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【雑記】高校生だらけのドラフト 2020

 過去の『高校生だらけのドラフト』シリーズをお読みでない方は、初めまして。過去の記事をお読みの方は、ご無沙汰しています。
 ここでは10月26日開催予定のプロ野球ドラフト会議に向けて、筆者の注目選手を紹介します。2018年2019年にも同表題の記事を公開しているので、ご興味のある方はそちらもご一読ください。
 あらかじめ断っておきますと、筆者はスカウト関係者ではなく単なる野球好きの文章書き(小説・書評等)なので、記述内容にはかなり独断と偏見が含まれています。また、当記事はドラフト予想でも、特定の球団に指名していただきたい選手を取りあげるものでもなくて、個人的に「活躍してくれたらいいな」と思う選手を列挙するテーマで書いているため、筆者の趣味があからさまに反映されています。それと記載している成績は2020年10月22日までの記録を参考にしています。ご了承ください。
 名前の末尾に☆が付いている選手は、そのポジションの一押しです。ちなみに筆者は素材型を好み、中でもロマン砲に惹かれる傾向があります。これで「ああ、そういうタイプか」とおわかりいただけると幸いです。
 ではでは参りましょう。


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


【投手】

シャピロ・マシュー・一郎(栃木・國學院栃木)
*191cm 93kg/右投右打
*MAX147km
【めも】未知数、素材型、大型選手というロマンの塊みたいな右腕。成長痛の影響で3年生の夏までベンチ入りできず、2試合(投球回は合計3回)だけの登板となりました。それでも9月に開催されたプロ志望高校生合同練習会ではパワフルながら柔軟な投球を見せて素質をうかがわせました。時間はかかりそうですが、ポテンシャルの高さに惹かれます。

高橋宏斗(愛知・中京大中京)
*183cm 84kg/右投右打
*MAX154km
【めも】今季の高校生でもっとも注目されているであろう選手。明治神宮大会を優勝に導き、明徳義塾の馬渕監督から絶賛されるなど「モノが違う」雰囲気を持っています。コントロールがよく、100球を超えても150kmを計測するようにスタミナも豊富。ちなみに当初は進学を希望していましたが、慶応大学環境情報学部のAO入試でまさかの不合格となり、急遽プロ志望届を提出することになりました。

中森俊介(兵庫・明石商)
*182cm 88kg/右投右打
*MAX151km
【めも】1年生から3年連続甲子園大会に出場。注目されてきた期間の長さは前述の高橋宏斗投手を上まわります。安定感のある球威と制球で、完成度の高い投手として評価されています。甲子園で62.1回972球19失点という成績を残したようにタフさも武器。今季の高校生投手No.1に推すスカウトもいるようです。

松本隆之介(神奈川・横浜)
*188cm 84kg/左投左打
*MAX152km
【めも】中学生の頃から注目されていた長身の左腕。とはいえ現状細身で、球速と制球のばらつき具合から成長途上といった印象を受けます。手足の長さと柔軟性は大きな武器になると思うので、即戦力とはいかないけれども地道な育成で開花することに期待。

山下舜平大(福岡・福岡大大濠)☆
*189cm 93kg/右投右打
*MAX153km
【めも】伸びのあるストレートと落差のあるカーブを武器とする大型右腕。未完の大器といわれながらも独自大会で圧倒的な投球を見せ、決勝戦では11回にその日最速151kmを記録して周囲の度肝を抜きました。目立ち始めたのは3年生になってから。球速もまだまだあがりそうですし、個人的な好みで今季の高校生投手イチオシにしました。


【捕手】

内山壮真(石川・星稜)☆
*172cm 76kg/右投右打
*高校通算34本塁打
【めも】小柄ながら美しいフルスイングで長打を連発。1年生で名門星稜の4番打者に座り、3年生からは本職の捕手に再転向。甲子園大会で2打席連続本塁打を放つなど、センスと華を備えている有望株です。遊撃手を推奨する声も多いですが、個人的には捕手として見たいです。

釣寿生(京都・京都国際)
*182cm 87kg/右投右打
*高校通算25本塁打
【めも】がっちりした体格のパワフルな捕手。確実性には欠けるものの、技術面を磨けば攻守に期待できます。独自大会及びプロ志望高校生合同練習会にも参加しました。しかし雷雨によりシート打撃での送球機会を逃した上、打撃も不発で好結果を残すことは叶いませんでした。将来性に注目。

