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果物と愛情表現

果物の美味しい季節になった。ぶどう、柿、梨、いちじく。果物はもともと好きだが、秋の果物は殊の外すきだ。もうそろそろりんごも出てくるだろう。

りんごというと、わたしはいつも子どもの頃の朝食を思い出す。実家の朝食にはほとんどいつもりんごが出た。幼かったわたしに、姉はいつもりんごの皮をむいてくれた。

「うさぎさんがいい!」

そう言うわたしに、たまに少しめんどくさそうな顔をしながら、器用にりんごのうさぎさんを作ってくれた姉。

この記憶があるからか、わたしは誰かに果物の皮をむいてもらうのがすきだ。今はもう自分で包丁もそれなりに使えるけれど、できるけれど、だからこそ。

先日、仲間内で料理をする機会があった。果物担当は年下の女の子で、その手つきは見ているこっちがハラハラするくらいだった。けれど、彼女の手で一生懸命に、いびつにカットされたりんごを見て、わたしは自然と微笑んでいた。

やっぱり果物は誰かにむいてもらうのがいい。


ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。