がらくたの家 7 (小説)
夕方、祐生に頼まれて駅の反対側にある八百屋さんまで生のわさびを買いに出た凛はすっかり道に迷っていた。
やっとのことでたどり着いた店で、凛は初めてチューブに入っていないわさびを見た。匂いを嗅げばそれは確かにわさびだった。初めてのおつかい無事完了と祐生にメールして、ほっとして家に向かってのんびり歩く。
サンロードを歩いている時だった。前から歩いてきた男がすれ違いざまにくるりと向きを変え、いきなり凛の肩を抱いて「行こう行こう飲みに行こう」と陽気に告げて家とは逆の方へずんずん歩き出し