中川拓真(愛知・豊橋中央)
*177cm 86kg/右投右打
*高校通算44本塁打
【めも】愛知県No.1を自負するほどの飛距離が売り。身長は180cm未満ながら体重は90kgに迫り、その強靭な肉体を生かして広角に長打を放ちます。二塁送球最速1.83秒の強肩も魅力。打てる捕手好きの筆者としては期待せずにいられません。独自大会で三塁手を務めたりしていた点は気になります。

牧原巧汰(神奈川・日大藤沢)
*176cm 82kg/右投左打
*高校通算29本塁打
【めも】走攻守揃ったバランス型の捕手。逆方向に打つ器用さも持っており、センスのよさを感じます。体は大きい方ではありませんが、意外と本塁打数は多く、パンチ力を秘めた好打者でもあります。

山下航汰(京都・京都外大西)
*182cm 74kg/右投右打
*高校通算36本塁打
【めも】1年目は外野手を務めていましたが、冬から中学以来となる捕手を再開。まだ線の細さはあるものの、40本に迫る本塁打数に加え、場外に飛ばすほどの長打力を持っています。敏捷性もあるので、身が付いてくれば相当な領域に達するかも知れません。


【内野手】

度会隆輝(神奈川・横浜)
*182cm 80kg/右投左打/二塁手
*高校通算24本塁打
【めも】1年生から結果を残し、攻守で存在感を示していました。とはいえ怪我による休養や不祥事による監督辞任などかさなり、不完全燃焼に終わった感は否めません。プロの世界での開花に期待。

井上朋也(埼玉・花咲徳栄)
*181cm 88kg/右投右打/三塁手
*高校通算50本塁打
【めも】1年時から強打者の片鱗を見せ、甲子園大会でも活躍しました。長打力と安定感が魅力。元々は外野手を務めていましたが、2年生の秋以降三塁手に挑戦。新境地を開拓しました。

奥村真大(京都・龍谷大平安)
*180cm 80kg/右投右打/三塁手
*高校通算19本塁打
【めも】兄は奥村展征選手。本塁打数は少なめながら、1年生の頃は不整脈に悩まされ(冬にカテーテル手術を受けた)、3年生の代替大会もベスト8までのブロック大会になるなど、苦難にさいなまれたことを踏まれると充分結果を残したと思います。

小深田大地(大阪・履正社)
*178cm 89kg/右投左打/三塁手
*高校通算34本塁打
【めも】履正社で1年時から5番に座り、勝負強い打撃でチームを牽引。強肩の持ち主で守備に定評があります。足は速い方ではありません。ただ、攻守でカバーできるだけの素質を持っています。

西野力也(大阪・大阪桐蔭)
*181cm 95kg/右投右打/三塁手
*高校通算30本塁打
【めも】名門大阪桐蔭で1年生からレギュラーとして活躍。下級生時代は投球前から足をあげる極端な一本足打法で強引に打っていましたが、3年生になって山川穂高選手のような足先を突きだすフォームに修正。雰囲気は強打者そのもの。走攻守いずれも雑な印象を拭えないので、後はどれだけ技術面を磨けるかがポイントですね。

入江大樹(宮城・仙台育英)
*185cm 83kg/右投右打/遊撃手
*高校通算16本塁打
【めも】素材型の強打者候補。場外級の飛距離を見せるパワフルな打撃が売りである反面、動作が若干固く、確実性に欠けるところがあります。それでも本塁打の数より質で評価したい一人。

岡本大翔(鳥取・米子東)☆
*190cm 92kg/右投右打/遊撃手
*高校通算26本塁打
【めも】米子東の生徒は大抵進学するので、彼のプロ志望届提出は意外でした。荒削りの素材型ながら、意外と敏捷性に富んでいますし、ショートの守備も軽快にこなします。パワーに関しては文句なし。技術面の成長が課題。育成に成功すれば大打者に成長する可能性も。

髙寺望夢(長野・上田西)
*178cm 75kg/右投左打/遊撃手
*高校通算31本塁打
【めも】プロ志望高校生合同練習会で5安打を記録するなど、今回の合同練習会でスカウトの評価を急上昇させました。木製でも巧みなバットコントロールで綺麗な流し打ちを連発。パンチ力もありますが、最終形態は打率型の安打製造機でしょうか。

