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「年の暮*納めの月に里ごころ」

2022年12月22日

カナダde着物
第41話 *美しい日本を再確認*

 今年もあとわずかで終わろうとしております。
 雪景色の年の暮れとなりましたグレーターバンクーバーです。

 人の往来が多いこの時期に、雪のせいで帰省や旅行が予定通りにいかないことがあり、里心を感じる方もおられるかと思います。
 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。


バンクーバー*ダウンタウン

 日本各地のお寺では、納めの不動という今年最後の縁日があります。
 天災や疫病を鎮静するとされ拝されてきた「不動明王」(*1)、通称「お不動さま」と現に生きる私たちとの縁を結ぶ日、とも言えるでしょうか。

 お不動さまの恐い怒りのお顔の下に慈悲があると聞きます。怒りの形相は、悪を断ち切り人々の煩悩を消し去るよう導いているのだそうです。

 人は思うようにいかない時や自分の選んだ道なのに喜びを感じない時などに、ふと他人へ八つ当たりをしてしまったり、責任転嫁をしがちです。
 なのに心の中では、ふつふつと寂しさがこみ上げてしまったり…。

 お不動さまは、そのような私たちの心が守護を通じて、感謝の気持ちに変わるよう手助けしてくださっているように思えます。
 里心を感じた時、自分がここにいることに感謝したいものです。

「美しい日本を再確認」

 今年の後半は、幸いなことに2回目の日本へ行くチャンスがありました。
 短い滞在でしたが、東京の茶道会館での「紅葉の茶会」への参加や京都での西陣織工房へ見学することができました。

 お茶会では、着物を召されたお客さま、手際がよいお茶人の皆さま、手入れのされた庭園や日本建築を拝見しました。

 茶道での着物は、一般の方から見ると地味だと言われます。しかし、その目的が単に着物を見せることではないということは、なかなか認識されていないのではないでしょうか。

 茶道が仏法を通じての修行の一部であり、他の道具や茶室との調和を大事にしているということも理由にあるのかも知れません。
 着物は季節感や縁起をかつぐ文様は大事にされますが、必要以上の華美は避けられます。

 お茶室や庭園の中でお茶人は、その存在や佇まいが美しく、それは豪華絢爛な着物を身に付ければそうなるというものではなく、中からにじみ出る内面が大きく影響してくるものだと感じます。

 お茶会に招く側と招かれる側では、着物や帯の格式やチョイスが違うということも、今後の着物コラムで触れていきたいと思います。

 そして、日本美術においての「調和」は重要な要素のひとつでしょう。重要文化財や国宝とされた品々は正にその極めとも言えます。
 今回の旅行で印象に残りました、京都大徳寺の美しい庭園や茶室は心惹かれるものがありました。
 これからの日本は、こういった唯一無二で世界の人々を呼び寄せる場所として残るのではないかと思いました。
 日頃、日本文化をカナダの皆さまに広める活動を行うことが多いのですが、世界中の皆さまに日本に来ていただき、本物を見ていただくことができましたら本望です。




 真面目に語ってしまいましたが、カナダでの生活の中でもっと気軽に着物や日本文化を愉しむことも続けていきたいと思います。(*2)

 今年最後の着物コラムとなりました。
 これからも着物を通じて季節感や日本文化の素晴らしさを伝えることが出来ましたら幸いです。

 来年は兎年です。ホップステップジャンプ!と飛躍の年でありますように。 良いお年をお迎えくださいませ。
コナともこ

*おまけ*

年末年始のお寺情報Tozenji Temple (西山浄土宗 東漸寺)
除夜の鐘:12月31日(土)
初詣:1月1日(日)~3日(火)

敷地内ではソーシャルディスタンスとマスクの着用をお勧めします。
皆様のご理解ご協力をお願いします。

お問い合わせは (604)939-7749 又は daihizan.tozenji@gmail.comまで連絡下さい。
東漸寺 209 Jackson Street, Coquitlam(無料駐車場有り、Skytrain Braid駅から徒歩15分)

詳しくはこちらから。https://www.vancouvershinpo.ca/community-bulletin-board/religious/2022/12/19/tozenji-new-year/
引用 
不動明王(*1)
仏教の信仰対象であり、密教特有の尊格である明王の一尊。大日如来の化身とも言われる。

気軽に愉しむ着物(*2)
“着物deクリスマス”
海外で装う着物ランキング第1位と言ってもいいほど、お勧めのクリスマスコーデです。(ちなみに第2位は夏の浴衣姿です)
是非、お試しくださいませ。



https://www.instagram.com/p/Cmn15NEOc_O/?igshid=YTgzYjQ4ZTY%3D
参照
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
きもの着方教室いち瑠
https://ichiru.net/column/kimono-christmas/
コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
12年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。
tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘+老犬1匹がおり、バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ 
https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook
https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram 
https://www.instagram.com/konatomoko/
 


カナディアンメープルリーフ

My kimono 👘 column was updated.
Kona kimono story.
Sorry only Japanese.
よろしければ、
他のコラムも「日加トゥデイ」でお読み下さいませ。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/kona-kimono-story/


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