ぺんだんと 第三章 作:Erin
「~♪」
鼻歌を歌いながら学校に向かう。
色々とスッキリしたせいで、逆にテンションが高くなってしまった。
ドサ!
「いったー」
案の定、門から少し離れたところで誰かとぶつかって転んでしまった。
「あっ、わりぃ。大丈夫か?」
ぶつかった相手は今学校で噂の不良、望月(もちづき)瞬(しゅん)だった。
私とはクラスが離れていて、よく知らないけど、問題をよく起こすという噂は聞いた。
お
ぺんだんと 番外編 作:Erin
由梨と拓斗
〈拓斗side〉
偶然塾で隣になった、秋月由梨さん。
中学生になり、母親に勧められて入った塾だけど、正直剣道に力を入れたくてあまり乗り気ではなかった。
「あ……」
消しゴムを取ろうと手を伸ばしたがその拍子に秋月さんと手がぶつかる。
「すみません、自分の消しゴムだと思っちゃって」
秋月さんはケヘヘと笑い、手を引っ込める。
その仕草がなんだか可愛くて、俺は少し頬を赤らめた。
ぺんだんと 第二章 作:Erin
「ちゃんと成績上げなさいよ!」
「はいはい、わかってるって。行ってきまーす!」
今日から三日間、中学校初めての期末テストが始まる。このテストが終われば、短縮授業。
早めに帰れるし、夏休みが近づいてくる。やっといじめから解放されると思うと、うれしくなってきた。
「はじめてください」
珍しく、今日は誰も私に手を出してない。テストだからそういうことしている場合じゃないしね。
(余裕余裕~)
ぺんだんと 第一章 作:Erin
「ヤバいちこくする!!」
私、日高夏美。
月見ヶ丘(つきみがおか)中学の1年生。入学したばかりで、まだ分からないことが多い。
そして遅刻したことはないが、いつもギリギリの時間帯で学校に着く。
小学校の頃は、結構成功していた。例えば剣道1級合格、マラソン大会優勝、テストは毎回90点以上などなどもっとたくさんある。
そして成功で一番の自慢は、彼氏ができたこと。剣道の道場で出会った、同級生の
彼女からのお知らせ 作:Erin
今日は彼女とお家デート。
俺の彼女、マリアのキッチンは日本に売ってないであろうシリアルやカラフルなお菓子が並べられていた。おそらく実家からのものだろう。
いつもはその溜まりに溜まった甘いお菓子たちを俺に押し付けているのに、今日はいつもよりお菓子が倍あるのに、全然押し付けてこない。
むしろあの明るいマリアが大人しいなんて。
おかしい。おかしすぎる。
そう思ってマリアをじーっと見つめると、その視線に気
四月莫迦の話 作:☆
あたしは一つ、嘘をつきました。……ってまあ、宣言したところで「何が?」って話なんだけど、できればそこは突っ込まずに聞いてほしい。
「ケーキ食べる?」
兄にそう問うと、彼は眼鏡を拭きながら、顔をほころばせてうなずきました。兄は甘いものに目がなくて、小さいころからおやつが出てくると、あたしの分まで食べちゃうような人でした。
兄はとても喜んでいました。あたしも甘いものが好きなのですが、兄に一