土田龍空(滋賀・近江)
*179cm 77kg/右投左打/遊撃手
*高校通算30本塁打
【めも】欠点の少ないバランス型の遊撃手。近江では1年生から3番を務めます。当時は守備型の印象を受けましたが、徐々に長打力も身に付けて高校通算30発を記録するまでに成長。

中山礼都(愛知・中京大中京)
*181cm 80kg/右投左打/遊撃手
*高校通算17本塁打
【めも】高い身体能力で中京大中京の快進撃を支えた一人。失策が少なく、俊足巧打でチームに流れを呼び込めるところが魅力。所謂スラッガータイプとは違うものの、長打が求められる場面で1発を決めるスター性を持っています。


【外野手】

来田涼斗(兵庫・明石商)
*180cm 85kg/右投左打
*高校通算34本
【めも】甲子園大会で通算3本塁打を放っている強打者。2年生の春には初回先頭打者弾とサヨナラ弾を放り込むなど、下級生時代から勝負強さを見せていました。俊足巧打で長打を打てる1番打者というイメージ。守備面に不安はあるものの、素質充分で将来が楽しみ。

漁府輝羽(岡山・おかやま山陽)
*183cm 86kg/右投右打
*高校通算24本塁打
【めも】プロ志望高校生合同練習会で存在感を示した一人。フリー打撃では柵越えも記録して、木製バットでも飛距離をだせるところを見せました。大化けの可能性を秘めているように映るので、今後の成長が楽しみ。全国で20人程度しかいない苗字も魅力の一つ。

元謙太(岐阜・中京院中京)
*186cm 85kg/右投右打
*高校通算13本塁打
【めも】本塁打数は少ないけれども、2年時に甲子園大会で満塁弾を放ち、3年時の独自大会でも3本塁打を記録するなど、数字以上のインパクトを残した大型野手。3年生になって強打者の雰囲気が出てきました。ポジションはさまざまで強肩を生かして投手を務めたこともあります。最終的にはどこに落ち着くのでしょうね。

阪本和樹(三重・松阪商)
*179cm 80kg/右投右打
*高校通算61本塁打
【めも】筆者の知る限り、高校通算61本塁打は今年の高校3年生の中では最多。けれども映像を見る限り大振りするタイプではなく、どちらかといえばミートに重点を置いているスイングに映ります。将来的には中距離打者になりそうです。

笹川吉康(神奈川・横浜商)
*193cm 86kg/左投左打
*高校通算40本塁打
【めも】積極的な強振で長打を連発する大型外野手。入学時は68kgで、体作りに専念した効果で86kgまで増量。それでもまだ細身に映るので、将来どんな体格になるのか想像も付きません。荒削りな面は目立つものの、恵まれた肉体の持ち主だけに期待は膨らみます。

西川僚祐(神奈川・東海大相模)☆
*186cm 95kg/右投右打
*高校通算55本塁打
【めも】1年生にして東海大相模の4番に座り、30発という驚異的なペースで本塁打を量産。ところが休養期間を挟んだり、打撃のリズムを崩したことも影響して翌年から低迷、脆さを露呈することになりました。最速166kmというわけのわからない打球速度といい、大学生のような体格といい、素質は間違いなく一級品なのでプロの指導で大爆発することを願います。中学生の頃から注目している選手だけに思い入れが強いです。

早真之介(京都・京都国際)
*180cm 78kg/左投左打
*高校通算29本塁打
【めも】京都国際の4番打者を務め、走攻守で活躍した好打者。主砲ではありますが、どちらかというとミート重視で、大砲よりは確実性のある中距離打者タイプに映ります。また投手としても140kmを記録しており、その強肩と走力から守備にも要注目。

山下晃之介(熊本・文徳)
*177cm 73kg/右投右打
*高校通算40本
【めも】九州を代表する強打者ということで注目。外野手に含めたものの一塁手での出場経験もありますし、プロ志望高校生合同練習会では三塁手として参加するなど、複数のポジションをこなしています。細身ながら長打力があり、プロ志望高校生合同練習会では木製バットで快音を響かせました。

