ワールドインベストメント株式会社 こもり克己

M&A関連などの仕事をし、「日本企業のグローバル化や、成長産業への移行、生産性…

ワールドインベストメント株式会社 こもり克己

M&A関連などの仕事をし、「日本企業のグローバル化や、成長産業への移行、生産性の向上支援」を経営理念に取り組んでいます。日本を良くしたいと思い、政治を目指し、選挙にも2回立候補した経験があります。もしよろしければフォローをよろしくお願い致します。慶大卒。CMA。

最近の記事

戦略の大家、マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方(4)

「マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方」(1)~(3)では、企業内部におけるオペレーション効率の向上のみならず、どのような独自性あるポジショニングを取るか、戦略が優位性構築にとって最も重要であることを学びました。また企業を取り巻く外部環境として、立地にあるクラスターが極めて重要であり、その高度化へ主体的に取り組むと共に、場合によってはそれを積極的に選択し、移動すべきだとの考えを学びました。最後となる(4)では、ローカルのクラスターの中で培われた競争優位性や生産性を、グ

    • 戦略の大家、マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方(3)

        日本を含めた世界は、経済のグローバル化の進展の中で、国よりも、県や市などのより小さな地域の特性が、従来以上に大きな影響力を持ちつつあります。地域におけるビジネス環境と、集積する関連産業のクラスターが、生産性やイノベーション、そして競争優位に重要な役割を与えています。本編の(1)や(2)で言及された企業の戦略やオペレーション効率は、クラスターと言う外枠にも大きく規定されますが、クラスターの持つ意義や国の競争力へ与えるメカニズムなどに付いて、(3)ではマイケル・ポーター教授の

      • 戦略論の世界的権威リチャード・P・ルメルト氏に学ぶ「良い戦略、悪い戦略」

          会社経営は、どの様な経営をして行くか、どんな事業展開をして行くか、まずは設計図をしっかりと描き、それに従って執行して行きますが、魅力ある設計図が描けなければ、企業に高い成長や付加価値などをもたらす事はできません。今回学ぶ戦略論の世界的権威リチャード・P・ルメルト氏は「企業の戦略立案は、大規模な設計作業と言える。」と述べていますが、設計図の描き方を本稿では学びます。  ルメルト氏は、「戦略の基本は、最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつけること、最も効果の上がりそうなと

        • 戦略の大家、マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方(2)

           米国の著名投資家で、世界最大のヘッジファンドを創設したレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏は、“Designing precedes doing . (設計は実行に勝る)”と述べていますが、本稿では(1)に続き、経営戦略の描き方や設計の書き方を、戦略論の大家であり、日本でも有名なハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授から学びます。 4. 衰退産業における終盤戦略   衰退産業では、戦略的思考を止めてしまう企業があまりに多いが、有利なポジションにある企業に、非常に

        戦略の大家、マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方(4)

          戦略の大家、マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方(1)

            日本人は、英米などアングロサクソン系に比べ、戦略の立案や構築を苦手とする特徴が顕著で、古くは太平洋戦争での敗戦、最近では新型コロナ禍でのワクチン開発の遅れを初め、様々な場面でその特徴が顕わとなり、しばしば問題が指摘されて来ました。  日本企業の行動においても、そうした特徴は数多く見られ、例えば家電メーカーではテレビのパネル薄型化に固執し、「狭くて進化のない戦略オプション」を続けたり、半導体メモリや液晶パネル、太陽光パネル等々の分野においては、大胆さを欠いた、過少な投資の

          戦略の大家、マイケル・ポーター教授に学ぶ経営戦略の立て方(1)

          最高の経営戦略構築へ学ぶ「企業戦略論」(1)

           新型コロナ禍において、残念ながら日本は、ワクチンの接種や開発などで世界に遅れ、全体を俯瞰する視野や、適切な戦略や制度設計の欠如等が露呈しました。けれども、日本の戦略や制度設計の弱みや欠如は、今に始まった事ではなく、80年近く前の、太平洋戦争時の日本軍を分析した著書「失敗の本質」に於いても、「あいまいな戦略目的」、「狭くて進化のない戦略オプション」、「主観的で帰納的な戦略策定」等々が敗戦の大きな原因として分析され、日本人に長年の歴史で培われた特徴とさえ言えるかもしれません。

          最高の経営戦略構築へ学ぶ「企業戦略論」(1)

          株式市場と、46億年史に見る地球クライシス(後半)

               新型コロナの最初の症例が見つかってから、まもなく1年半が経とうとしていますが、依然として感染拡大が続いています。感染症やウイルスを通じた経済へのショックは、ほとんどの投資家に取って予期せぬ「ブラックスワン」で、株式市場に大きなショックをもたらしましたが、 5億4100万年前からの、地球上に肉眼で見える生物が生息した「顕生代」で起こった5つの大絶滅「ビッグファイブ」のうち、4つがマントル対流など地球の内部活動に伴う火山活動であったと推察されている旨を前半で書きました。

          株式市場と、46億年史に見る地球クライシス(後半)

          株式市場と、46億年史に見る地球クライシス(前半)

           新型コロナですが、世界で感染者は1億6千万人を超え、死者は333万人を上回り(21年5月現在)、世界経済は第二次大戦後最大の落ち込みを引き起こしました。ほとんどの投資家が予期しない、感染症やウイルスと言う経路からのショックで、一部には異論があるものの、自然界からもたらされた危機でした。今回は、600~700万年の人類史や、20~30万年のホモ・サピエンス史を超え、46億年の地球史全体を振り返り、これまでどのような自然ショックが地球上の生命体を襲ってきたかを、見て行きたいと思

          株式市場と、46億年史に見る地球クライシス(前半)

          株式の投資指標PERとPBRの長所と短所

            株式投資において、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は、その分かりやすい概念や算出が容易である事などから、多くの投資家に利用されてきた指標です。けれどもその限界や問題が理解された上で、利用されているのか?に疑問を感じ、今回の投稿をさせて頂きます。    本題に入る前に、これから株式投資を始めようと言う方向けに、両指標について簡単に説明します。両指標についてご理解されている方も、復習としてご一読頂けましたら幸いです。 ■PER(株価収益率)         

          株式の投資指標PERとPBRの長所と短所

          2021年版「バフェットからの手紙」に学ぶ投資や経営、M&A

          世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェット (Warren Buffett) ですが、毎年パートナーとも称される株主に手紙を書いています。 その内容は、株式投資や企業経営、M&A等において、有用な情報が数多く含まれていますが、日本でその知見が十分生かされ、活用されているとは言えないのが実情です。 本ブログでは様々なテーマを扱って行く予定ですが、最新の2020年版に始まり、過去に遡って「バフェットの手紙」に出てくるその知見を紹介して行きたいと思います。 1.M&Aや買

          2021年版「バフェットからの手紙」に学ぶ投資や経営、M&A