山本大斗(島根・開星)
*180cm 88kg/右投右打
*高校通算21本塁打
【めも】映像は確認できていませんが、嘘か真かスイングスピード170kmという異常な数値をだした逸話の持ち主。打球が速く、詰まながらも逆方向のスタンドに放り込むパワフルな打撃に加え、中堅からノーバウンド返球する強肩を備えています。規格外の香りをただよわせている一人。

渡部海夢(山梨・東海大甲府)
*178cm 84kg/右投左打
*高校通算21本塁打
【めも】通算本塁打は21本ながら、本数以上のインパクトを残した好打者。独自大会では場外弾を含む2本塁打。プロ志望高校生合同練習会でも2本の柵越えを見せ、スカウトからも「参加者で一番いい」と評価されています。監督も飛距離はOBの高橋周平選手以上とコメント。


プロ志望届未提出の注目高校生

印出太一(愛知・中京大中京・右投右打・捕手)
佐藤琉河(宮城・東北・右投右打・捕手)
田所宗大(三重・いなべ総合・右投右打・捕手)
塚本悠樹(岩手・盛岡大附・右投右打・捕手)☆

河西陽路(奈良・天理・右投左打・一塁手)
黒澤孟朗(西東京・国士舘・右投左打・一塁手)
櫻井亨佑(千葉・習志野・右投左打・一塁手)
山口竜平(大阪・近代泉州・右投左打・一塁手)
森本恵翔(和歌山・初芝橋本・右投右打・一塁手)☆
渡邉翔大(埼玉・昌平・右投左打・一塁手)

加藤響(神奈川・東海大相模・右投右打・二塁手)☆

久木田和志(福岡・小倉工・右投右打・三塁手)☆
佐々木泰(岐阜・県岐阜商・右投右打・三塁手)
杉崎成(西東京・東海大菅生・右投右打・三塁手)
吉沢悠佑(神奈川・東海大相模・右投右打・三塁手)

作本想真(長崎・大村工・右投右打・外野手)☆
薗部将大(西東京・早大学院・右投右打・外野手)
多田聖一郎(香川・三本松・右投左打・外野手)
冨田健悟(神奈川・桐蔭学園・右投右打・外野手)
冨田進悟(神奈川・横浜・右投左打・外野手)
船曵烈士(大阪・大阪桐蔭・右投右打・外野手)
水谷公省(岩手・花巻東・右投左打・外野手)


大学生

【投手】
伊藤大海(北海道学生野球・苫小牧駒澤大)
*176cm 82kg/右投左打
*MAX156km
【めも】1年生の秋に駒澤大を中退し、苫小牧駒澤大に再入学。それ以降北海道で無双を続ける本格派右腕。剛速球に加えて制球力もあり、年々注目度をあげています。

小郷賢人(首都大学野球・東海大)
*180cm 80kg/右投右打
*MAX155km
【めも】兄は小郷裕哉選手。高い奪三振率を誇る投球が魅力。ただ、怪我が若干多い点は気がかりといえば気がかり。

早川隆久(東京六大学野球・早稲田大)☆
*180cm 80kg/左投左打
*MAX155km
【めも】恐らく大学生投手でもっとも注目されている選手。2020年秋季リーグでも快投を続けていて、打ち崩される気配がありません。

中川颯(東京六大学野球・立教大)
*184cm 79kg/右投右打
*MAX136km
【めも】貴重なアンダースロー。投球スタイルの宿命で球速は140km未満ながら、打者を翻弄する投球術を見せます。ちなみに高校時代は通算26本塁打の強打者でした。

村上頌樹(東都大学野球・東洋大)
*174cm 75kg/右投右打
*MAX149km
【めも】小柄ながら秀逸な変化球と制球力を武器に打ち取っていきます。しかし2020年秋季リーグで負傷するアクシデントに見舞われてしまいました。状態が心配です。


【捕手】

喜多隆介(京滋大学野球・京都先端科学大)
*180cm 83kg/右投右打
*リーグ戦通算2本塁打
【めも】二塁送球1.78秒の強肩が魅力。強肩強打と呼ばれるためには、打撃面でもう一押し欲しいところ。

榮枝裕貴(関西学生野球・立命大)
*179cm 79kg/右投右打
*リーグ戦通算0本塁打
【めも】二塁送球1.8秒を計測。リーグ戦での本塁打はないものの、高打率を残している上、指名打者での出場もあるので打撃力はある模様。

古川裕大(関甲新学生野球・上武大)☆
*182cm 86kg/右投左打
*リーグ通算12本塁打
【めも】二塁送球1.8秒台。首位打者・本塁打王・打点王を経験。遊撃手も務める万能型でもあります。とはいえ強打の捕手として見たいので、コンバート前提の指名は勘弁願いたいですね。


【内野手】

平良竜哉(福岡六大学野球・九州共立大)
*170cm 72kg/右投右打/一塁手・二塁手・三塁手
*リーグ通算16本塁打
【めも】宇宙まで飛ばしそうなフルスイングが特徴。この個性に加えて、最優秀選手・ベストナイン・首位打者・本塁打王・打点王・盗塁王を経験、しかも通算100安打を記録するという無双ぶり。

牧秀悟(東都大学野球・中央大)
*178cm 93kg/右投右打/二塁手
*リーグ通算4本塁打
【めも】2019年に東都大学野球1部リーグで首位打者に輝いた好打者。同年の大学日本代表で4番を務めました。弾道が低く、ライナーで内外野を破る中距離型という印象。選球眼がよくて出塁率も高いです。

佐藤輝明(関西学生野球・近畿大)
*187cm 94kg/右投左打/三塁手
*リーグ通算14本塁打
【めも】通算14本塁打を放ち関西学生野球新記録を樹立。見るからに強打者といった筋肉の塊で、広角に飛ばせる打撃力が売り。足の速さも見どころ。三振の多さと四球の少なさは気になりますが、これだけ長打を連発できる選手はそういないので楽しみですね。

タイシンガー・ブランドン大河(北海道学生野球・東農大北海道)
*179cm 84kg/右投右打/三塁手
*リーグ通算5本塁打
【めも】3回首位打者に輝き、投手としても147kmを記録。身体能力の高さは相当なものだと思います。投手としての感覚が残っているのか、余裕でアウトを取れる状況でも一塁に全力投球。力がありあまっている感じですが、やる気は充分伝わってきます。

渡部健人(神奈川大学野球・桐蔭横浜大)☆
*176cm 115kg/右投右打/三塁手
*リーグ通算18本塁打
【めも】2020年秋季リーグで神奈川大学野球タイ記録となる1季8本塁打を記録。走攻守で高い技術と柔軟性を見せており、真ん丸の体格からは想像できないほど器用な面を持っている超個性派です。筆者の好きな要素をこれでもかというほど凝縮した選手なのでイチオシにしなければいけません。


【外野手】

五十幡亮汰(東都大学野球・中央大)☆
*172cm 68kg/右投左打
*リーグ通算2本塁打
【めも】「サニ・ブラウンに勝った男」はもう聞き飽きた、と思われそうですが、やはり中学生時代に全国大会の100m&200mで優勝した俊足は魅力です。内野安打と盗塁の連続技が見たいです。

叺田本気(東海地区大学野球・中京学院大)
*182cm 76kg/右投右打
*リーグ通算1本塁打
【めも】強肩強打の外野手で、大学3年生の春まで捕手を務めていました。俊足の持ち主でもあります。最終的に外野手と捕手、どちらを選択することになるのか興味深いです。

斎田海斗(南東北大学野球・東日本国際大)
*180cm 80kg/右投左打
*リーグ通算5本塁打
【めも】本塁打王1回、打点王2回、盗塁王3回。勝負すれば長打、歩かせれば走るという相手にストレスを与えるタイプ。入学後に肉体改造に取り組んで64kgから80kgまで増量。

関龍摩(神奈川大学野球・関東学院大)
*181cm 80kg/右投右打
*リーグ通算5本塁打
【めも】2020年秋季リーグで通算100安打を達成。首位打者・打点王1回。1年生から安打製造機として活躍し、スカウトは「典型的な中距離打者としては文句なし」と評価しているのか評価していないのかよくわからないコメントをしていますが、筆者は評価しています。

武岡大聖(北東北大学野球・八戸学院大)
*178cm 91kg/右投左打
*リーグ通算0本塁打
【めも】弟は武岡龍世選手。リーグ戦の本塁打はないものの、全国大会で2発を叩き込むなど長打力を持ち味としています。三塁手に挑戦するという話もあります。

保科広一(東京新大学野球・創価大)
*187cm 89kg/左投左打
*リーグ通算0本塁打
【めも】身体能力の高い大型外野手。リーグ戦の本塁打はないものの、豪快なフルスイングと俊足でアピール。映像を見る限りかなり荒削りで、大成するか転ぶか派手にわかれそうな雰囲気を匂わせていますね。だからこそ注目したくなる存在です。


社会人

栗林良吏(愛知黎明→名城大→トヨタ自動車)
*178cm 80kg/右投右打/投手/24歳

猪田和希(神戸国際大附→JFE東日本)☆
*175cm 90kg/右投右打/捕手/21歳

片山勢三(門司学園→九州共立大→パナソニック)
*176cm 105kg/右投右打/一塁手/25歳

平山快(東海大相模→東海大→JFE東日本)
*181cm 88kg/右投右打/三塁手/24歳

今川優馬(東海大四→東海大北海道→JFE東日本)
*176cm 84kg/右投右打/外野手/24歳

秦匠太朗(二松學舍大学附→専修大→王子)
*184cm 97kg/右投右打/外野手/24歳

独立リーグ

落合秀市(和歌山東→兵庫ブルーサンダーズ)
*185cm 90kg/右投右打/投手/19歳

速水隆成(桐生第一→群馬ダイヤモンドペガサス)
*189cm 102kg/右投右打/捕手/23歳

植田拓(盛岡大附→バイタルネット→愛媛マンダリンパイレーツ)☆
*165cm 82kg/右投右打/外野手/21歳


◆  ◇  ◆  ◇  ◆


 ここからは記事の裏話というか、いいわけです。
 高校生に主眼を置いているとはいえ、社会人野球及び独立リーグの選手にコメントを残せなかったのは筆者の遅筆と知識不足故で、有力選手はまだたくさん控えています。当初は高校生10人、大学生10人、社会人と独立リーグ併せて5~6人程度紹介する予定でした。ところが別件の原稿作業に追われて時間を使えなかったので、仕方なく各選手の【めも】を簡略化させていただきました。
 もっとも少人数に絞ると多数のメディアに取りあげられている選手ばかりになりますし、簡略化する代わりに人数を増やす方が面白くなると見て、約150人のドラフト候補者リストから1/3程度紹介する形式に。最終的に高校生30人、大学生19人、社会人6人、独立リーグ3人、合計58人に絞りました。執筆作業は楽しかったですが、疲労度もなかなかのものですね。

 高校生はプロ志望届提出者のみ参加可能の「プロ志望高校生合同練習会」が東西で開催されました。これは英断だと思います。髙寺望夢内野手、漁府輝羽外野手は合同練習会のおかげで知ることができましたし、記事内では紹介していませんが、神村学園の井上幹太外野手、柳ヶ浦の西川拓馬外野手、広島商の寺本聖一外野手といった選手たちも合同練習会を通して注目することになりました。合同練習会は毎年開催してもよいのではないか、と筆者は思うのですけれどね。
 プロ志望届未提出者に関しては、大体予想通りでした。盛岡大附の塚本悠樹捕手、東海大相模の加藤響内野手、小倉工の久木田和志内野手、大村工の作本想真外野手は大注目対象だっただけに残念ですが、進路は超を何個付けてもたりないほど大事なので、ご本人の意思を尊重して今後のご活躍を願いましょう。

 今年は新型コロナウイルスの蔓延により試合の中止が相次ぎ、アマチュア野球界の選手はアピールする機会を喪失することになりました。中には致命的なダメージを負い、未来設計図を描きなおした人もいるかも知れません。そうした方々の胸中を察すると胸が痛みます。しかも2020年に限らず、来年以降もおなじ事態に陥ることも考えられるのですから、依然として予断を許さない状況といえるでしょう。月並みな締め括りではありますが、1分1秒でも早く終息して、元の日常が戻りますよう切願します。

 あなたにとって、わたしにとって、よいドラフトになりますように。


お読みいただき、ありがとうございます。 今後も小説を始め、さまざまな読みものを公開します。もしもお気に召したらサポートしてくださると大変助かります。サポートとはいわゆる投げ銭で、アカウントをお持ちでなくてもできます。